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精密機器や金属材料などの製造業は材料の物性を研究することでその技術は発展きていますが、その具体的な物性との繋がりについておしえてください。

A 回答 (1件)

工業的に利用される材料は、ほとんどの物が純粋な材料で単品で使用されるものはありません。


例をあげてみましょう。
1)鉄・・鉄といっても純鉄で使用されるものは、皆無です。
鉄鋼・・・鉄に炭素、シリコン、マンガン、リンなど添加物の量を調整したものです。建材、車、家電品等に使用される一口に鉄と言われる物は、添加物を調整して必要な機能を持たせた鉄鋼なのです。
・氷山にぶつかって沈没したタイタニック号当時の鉄は炭素量が多くて脆かったので、氷山にぶつかっただけで穴が開いたというのも鉄の研究が未熟だったのです。今では、砕氷船に氷で穴が開いたなんて話は聞きません。
・ドイツ軍がロシアに攻め込んだ時に厳冬期に気温が下がり戦車の車軸が折れて使い物にならなかったというのも同様に鉄の研究が遅れていたのです。今では冬場に車の車軸が折れた話は聞きませんものね。
・現代の車のボディの高張力鋼板は、薄くても強度が高いものが使用され、その結果、シャーシの無いモノコックボディを作ることができたのです。
・特に厨房用品に多用されるステンレス鋼は、鉄をベースにクロム、ニッケル、炭素、リン、モリブデン等々数々雑多な成分が含まれます。
・南部鉄瓶は鋳鉄です。炭素が大量に含まれ、固くて脆い。川の砂鉄をそのまま溶かして鋳込んだような製品です。
2)アルミニウム・・これも単体で使用されることはほとんどありません。
・ジュラルミン・・航空機の材料として高強度、軽量・・・アルミニウムに銅、マグネシウム、マンガン等を混ぜます。
・アルミニウムも錆びるので表面を錆びの一種のアルマイトで処理します。
3)発光ダイオードは、色によって、ガリウム・ヒ素とかガリウム・リンの組み合わせを使用します。最近話題になった青色発光ダイオードは、インジウム・ガリウム窒化物で実現できることを発見したのが大発明だったのです。屋外の大画面モニター、青色レーザーダイオードなどを作れるようになり、ブルーレイディスクもこの恩恵を受けたのです。
4)たんぱく質の質量分析を行ってノーベル賞を受賞した田中耕一さん・・たんぱく質をマトリクスに混ぜて質量分析を行うためにイオン化すると、たんぱく質の分子が壊れてしまう。そこにたまたま何かの元素(モリブデンだったか?)を混ぜたところたんぱく質を壊さないでイオン化できたということです。他の元素でも実現できることがわかって更に研究が進んだのです。
5)エンジニアリング・プラスチック(エンプラ)という言葉があります。ペットボトルの材料とかポリカーボネートとか、強度的に強いプラスチックは、色々なプラスチックの混ぜ物(ポリマー)なのです。
6)レアメタルの争奪戦という言葉を良く聞きますが、電子部品、新材料には隠し味のように混ぜるレアメタルは必要不可欠なのです。
・・・以上まとめますと、現代の科学技術は、何かの元素に他の元素を混ぜることによって画期的な新材料とか新技術を作り上げることが多いようです。ただ、その新材料を見つける努力が手探りのために苛酷な研究になるようです。
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この回答へのお礼

なるほど!材料が新たな材料を生み出すのですね。返答ありがとうございました!!

お礼日時:2008/08/11 06:23

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