No.1ベストアンサー
- 回答日時:
はじめまして
>プルトニウムには燃料になるものとならない物があると聞きました
プルトニウムには多くの同位体があり、中には燃料にならないものがあるかもしれませんが、プルサーマルにおいては「ウラン」に燃料になる/ならないがあることの方が大きいと思います。
ウランには燃料となるウラン235と燃料にならないウラン238があります。
天然のウランは、燃料となるウラン235が0.7%、燃料にならないウラン238が99.3%と、燃料にならないウランの方が圧倒的に多くなっています。
原子力発電所ではウラン235の割合をを3~5%高めた「低濃縮ウラン」を燃料として用いています。
燃料にならないウラン238ですが、原子炉を運転していると、プルトニウム239になります(詳細の課程は省略します)。プルトニウム239は燃料となります。
このプルトニウム239を使用済み燃料から取り出し、ウラン燃料に混ぜて使おうというのが「プルサーマル」です。
>この計画を実行するには新しい施設はいるのでしょうか?
1.使用済み燃料からプルトニウムを取り出す施設
2.取り出されたプルトニウムをウラン燃料に混ぜ、MOX燃料にする施設
が必要となります。
>この計画の危険性なんかも教えてくれたら嬉しいです!
安全性・危険性については議論が分かれるので、一概に回答できません。
推進派、反対派の両方の意見をみて、ご自身で判断してください。
以下は、参考になると思うサイトです。
◇プルサーマル:Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB% …
◇プルサーマルとは:日本原燃
http://www.jnfl.co.jp/business-cycle/5_kongou/ko …
◇プルトニウムとは:原子力安全白書
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo13/111.htm
◇MOX燃料の安全性:資源エネルギー庁 原子力発電立地対策・広報室
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/cycle/plu …
◇核燃料は「リサイクル」できる?:原子力教育を考える会
http://www.nuketext.org/recycle.html
◇プルサーマルの安全性とプルトニウム技術の今後の課題:原子力安全白書
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo13/15.htm
No.2
- 回答日時:
Q/このプルサーマル計画では燃えないプルトニウムにMOX燃料(燃えるプルトニウム&ウラン)を足して後は普通の原発と同じ発電するやり方であってますか?
A/本来を言えば逆ですね。プルトニウムが燃料でウランが緩衝材です。
プルトニウムは核分裂の速度(質問でいう燃える速度)が速いという特性があります。具体的には、原子炉で普通に使われるウラン235(235U)に比べてプルトニウム239(239Pu)はさらに一段上の分裂速度があります。
加速度的に核分裂が起きれば・・・そこで制御棒での制御が効かなくなりますから、核反応の発生するものを大半として僅かに反応の異なるものが入っていると思われます。主に、(238Pu、239Pu、241Pu、242Puなど)が含まれています。
尚、238U(ウラン238)は反応を落とすための緩衝材でそれ単体は常環境では核分裂を起こさないという特性があるものです。役割は余った中性子(U235や239Pu原子にぶつかると核分裂が起きる)を吸収する物質となります。(吸収すると239Uになり、その後239Npになる、それがさらに239Puになるという特性がある)
もっと分かりやすく言えば、反応するプロトニウムがまず燃料として作られ(その中に反応の弱い物が含まれる)、それに核分裂を抑えるためのウラン238が混ぜられるのです。
Q/又、この計画を実行するには新しい施設はいるのでしょうか?
A/まず、MOX燃料を加工する再処理設備が必要です。
発電設備自体は基本的には今使っている軽水炉を利用できますが、制御をより細かくするため燃料棒に配置する制御棒をうまく設置する必要があります。ただ、設備は基本流用できます。
Q/後、この計画の危険性なんかも教えてくれたら嬉しいです!
A/プルトニウムの特性が先に述べたように、反応速度が速い(具体的には中性子を強く吸収する)ため、制御棒での制御の効きが低下する傾向にあります。それ故に、何らかの問題が発生した場合には事故に繋がりやすくなるかもしれません。
要は、扱いが難しいのがMOX燃料でありプルトニウムで、普通のウラニウム燃料棒と同じように使い制御すると、出力が大きくなりすぎ、最悪の場合はメルトダウン(炉心崩壊)を起こすことになります。
他にも、強い放射線を放つという特性もあります。これは、高出力であるプルトニウムの特徴でそれ単体での危険性の高さはウラン以上と言えます。
良い面が悪い面の裏返しにもなります。プルトニウムはウランを越える元子(番号)で、半減期が圧倒的に短いためウランなどに比べて短時間で特性(原子の形)を失う傾向にあります。それが、ウランより高い出力のエネルギーを短時間で放出する要因とも言えるのかも知れませんが、それが即ち懸念される要因でもあります。
まあ、危険性のあるものなのは、ウランもプルトニウムも変わりませんから、絶対的な安全運転をしなければどちらを選んでも不幸な結末になります。
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