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 戦前(昭和期)の日本陸軍の憲兵機構を調べると、トップが憲兵司令官、次席が憲兵司令部本部長という職になっています。

 しかし、憲兵司令部内には「本部」という組織は無く、本部も無いのに本部長というポストだけがあるという不思議な状態になっています。

 なぜ憲兵司令部参謀長ではなく、本部長なのでしょうか。(スタッフではなく、指揮権を代行できる(副司令官のような)ラインのポストだったのでしょうか。
 また、参謀長であればその職掌は「参謀長ハ軍司令官ヲ輔佐シ機務ニ参画シ命令ノ普及並実施ヲ監督シ事務整理ノ責ニ任ス」となるわけですが、憲兵司令部本部長の職掌はどのようなものだったのでしょうか。

A 回答 (3件)

> 戦前(昭和期)の日本陸軍の憲兵機構を調べると、トップが憲兵司令官、次席が憲兵司令部本部長という職になっています。



 旧陸軍の憲兵組織において司令部内に「本部長」という役職名が出来たのは1940年(昭15年)11月19日公布(同日施行)の「憲兵令中改正」(勅令第776号)からでした。

 そこには、

> 第八條第一項中「總務部長」ヲ「本部長」ニ ~ 改ム

 とあります。したがって名称は変わっても業務はそれまで「總務部長」が行ってきた憲兵司令官の輔佐および司令部一切の事務整理を担当するといういわゆる「次官」に相当する実務のトップでありました。

 名称が変更になった理由の第一点は、支那事変生起にともない憲兵組織が拡大し、それまでの朝鮮や台湾、関東軍などの憲兵司令部以外に支那駐屯憲兵司令部、中支那派遣憲兵司令部が編成され各司令部それぞれに「總務部長」をおいたためにそれら「總務部長」を統括する「本部長」を中央に置いたからでした。第二点はそれまで「總務部長」と並んであった「警務部長」を廃止して「課長」制としこれを「本部長」に隷属させて命令系統を単純化したことでした。なお警務課は三課までありほかに外事課庶務課がありました。

 憲兵史にかんしては『日本憲兵正史』全国憲友会連連合会編纂委員会 76年 をご覧になられることをお勧めします。
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この回答へのお礼

憲兵司令部総務部長が改変されて本部長になったわけですね。
永年の疑問が氷解しました。

ありがとうございました。

お礼日時:2008/08/05 01:54

現代日本のたいていの企業には「社長」という職と「会長」という職があります。


「社長」は「会社の長」ということで分かりますが、「会長」というのは何の長でしょう?質問者さんはご存じですか?

会社によっては、会長のことを「取締役会長」などと呼んでいますが、これは本来おかしなことです。「取締役会」というのは会社法(かつては商法)の規定で設置されるものですが、会社法には「取締役会」と「取締役」についての規定はあっても「取締役会長」などというものについては何ら規定されていません。そもそも、取締役会ではそれぞれの取締役は平等の立場というのが会社法の考え方ですので「取締役会長」などという概念は会社法の考え方に反しているといえます。

法律の話はさておき、現実にほぼ全ての株式会社に「会長」が存在するのが事実です。
実際は「会長」の定義は「取締役会長のこと」ではなく「退任した社長、または社長にならなかった副社長を処遇する役職のこと」となっており、それで何も問題は起きておりません。「会長の『会』って何だ?」などということは誰も問題にしません。

「教育総監部本部」が存在しないのに「教育総監部本部長」が存在したのと類似の例として挙げておきます。
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同じような例として、「教育総監」と「教育総監部本部長」の関係があります。



教育総監は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2% …
にあるように「教育総監(きょういくそうかん)は、日本陸軍の教育を掌る役職で、その事務は教育総監部が行った」という職です。
教育総監部のナンバー2は「教育総監部本部長」です。陸軍大臣に対する陸軍次官、参謀総長に対する参謀次長に相当する職です。
「教育総監部」という官庁は存在しても「教育総監部本部」という官庁は特に存在しなかったのですが、「教育総監部本部長」という職は現に存在したわけです。

「憲兵司令部本部長」も同じで「憲兵司令部『本部』」がなくても問題なかったと考えて下さい。あまり深く考えないで良いのです。

ただ、ネット上で閲覧できる
憲兵令
http://www.geocities.jp/nakanolib/rei/rm31-337.htm
では、憲兵司令部の官制は

第八条 憲兵司令部ニ左ノ職員ヲ置ク
  憲兵司令官
  総務部長
  警務部長
  副官
  部員
  部附
  准士官、下士、判任文官

となっており、「憲兵司令部本部長」はありません。

なお「参謀」というのは、陸軍であれば

総軍→方面軍→軍→師団

という「戦闘部隊」だけに置かれましたので「憲兵司令部」のような「官庁」に「参謀」や「参謀長」は存在しません。憲兵令で示されるように役所のような組織になっています。
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この回答へのお礼

憲兵司令部は官庁だったのですね。
「司令官」を頂く「司令部」が官庁というのは、今の感覚だと若干違和感がありますが。。。

お礼日時:2008/08/05 02:04

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