No.10ベストアンサー
- 回答日時:
tanceです。
どうも話がかみ合いませんね。まず、どのような差動アンプの話を
しているのかをはっきりさせましょう。私が想定していたのは、
信号源-~OP-入力・・・入力抵抗Rn
OP-入力~OP出力・・・帰還抵抗Rf
信号源+~OP+入力・・・入力抵抗Rp
OP+入力~GND・・・GND抵抗Rg
という回路です。
差動アンプの条件・・・Rn:Rf = Rp:Rg
ゲイン = Rf / Rn = Rg / Rp
CMRR = (Rg / Rp + 1) / (Rg Rn / Rf Rp - 1)
CMRRは差動ゲイン / 同相ゲイン と定義されます。ですから、差動
ゲインが大きいほどCMRRは大きくなります。同相ゲインの理想は0です。
また、この式はOP自体のCMRRは無限大だとした式です。いわゆる
理想OPアンプでのものです。実際はOP自体のCMRRを超えることができない
のは他の回答者の方がおっしゃるとおりです。
--------------------------------------------
これとは違う回路で、OPアンプ3個を使っていわゆるインストルメン
テーションアンプというものもありますが、これはゲインを1本の
抵抗で決められるといううたい文句で知られています。でも、この
回路の中には私が想定していた上記の回路がそっくり含まれています。
CMRRはその部分で主に決まります。例、AD8221
No.9
- 回答日時:
この本のp.138によると,
http://www.amazon.co.jp/dp/4789837483
抵抗誤差とCMRRの関係は,ここの
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/sboa092a/sboa09 …
p.26のFigure 28の差動増幅器で,差動ゲインをGD,抵抗誤差を±εとすると,
CMRR≒(1+GD)/(4ε)
だそうです.
つまり,抵抗誤差が同じなら,差動ゲインが大きいほどCMRRは大きくなります.
GDが100倍(40dB),抵抗誤差が1%(ε=0.01)なら,
CMRR≒2525倍≒68dB
GDが1倍(0dB),抵抗誤差が1%(ε=0.01)なら,
CMRR≒50倍≒34dB
です.
なお,オペアンプ自体のCMRRに無関係な回路が,上記TIの資料の
p.75 Common Mode Rejection
に載っています.
ただし,誤植があって,R1は1kΩではなく10kΩですね.
No.8
- 回答日時:
QVALUEさんがお使いのオペアンプのデータシート(
http://www.datasheetcatalog.org/datasheet/texasi …)のFigure39 に書かれているCMRRはオペアンプ自身のCMRRです。オペアンプを使って差動増幅器を作ったとき、抵抗比が理想からずれていると差動増幅器全体のCMRRが悪くなるのは当然ですが、たとえ理想的な値であっても、全体のCMRRはオペアンプ自身のCMRRで決まります(CMRRの悪いオペアンプを使ってもCMRRの良い差動増幅器はできない)。差動増幅器を構成する複数の抵抗の値によって、Gainや帯域、CMRRを設定することが出来るのは確かです。GainとCMRRは抵抗の比、帯域は抵抗値で決まるのですが、その中でもCMRRは抵抗比が少しでもずれると大きく変わる量です。したがって、CMRRを極限まで高くしたいときには、抵抗比を厳密に合わせる(0.001%未満の精度など)必要がありますが、Gainは抵抗比が多少ずれても大きく変わることはありません。差動増幅器はどのような構成でしょうか(抵抗3本 or 抵抗4本?)。QVALUEさんと回答者さんがかみあっていないように思えますが、QVALUEさんが知りたいのは差動増幅器のGain・帯域・CMRRと抵抗値との関係でしょうか?ありがとうございます。
私が知りたいのは何度も申し上げていますように、ゲインを上げるとCMRRは上がるのか下がるのかということです。
Tance様やinara1様の回答ですと、2つの抵抗値を全く同じにする、つまりゲインは1に近ければ近いほどCMRRは大きくなるという回答ですが、
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/ina111. …
の4ページを見てみると実際にはゲインは大きければ大きいほどCMRRも大きくなっており、
どちらが正しいのかということをお聞きしたいのですが。
No.7
- 回答日時:
> 増幅率が大きいほどCMRRも大きくなっていっている・・・
僕はシロートですから,専門家の見解について聞かれてもわかりません.
シロート考えでは,CMRRの悪化はアンプ初段素子帰還容量の電圧依存性によるから,ゲインが大きくなれば入力振幅が減ってCMRRが良くなると思います.
ここら辺のことは,この本に詳しいです.
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/32/32691.htm
> このオペアンプのCMRRや帯域を知りたい
仕上がりゲインを設定すれば,Figure 3から帯域は求まります.
CMRRに関してはFigure39から求めた値が,メーカー発表のTYP.値となります.
つまり,ゲインを変えても変わらないと.
実際のCMRRは,実測してみないとわかりません.
TIからはシミュレーション・ソフトが供給されているから,使ってみたらどうでしょうか?
http://focus.tij.co.jp/jp/docs/toolsw/folders/pr …
データシートは,変更されている場合も多いんでメーカーサイトがエエです.
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/ths4041 …
抵抗4本の基本差動増幅器は,信号源インピーダンスのマッチングが取れていないとCMRRがめちゃくちゃです.
計装アンプを勧めますが,それについてはここの
http://www.analog.com/library/analogDialogue/arc …
第2章に詳しいです.
http://www.analog.com/library/analogDialogue/arc …
翻訳も出ています.
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/36/36121.htm
No.6
- 回答日時:
再度 tance です。
細かいことを書きすぎたんでしょうか。ざっくりといきましょう。
1.差動アンプの4つの抵抗は、まずゲインで決めます。
入力抵抗と帰還抵抗を1組としてこの抵抗値の比がゲインです。
(他の1組は後述)
2.帯域は抵抗というより帰還抵抗と並列にするコンデンサで決めます。
帰還抵抗と並列にコンデンサを入れるとそのカットオフ周波数が
アンプのカットオフ周波数になります。
fc = 1/(2 π C R) fcはカットオフ周波数、Cは容量、Rは抵抗値
3.CMRRは残り2つの抵抗の比をいかに合わせるかで決まります。
上記1で決めた抵抗と同じ値をOPアンププラス側にも使います。
ここで、「2組の抵抗比」の比 -1 の逆数がCMRRです。
たとえば、OP帰還側の抵抗比と、他の組の抵抗比が1%違っていると
CMRRは100(=40dB)とれることになります。(簡単のために極性に関する
ことは省略しています)
おなじ理屈で、帯域を決めるコンデンサも +入力側の対GND抵抗にも
つける必要があります。
------------------------
以上がごく大雑把に言った抵抗と特性の関係です。
実際には、他の回答のようにOP自身のゲイン vs 周波数特性からくる
帯域限界や寄生容量による帯域制限などがあります。
ここまで理解した上で、いままでの細かい回答をご覧下さい。
注:上記の説明は回路を決めつけたうえでのものです。解りやすく
するために思い切り単純化しています。
No.5
- 回答日時:
なるほど.
オペアンプの使い方に関する論文ではなくて,測定系の構成を説明しているだけですね.
> アンプの差分ゲインは5.6 kΩの抵抗を使うことで20 dBにセットされた。
では,1本の抵抗でゲイン設定しているから,多分「計装アンプ」と呼ばれるICの仲間でしょう.
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/ina111. …
このICでは,20dBのとき50/9≒5.56kΩです.
> このゲインではアンプのバンド幅は1.6 MHzであり、・・・
これは設定した値とゆうよりも,ゲインを設定するとICの特性により決まる値ですね.
上記ICでは,p.4のグラフから2MHz(-3dB)ですね.
> 測定に使用される周波数である300kHzでのCMRRは凡そ45 dBである。
これも設定した値とゆうよりも,ゲインを設定するとICの特性により決まる値ですね.
上記ICでは,p.4のグラフから300kHzで45dBですね.
比較すると,元論文でもTIの「INA111」を使ってるのかしら?
ありがとうございます。
大体理解することが出来たのですが、まだいくつか分からない点がございます。
添付して下さったp.4の右上のグラフを見ると増幅率が大きいほどCMRRも大きくなっていっているようなのですが、これはTance様の
「「2組の抵抗比」の比 -1 の逆数がCMRRです。」ということと矛盾しているのではないのでしょうか?Tance様の説明だと増幅率は小さければ小さいほどCMRRは大きくなることになるはずなのですが。
それと実際には
http://www.datasheetcatalog.org/datasheet/texasi …
このオペアンプのCMRRや帯域を知りたいわけなのですが、anachrockt様のご説明をもとに調べてみたのですが、帯域の見方はどうやって見れば良いのでしょうか?CMRRに関してはFigure39に書かれているようなのですが、ある条件に対してのCMRRしか分かりませんよね?増幅率を変えたらどうなるかとか具体的な条件のもとでのCMRRを知るためにはどうしたら良いのでしょうか?
何卒よろしくお願い致します。
No.4
- 回答日時:
ずっと昔の経験なんで、用語とかはもう忘れています。
オペアンプに限らず、増幅器は増幅可能な周波数に限界があります。
限界付近では、ゲインは周波数に反比例します。
オペアンプの仕様書には、ゲインが1となる周波数が書かれています。(多分)
よって、ゲインは抵抗比によって決まる筈ですが、ある周波数以上になると、徐々にゲインが落ちてきます。(抵抗比で決まるゲインは、オペアンプの増幅率が無限大とした場合の計算値です)
ゲインが-3dB減少する周波数を帯域幅と言いますが、これは、設計するゲインを大きくするほど小さくなります。
増幅率を決定する抵抗は、2つありますが、1方を固定して考えれば、もう一方は、ゲインや帯域幅を考慮して決めることになります。
ANo.3のお礼に書かれている文章は、そこら辺のことを条件にあっているか確認しているように見えました。
CMRRはよく分かりませんが、これもオペアンプの説明書を見れば、関連する数値があるのかも知れませんよ。
No.3
- 回答日時:
何か議論が咬み合っていないようですが?
先ず「差分増幅器」って聞いたことがないんですが,どんな増幅器でしょうか?
下の回答は,「差動増幅器」ですが,抵抗2本でゲインは決まらないはずです.
抵抗値によって,Gainや帯域,CMRRを設定することが出来ると書いてある「ある論文」てどんな論文でしょうか?
オペアンプの使い方に関する論文て見たことがないんですが.
ご存じないと思いますが,昔のオペアンプはここの中段に写真(Model K2-W)があるような真空管で作られていました.
http://dcoward.best.vwh.net/analog/
使い方に関する論文は真空管オペアンプ時代には有ったかも知れませんが,半導体になってからは回路構成に関する論文以外見たことがありません.
幸いにして,真空管オペアンプの専門書を持っていますから,「ある論文」の詳細がわかれば,回答できると思います.
差動増幅器の間違いです。失礼致しました。
あまり書くと私の身元がばれてしまうので、あれなのですが、大体下記のような感じです。
○○からのボルテージシグナルは差動増幅器に入れられる。この増幅器は単に信号を増幅するだけでなく、コモンモードノイズを消すためにも使われた。従って、差動増幅器は高いゲイン差分ゲインだけでなく高いCMRRも必要とする。更に、差動増幅器のバンド幅はシグナル減衰を防ぐために○○のバンド幅よりも広い必要がある。アンプの差分ゲインは5.6 kΩの抵抗を使うことで20 dBにセットされた。このゲインではアンプのバンド幅は1.6 MHzであり、○○のバンド幅よりも大きい。測定に使用される周波数である300kHzでのCMRRは凡そ45 dBである。
こんな感じなんですけど、この20 dBとか1.6 MHzとか45 dBはどうやって計算しているのでしょうか?
オペアンプの参考書はいくつか見てみたのですが、こういった内容に関して書かれているものが見あたりませんでした。他にトランジスターをつけて云々はいろいろと書かれているものはあったのですが・・・
詳細な回答をお待ちしております。
No.2
- 回答日時:
tanceです。
>私がほしかったのはGain、帯域、CMRRを2つの抵抗値でどうやって設定するか
あぁ、そうだったのですか、失礼しました。
ゲインは解りますね。
帯域は#1にも書きましたが、抵抗値を決めると帯域が決まる、という
ものではなく、寄生容量に影響されないように気をつけるという程度
のことです。
例外として、電流帰還型のOPアンプでは帰還抵抗の値が自由になり
ません。周波数特性にピークを持たないで、所定の帯域がとれるための
値の範囲は比較的狭く、データシートに載っている値の範囲で設計
しなくてはなりません。
CMRRが一番やっかいです。これはOPの+入力側とー入力側の抵抗比の
違いが効いてきます。CMRRを大きくとろうとすると抵抗比の誤差は
非常に小さな値にしなくてはなりません。
詳細はたいていのOPアンプの本に載っているはずですので省略しますが、
OPアンプ単体のCMRRと同じくらいのCMRRを得ようとすると、大変な
高精度抵抗が必要となります。
たとえば、CMRR = 80dB というと、そんなに優秀な部類ではありま
せんが、プラス入力側の抵抗比とマイナス側の比は0.01%まで合わせる
必要があります。こんな高精度な抵抗は、あるにはありますがOPアンプ
の何100倍も高価だし、大きいし、実用的ではありません。
抵抗にはせいぜい頑張って0.1%クラスのものを使い、わずかな部分は
半固定抵抗で合わせ込むのが実用的です。それでも、抵抗値の温度に
よる変化や経年変化に気をつける必要があります。
特に電流検出などでは、コモンモード電圧が大きいところの、小さな
電圧差をアンプする必要があることが多いので、精度を出すのが大変
です。このような用途には単なる差動ではなく、もっと適したICも
出ています。
一例としてLTC6102のデータシートを見てください。
No.1
- 回答日時:
数式だけからすると、例えば、100倍のアンプを作るとき、
1Ω と 100Ω でも
1MΩ と 100MΩ でも
同じ増幅率が得られることになりますが、実際は増幅率以外のいろいろな
要求により定数を決めることになります。
以下に、定数を決めるときに考慮するべき項目を挙げます。
1.信号源の強さ
信号源にとってみると、差動アンプの入力抵抗は負荷に見えます。
なので、あまり重い負荷はマズイので、ある抵抗値以上であることが
要求されます。
2.OPアンプの入力バイアス電流(オフセット電流も)
OPアンプには入力にわずかながら電流が流れます。これが入力抵抗に
流れてオフセット誤差になるので、オフセットがどこまで許されるか
により、ある抵抗値以下であることが要求されます。
3.OPアンプの出力駆動能力
帰還抵抗はOPアンプにとっては負荷の一部です。もし帰還抵抗を低い
値にすると、OPアンプ出力はこの抵抗に大きな電流を流さなくては
ならないことになります。これがOPの能力を超えるとアンプとして
機能しなくなります。
4.要求精度
一般に、低い抵抗値や高い抵抗値は抵抗値のばらつきや誤差が大きい
傾向にあります。また、配線(基板のパターンなど)の抵抗が誤差の
原因になったり、パターンの絶縁抵抗が誤差の原因になったりする
ので、許容誤差を考慮する必要があります。
5.必要増幅率の値と調整の有無
もし増幅率を42倍±0.5%にしたいとします。1kΩと43kΩでは2.4%の
誤差になり使えません。世の中で売られている抵抗値はE12とかE24
と言った数値のシリーズが一般的なので、できればその数値の抵抗
で構成したいものです。E96とかE192などもっと細かいモノもあり
ますが、上記の例では、E24シリーズでも実現でき、4.3kΩと180kΩ
で誤差が-0.33%くらいになります。
具体的抵抗値はここで決まることが多いです。
前記のいろいろな要求を考えても、許される範囲が広いことがあり
ます。この例では430Ωと18kΩでも良いこともあるでしょう。
もしかすると、43kΩと1.8MΩでも良いかもしれません。でも1.8MΩ
にもなると±0.5%より高精度の抵抗は入手しにくくなります。
もしかして半固定抵抗などを使って増幅率を調整することを考えている
かもしれませんが、差動アンプではCMRRを落とさないためには両方の
抵抗比を良く合わせる必要があるので、半固定抵抗を使うのは良い
選択肢ではありません。(半固定抵抗を使い易い回路方式もある)
6.ノイズ
ローノイズを要求されたときにも抵抗値に制約が出てきます。これは
ここでは省略します。
7.周波数特性
高い周波数で使う回路にはできるだけ高い抵抗値は使わないことです。
ちょっとした寄生容量によって必要な周波数特性が得られなくなる
ことがあります。
8.経済的視点
本当にどうでも良いケースもあるかもしれません。その場合は、他の
回路で使っている値をできるだけ使う方が、部品の品種が減って好都合
です。
一般に、回路に使われている部品の値は、それなりに理由があってその
値になっています。絶対譲れない重要な理由もあるし、どうでも良いが
キリがよいから・・・なんていうユルイ理由もあります。
長くなったのでこのへんで。
非常に詳細な回答ありがとうございます。
しかし、私がほしかったのはGain、帯域、CMRRを2つの抵抗値でどうやって設定するかということだったのですが。
もしよければこれらのパラメータとの関連にもついても教えて頂けないでしょうか?
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