債権者代位権と債権者取消権の非保全債権の履行期について
民法の独習者です。
債権者代位権と債権者取消権の非保全債権の履行期の扱いについて理解できません。
債権者代位権の要件の一つは非保全債権が履行期にあることとされ、一方、債権者取消権は非保全債権が履行期にある必要はないとされています。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
内田先生の基本書、コメンタールなどを読みましたが、債権者取消権の非保全債権が履行期前でも行使できるのが当然のような書きぶりで、すっきりしません。
また、債権者代位権の方は、非保全債権が履行期にあることが必要ということですから、単純にイメージして、債務者が履行遅滞して、やっとつかえる権利ということで良いのでしょうか?
と、ここまで質問文を書いて、債権者取消権は裁判上の行使が必要だから、履行期という制約を課さなくても、債務者の権利行使に対する不当な干渉のおそれが小さいが、代位権は裁判外でも可能だから、債務者が履行遅滞になってやっと行使できるようにしたということかな、という気がしてきました。
とすると、同じ責任財産保全の制度なのに取消権と代位権でそんな違いがあるのかが疑問です。
要領を得ない質問で恐縮ですが、もし、詳しい方がいましたら、ご助言いただけると幸いです。
回答(4件)
- 最新から表示
- |
- 回答順に表示
- |
- ベストアンサーのみ表示
No.4ベストアンサー20pt
まず,債権者代位が,被保全債権が履行期になければできないという認識自体が,正確には誤りです.
履行期にない場合は,代位の前にその必要性等について裁判所のチェックが必要になるだけで,代位権の行使自体は可能です.また,保存行為は可能です.
そして,債権者代位権の行使が訴訟によらなくてもできるのに対し,債権者取消権の行使に訴訟手続に限られるのは,次のような両制度の違いによるものです.
債権者代位権では,そもそも債務者が第三債務者に対して有する権利を行使するだけですから,第三債務者の権利を侵害することはありません. また,第三債務者は本来の債務を履行するだけですから,その債務自体に争いがなければ,通常はそのまま履行することになります.
一方,債権者取消権は,有効に成立した,債務者と受益者の間の契約を取消して,受益者や転得者から財産を取り戻すものですから,受益者に対する権利侵害の程度が非常に大きくなります.また,この場合,その取り戻しを受益者が争わないというのは,ほとんどあり得ないでしょう.
このため,債権者取消権では,その権利行使について慎重に行う必要があり,必ず裁判所の判断を経ることが必要な制度としていると考えられます.
そして,債権者代位権の場合も,被保全債権が履行期前であるときは,その行使の必要性について明らかとは言えないので,債務者にとっても不利益にならない保全の措置をとる場合や,債権者代位権を行使することについて裁判所の許可(非訟事件手続法75条)を得た場合に限って行使できるようにして,バランスをとっています.
あと,債権者代位権は,債務者が自らの権利行使を怠っているときに,これを代わって行うものだから,被保全債権のためには,その履行期までにその権利行使を本人が行えば足りるものだから,原則は履行期後にしか行えなえず,必要性が認められる時のみ履行期前に行使できるとしても,差支えありません.
これに対し,債権者取消権は,全債権者のために,債務者の一般財産が減少することを防ぐのが目的ですから,履行期前であっても,その行使の必要性は認められます.
この回答へのお礼
目から鱗が落ちました。
大変、腑に落ちる御説明です。学者の本ではありませんが、いわゆる参考書の類には、単純に債権者代位権と債権者取消権の比較の表があり、
代位権では履行期後、取消権ではそのような制約はないという、整理がされていたので、それが頭に刷り込まれてしまったようです。
加えて、図書館で近江先生の教科書を読んでいたら、債権者代位権は沿革的には、フランスで債権に対する執行制度の不備を補う債権回収手段の一つだった、というような記述があったので、一層、履行遅滞後の債権回収の方法、というようなイメージが固まってしまいました。
確かに、条文を改めて読むと、履行期になければ行使できないという書き方ではないように読めます。
日本の民法の理解としては、ご説明いただいたように理解した方が、
取消権と代位権を立体的に理解できると思いました。
ありがとうございます。
ベタな言い方をすれば、債権者代位権は「俺にくれ!」だから、履行期が来ないうちに割って入って分捕っていけるのはヘン。他方、債権者取消権は「やめろ、ボケ!」だから、履行期が来なくても割って入って言えなきゃ意味ナシ。
・・・私の場合ですが、このようなイメージです。
この回答へのお礼
個人的にはこうゆうイメージが好きです。ありがとうございます。
イメージを大事にするといいと思います。
債権者代位権は債務者に代わりに債権者が「債権の行使を行う」行為です。
もう少し言うと、債権を第三債務者に積極的に要求していくイメージです。
債権を行使するのですから、当然に債権者の債権の履行期が到来している必要があります。
債権者代位権は代位という形をとっているのですから、
この場合、債権者の債権である被保全債権の履行期が到来している必要があるということになります。
(当然の前提として債務者の第三債務者に対する債権が履行期に達している必要もあります)
対して債権者取消権は、
契約を取り消させ、これから債権を回収しようとする相手方である
債務者の財産を散逸させないようにする行為であり、
これは債権者が第三債務者へ積極的に債権を行使する場面ではありません。
したがって、債権者の債権(被保全債権)の履行期が到来している必要はないということになります。
この回答へのお礼
私の理解力が不十分なのだと思いますが、代位についても債権者は「被保全債権を行使する」というイメージがあるということでしょうか。
このイメージは頭に残りやすいので、忘れにくいかもしません。
ありがとうございます。
コメンタールにも書いてないのですから自信はありませんが、私の考えを。
424と423は、責任財産の保全という趣旨を同じくするものの、424の要件には詐害行為が含まれ、自己の債務から積極的に逃れようとしていると言えます。
一方、423はお金を回収しても債務者に弁済してなくなっちゃうからなどの理由からか、自己の債権を行使していないだけです。
つまり、423と424では状況の緊急度合が異なり、それが弁済期到来の有無という要件の違いに出ているのではないかと、私は考えます。
ちなみに、「非保全債権」は間違いです。
この回答へのお礼
確かに、詐害行為取消の場合は、詐害意思をもって積極的に責任財産を減少させる行為をしているので、履行期などというのんびりしたことはいってられないというのは、個人的には腑に落ちます。
ご助言ありがとうございます。
- 最新から表示
- |
- 回答順に表示
- |
- ベストアンサーのみ表示












