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中学二年の女子です。
二酸化炭素って、「炭素」と言う言葉が入っているのに、なんで有機化合物でなく、無機化合物なのでしょうか。疑問に思っているのですが、冬休みになってしまい、先生に聞くことも出来なくて・・・知っている方、教えて下さい。

A 回答 (5件)

これは実は、とても難しい問題なのです。


化学系の専門家でも十分な説明のできる人はあまりいないかもしれません。

大体のところは、他の回答者の皆さんがおっしゃっている通りだと思います。
そこで私はちょっと視点を変えて説明してみます。

難しいことを抜きにして、「有機物」っていうと、どんなものを思い浮かべますか?

でんぷん、たんぱく質、脂肪、DNA、・・・

これらはみんな、炭素原子(C)が骨格になって、鎖のように長くつながってできています。
この「鎖のように長くつながる」ことができるということが、とても重要な性質なのです。
これが可能になるのは、炭素原子のまわりを回っている電子が、鎖のように長くつながるのに適した配置をとるからです。(軌道混成という理論なのですが、中学生だったら知る必要もないでしょう。)
二酸化炭素の炭素原子は、(同じ炭素ですが)有機物の炭素と電子配置が違うので、鎖状につながることができません。

以上、教科書的説明とはちょっと違いますが、私は炭素原子の電子配置の違いが有機物・無機物の一番はっきりした違いだと思っています。

本当のところ、化学の言葉の使い方というのは、数学とか物理とかのように厳密でなくて、理屈よりも歴史的な事情で使われているものが多いのです。
たとえば、「酸化・還元」、「酸・塩基」なども、いくつかの違った意味があって、その時その時の都合で、適当に使い分けています。有機物・無機物の区別も、厳密に理論的な定義があるというよりは、歴史的な事情で区別されていると言えるでしょう。
今の時点では、教科書通り、「炭素を含む多くの化合物は有機物、ただし二酸化炭素、一酸化炭素などは例外的に無機物」と覚えればよいと思います。納得はできないでしょうけど。。。

これと似た問題で、「独立栄養生物・従属栄養生物」というのがあります。
独立栄養というのは、植物や一部の細菌、藻類のように、二酸化炭素を唯一の炭素源として、糖とかたんぱく質とか、生きていくのに必要な化合物をつくってしまうことです。従属栄養というのは、動物などのように「有機物」(たんぱく質とか糖類)がないと生きていけないことを意味します。ここでも、「なぜ二酸化炭素だけ特別扱いなの?」と思いませんか?
たしかに、「水と空気」だけで生きていける植物と、「栄養のある有機物」を与えられないと生きていけない動物では、根本的に大きな違いがあるように感じますよね。独立栄養生物が吸っている「空気」にも二酸化炭素(れっきとした炭素化合物)が含まれていますが、何となく、動物が食べているえさ(糖、たんぱく質、 ・・・)とは違う、と昔の人は思ったのではないでしょうか。
有機物・無機物の区別というのは、その程度の、かなり感覚的なものだったのではないかと思います。
わかりにくい説明で、かえって混乱しちゃったでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
大分あやふやなんですね。わかりにくいなんて事は無いです。
でも、確かに難しいです・・。

お礼日時:2003/01/04 01:18

 既にある回答の繰り返しになりそうですが・・・。



 まず,「化学辞典」の記載では次の様になっています。

【有機化合物】
 一酸化炭素,二酸化炭素,炭酸塩,シアン化アルカリなど少数の簡単な化合物を除いた炭素化合物の総称。

【無機化合物】
 炭素以外の元素から成る化合物と,炭素の酸化物,金属の炭酸塩など簡単な炭素化合物との総称。

 この様に,簡単な炭素化合物の場合,有機化合物との境はあまりハッキリしませんが,C-H結合があれば有機化合物,無ければ無機化合物と一応考える事ができます。


 ここまでは「自信あり」です。以降は半分ぐらい私の推測が入りますので「自信なし」です。

 ところで,「有機」や「無機」の「機」って何か聞いた事はありますか。これは本来は「気力」とか「気配」,「気功」などの「気」で,「生命の力,エネルギー」といったものを意味します。

 昔(1828 年以前)は,「有機化合物」とは生命力を持ったものだけが作れる化合物(気が有る化合物)の事で,「機(気)が有(る)化合物」から「有機化合物」と名付けられていました。一方,それ以外の化合物は「機(気)が無(い)化合物」で「無機化合物」と呼ばれていました。

 上記の無機化合物に入れられた簡単な炭素化合物は,この当時から鉱物中などに存在する事が知られており,生命力無しで作られる事が分かっていたため「無機化合物」に分類されていました。

 ところが,1828 年にウェーラーが無機化合物のシアン酸アンモニウム(NH4CNO)から有機化合物の尿素((NH2)2CO)を合成した事から,生命力無しでも従来の「有機化合物」が合成できることが明らかになり,その定義の再検討が行われました。

 その結果,「有機化合物=炭素化合物」,「無機化合物=有機化合物以外の化合物」といった意味に成りました。しかし,一部の簡単な炭素化合物は他の有機化合物とまとめるよりも無機化合物と一緒にした方が性質や反応性の理解がしやすいために,現在でも無機化合物に含められています。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2003/01/04 01:08

昔は今でいう有機化合物を人工的に生成することが出来なかったため、


「生命の力」により生成されるものと、そうでないものとを分けて
有機、無機と言っていたのです。しかし、ウェーラーだか誰だかが
尿素(だったと思う)を人工的に生成したため、「生命の力」説は
否定されましたが、両者の性質上、分けて考えたほうが
整理がついて楽なので、現在でも分けています。

まぁ、二酸化炭素などは昔から精製できたでしょうし、
かなりポピュラー(よくありすぎる)なので、無機となっているようです。
また、#2の方もおっしゃってますが、今では厳密な区別はないはずです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
けっこう複雑なんですね・・・

お礼日時:2003/01/04 01:07

下記のURLを参考にしてください。


ただ、はっきりと無機と有機の境はないようです。
簡単な炭素化合物は無機といっています。

参考URL:http://www.prtr.nite.go.jp/prtr/class.htm
    pdfファイル「対応化学物質分類名の説明資料」参照

参考URL:http://www.prtr.nite.go.jp/prtr/class.htm
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/04 01:06

炭素原子があるから、有機化合物ではありません。


もしそうだとしたら、炭酸H2CO3も有機化合物になってしまいます。
詳しい事は他の方が説明してくれるでしょうが
最低限、CH3-などの官能基になるものがないと有機物になりません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
炭素原子がある=有機物 ではなかったのですね。

お礼日時:2003/01/04 01:05

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