No.1ベストアンサー
- 回答日時:
現在、一般に言われるのはこういう説明です。
「絶対音感」がある人は頭の中に音を高さを計るものさしを持っていて、例えばピアノで440Hzの音を弾くと「ラ」の音だと分かる人です。一方、「相対音感」の場合はこの440Hzの音は「ラ」とは分かりません。しかし、「ド」の音を弾いてあげて「これがドの音です」とあらかじめ教えていれば440Hzの音は「ラ」だと分かる事になります。「相対音感」とはオクターブ間を12等分して相対的に認識する事で、歌を正しいキーで歌える人は「相対音感」があるという事になります。
これで良ければそれで終りです。しかし、いまここに時速100キロの車に乗り、窓から外へ向かって440Hzの「A」の高さを吹くトランペット奏者がいたとします。もうひとり、こちらは道端にたたずんでいる人がいて、両者とも(上記でいう)「絶対音感」の持ち主だったとします。どういう現象がおこるでしょう。もちろんかの有名なドップラー現象がおこり、道端の人にとっては当然「A」の音は目の前を過ぎるとグーっと下がって聞こえます。一方、車のトランペット奏者には音程の変化がおこるわけはありません。じゃあこの二人にとって「絶対」の「A」は何Hzだというのでしょう。
一定のピッチの音が固定の絶対音だとするような考え方ですと、屁理屈のように聞こえるかもしれませんが、こうした矛盾が起こるわけです。「A」の音を固定音だと捉えてしまうのは、いわば生活習慣のようなものであり、実は正確な「相対音感」こそがポイントだとする考え方の方が、妥当のように思います。昔の「A」の音は、例えばモーツァルトの時代には今よりピッチが低かった、半音くらい低かったとされています。こうした中で半ば「音当てテスト」のように取り上げられる「絶対音感神話」には疑問を感じずにはいられません。
ただ、正確な「相対音感」というのがまたやっかいです。つまり先の説明文で書いたような、オクターブ間を12等分、というのは「純正律」ではなく、ピアノの調律のために使われる「平均率」の世界だからです。一説によれば、オクターブ内のすべての和音を純正律でやるためには、最低53の鍵盤が必要と言われていますが、ピアノのようにオクターブを12にしか分割しないということは、一定ピッチで分割しただけになってしまい、それから生まれる三和音は近似値で、極論すればみな少しずつ狂っています。このピアノによる音感教育を「絶対」の基礎に置く限り、今の「絶対音感」はただの「音当てクイズ」でしかありません。
というような事も頭に入れていただけるといいのですが。
なんとなくわかりました。
「絶対音感」とは私たちのもちいるドレミ・・という概念に当てはめた事がわかるだけということですか?
そして「相対音感」といえども正確には、正確とはいえないということですか。
全然ちがかったらすんません。
No.5
- 回答日時:
benjaminさん,gonta-11さんの回答で出て来た、平均律と純正律について簡単に説明させていただきます。
どうして楽譜には♯と♭があるのか、と思った事はありませんか?ピアノのド♯とレ♭は同じ黒鍵じゃないか、同じ音なら同じ記号でいいんじゃないか、と。
しかし、本当はド♯とレ♭は違う音なんです。例えばヴァイオリンでは違う音で弾き分けられます。レ♭よりド♯の方が、8分の1音ぐらい高いです。(ピタゴラス音階でドを0として、音程をセントで表すと、レ♭は90、ド♯は114、レは204)
これが純正律。
それに対して、オクターブを強引に12等分してしまったのが平均律です。(ドは0、レ♭,ド♯共に100、レは200)
このため、世の中の全てのピアノは、純粋な和音は出ません。元々違う音だったのを、数字で割り切ったのですから当たり前です。
では、なぜ平均律にしてしまったか?これは鍵盤楽器の鍵盤の数が膨大になるため、というのもありますが、「転調の自由」のほうを、「純粋な音程」よりも優先したためです。
ここで、下の補足でおっしゃっている、
>「1台でさまざまな調の曲を演奏するために純正律で調律することができないため」なんでできないんですか?
という質問について、gonta-11さんの代わりに回答させてもらいますね。
それは「純正律だと音程の幅が一定ではない」ということが要因です。
例えばハ長調で「シ→ド」と移行するメロディーがあるとします。これを転調してみましょう。ニ長調にすると「ド♯→レ」(音程は114→204)、嬰ハ短調にすると「ド→ド♯」(音程は0→114)になってしまいます。
同じメロディーなのに、90セントの移動だったり、114セントの移動だったり、音程の幅が違うのは、聴いていて気持ちが悪い。この事を解決するため、先ほども書いた通り、正確な音程を犠牲にして、平均律をとったのです。
ド♯とレ♭は違う音なんですか。
実はこれずっときになっていたことなんです。
二重に納得しました。
これ、ほんと昔から気になってたんですよね・・・
No.4
- 回答日時:
以前、なんどか「絶対音感」に関しては回答していますので参考にしてください。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=25822
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=33567
ピアノで身につけた「絶対音感」は万能ではありません。それだけは言えます。
また「絶対音感」とはあるただ1つの能力を指す言葉ではないと思います。
基準音Aに関してはgonta-11さんがおっしゃるように現在では442~443が
多いですがバッハの時代は438くらいだったと言われています。
またよく誤解されることですがバッハの時代には「平均律」はなかったと
されています。
日本語で「平均律クラヴィア」という通称で呼ばれる楽曲はヴェルクマイスター
で演奏されていたという説が有力らしいです。
相対音感に関してはなにか音楽を聴いてそれを再現するときに基準となるキーが
正確に言い当てられなくても移調した形でそれを再現できる能力だと思いますが。
ありがとうございます。
バッハの時代には「平均律」はなかったんすか。っていうか 「平均律」すら、2.3日まえにしったんですけどね。
No.3
- 回答日時:
大変説明しにくいのですが、下の方々がうまく説明していらっしゃるようなので、少し補足します。
音にはそれぞれ周波数があります。その周波数(の数字)が高ければ高いほど高い音となります。例えばピアノのドの音から1オクターブ上のドの間は周波数で言うと2倍です。「周波数が2倍になると1オクターブ上の音になる」と考えてください。
この周波数の差を12等分してそれぞれの音を出すとそれぞれが一つ一つの鍵盤(ド、ド#、レ、レ#・・・)に対応するのです。このようにして作られた音階を平均律といいます。
ところが、本当に美しく、にごりなく響く和音というのは「周波数が整数倍の関係」でなければなりません。しかし平均律では整数倍になっておらず少しずれているため、微妙に和音がにごっているのです。一度オルガンのように持続音が出せる楽器でドミソを弾いてみると分かると思います。数秒に1回くらいの音のゆれ(うなり)が聞き取れるはずです。だから演奏者はにごらないような和音を作るために微妙に音程を上下にずらし、整数倍の和音を作ろうとします。そうすると一部の音はピアノの音程とずれた音になります。このような考え方で作られた音階を純正律といいます。
しかしピアノは1台でさまざまな調の曲を演奏するために純正律で調律することができないため、平均律であわせているのです。
このように純正律というのは和音を美しく響かせるためのものですから、ピアノの特定の鍵盤に対応する音がいつでも同じ周波数であるとは限りません。ということは、絶対音感などはそもそも存在することさえ不可能になってしまうのです。絶対音感というのはA(ラの音だと思ってください)440Hzを基準として平均律で合わせた音を「覚えている」というだけのことです。実際に音楽を演奏するときには「和音がきれいに響くように」音程を微妙に調節していますから、その調節ができる能力(広い意味ではこれも相対音感でしょう)がより必要とされるのです。また、現在Aを440Hzであわせることはあまりないようです。私は吹奏楽の経験者ですが、現在、響きを明るくするためもあって、442~443Hzであわせるのが普通です。オーケストラでもそうだということを聞いたことがあります。
相対音感とは、簡単に言ってしまえばjanbさんのおっしゃるとおりです。細かいことを言えばこのように複雑な要素が絡まっているのです。
もしわかりにくければまた質問してください。
この回答への補足
「1台でさまざまな調の曲を演奏するために純正律で調律することができないため」なんでできないんですか?
様々な調っていうのは、ハ長調とかそういうのですか?
そもそもハ長調とかどういう意味なんですか?
あと、純正律とかの話は、どの程度のレベルの話なんですか?音学家志してる人(尚美とか通ってるレベルの人)、の間では、あたりまえの話なのですか?(私は一般人です)
質問攻めですみません
説明しろって言われたら無理だけど、頭の中でわかりました。
ただ、ひとつわかると、また新たな疑問が生まれるんすけど・・・
兎に角色々ありがとうございます。
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