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特性インピーダンスとインピーダンスの違いについて教えてください。高周波の伝送線路のところに出てくる特性インピーダンスと素子のインピーダンスの違いが詳しくわからないのです。おわかりの方どうかお願いします。

A 回答 (6件)

地球から太陽まで距離のある長い電線の先に電球がつながれていて、地球側から電線に電池を接続したら、いつ電流が流れるかということ考えたことがありますか?


この問題を解くことで、特性インピーダンスが理解できるようになります。

素子のインピーダンスについては、おわかりだと思いますので、以下、特性インピーダンスの理解のしかたについて説明いたします。

長い伝送線路(同軸ケーブルとか平行フィーダなど)を想定してください。

線路の片端に1.5Vの乾電池をつなぐと、1.5Vの電圧が線路を光速に近い速度で満たされていきます。
短い線路ですと、電圧は終端にすぐに届いてしまい、反射して返ってくるので、そういうややこしいことは考えなくてもよいよう、線路の長さは、とりあえず、無限とします。

このとき、乾電池から、線路へ「一定の電流」が流れます。
線路には長さに比例したインダクタンスと静電容量があるので、電圧が伝わっていく過程で、線路は磁化・チャージされ、電磁エネルギーが満たされていきますので、線路には電流が流れます。電圧が満たされているポイントはどこでも一定の電流です。
長いホースに水を流し始め、ホースの中を水が満たされていく過程に似ています。

線路は、乾電池がつながれた瞬間からエネルギーを吸い取っていくので、
乾電池から見れば、線路は「抵抗」のように見えます。
乾電池の電圧を電流で割った値が、「特性インピーダンス」です。

「50オームの抵抗素子」と「特性インピーダンス50オームの無限長伝送線路」は、いずれを乾電池につないでも、乾電池からみると同じ50オームの純抵抗に見えます。

以上、直流電圧を印加した場合で説明しましたが、特性インピーダンスは、「周波数に無関係」なので、高周波においても同じ事がいえます。

インピーダンス整合についてちょとだけ触れておきます。
特性インピーダンス50オームの同軸ケーブルの先に、75オームのケーブルを接続した場合、毎秒あたりにエネルギーを運ぶ能力が異なるケーブルが接続されていることを意味します。これにより、接続点で、エネルギーが余ったり、不足するという事態が起こり、波を伝送する場合、正の反射、負の反射が発生してしまい、効率良くエネルギーを伝送できなくなります。
この場合、50オームを75オームに変換するインピーダンス整合器をつけることで反射を無くすことができます。
インピーダンス整合には変圧器を使います。巻数比の2乗がインピーダンスの比率なので、50オームを75オームに変換するには、ルート(75/50)=1.22の巻数比の変圧器で整合がとれます。
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簡単に言うためにLとCだけで説明しますと、



普通のインピーダンスはLとCが同じ回路上にあります。
例えば、インピーダンス
Z = jωL + 1/jωC
などです。

一方特性インピーダンスは、行きと帰り2本の線路においての話です。この線路においてLは上の話と似たようなものですが、Cは2本の線路の間にどうやっても発生してしまうコンデンサーとしての働きの大きさです。このLとCの比を取って√つけたものが特性インピーダンスです。
特性インピーダンス
Z0 = √(jωL/jωC) = √(L/C)
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50オームの特性インピーダンスの伝送線路は、伝送線路上の何処から測定しても50オームです。

特性インピーダンスは、伝送線路が持っているインピーダンスです。
50オームの特性インピーダンスの伝送線路を作るには、50オームの抵抗を端点に付けて反対側に反射係数の測定できる50オームの測定器をつけて反射係数を0になるように伝送線路を作ればよいのです。よって200オームでも500オームでも同じように伝送線路を作ることは可能です。インピーダンスの実数部と虚数部を特性インピーダンスで割ることを規各化するといいます。
スミスチャートは規各化した座標をグにゅっと曲げて円にしたものです。
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伝送路の特性インピーダンスに対して私の持っているイメージは、


 波を伝えるときに、媒体の特性が異なるものの界面では
 周波数が同じでも波長が違ってくるため接合面で反射が発生します。
 伝送路においては、(分布した)LCRの組み合わせでできるインピーダンスが
 ちょうど媒質の特性にあたり、これを特性インピーダンスといいます
 (LCR回路をはしご状に組んだものをどんどん細かくしていって
  そのときに回路端から見込んだインピーダンスを想像していただければいいかと思います。
  どこを切っても(無限の長さがあれば)同じなので特性インピーダンスというのではないでしょうか?)。
というものです。
 これらを整合させることにより、伝送路中の反射を抑制できるため、高周波回路では、コプレーナ線路やマイクロストリップ線路で一定のインピーダンスを持たせ、素子の部分でも同じインピーダンスにするようにします。(たとえば、インピーダンスが低い素子で終端する場合は、マッチング抵抗や、インダクタンスを組み込んで、インピーダンス整合をとります。)
そういえば、一昔前は、パソコンの外部機器との接続で終端していないためトラブッたということが良くあったのに、最近は聞かなくなりましたね。技術の進歩なのでしょうか?
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単なるインピーダンスにもいろいろあるのですが、


とりあえず、
「特定の条件(周波数など)に於ける、その素子(または回路)の
 固有のインピーダンス」ということにしておきます。

さて、次の伝送線路の特性インピーダンスですが、
伝送線路がどういうものかがわかれば、疑問は氷解するはずです。
伝送線路というのは、
特定の条件下で、線路(伝送路)が無損失になることを利用したもの
です。
で、その特定の条件の中に、特性インピーダンス(LとCの比率)も
含まれます。というよりも、非常に大切なファクターです。
ですから、条件から外れたインピーダンスで終端すると、
無損失になる条件が崩れるので損失が発生するわけです。

なお、反射による損失と、特性インピーダンスから
外れた信号の伝送による損失は、分けて考えて下さい。

反射そのものは伝送路に対してエネルギーを消費させません。
伝送路に入らず戻るだけです。
(行き場が無いと熱になりますが)
特性インピーダンスから外れた特性の信号を伝送することによる
損失は、伝送路全体に生じます。

たとえば、50Ωの1/2波長同軸線路に100Ωの終端がついていると
ドライブ端は25Ωです。ここに25Ωの無限長の線路を接続した場合
反射は生じませんが、線路は無損失とはならないため、
線路上に損失を生じます。
終端が50Ωなら、ドライブ端も50Ωです。
ここに25Ωの無限長線路を接続すると、ドライブの半分は損失と
なりますが、これは反射ですから、この損失は25Ω線路側に生じます
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回路または装置としてのインピーダンスと素子の固有のインピーダンスと言うことではありませんか?回路または装置としてのインピーダンスはPCBや配線材、シールドやケースなどの要因が加わったインピーダンスになるので素子単体で計算したインピーダンスとは必ずしも一致しないので(特に高周波でPCBはストレ容量の計算を誤ると動作しない場合も珍しくない)このような表現になったのでは。

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