プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

カテ違いでしたら、お許しください。

ノロウィルスですが、一昨年か去年位までは加熱消毒の際の目安として、1分間75℃と言われてきました。
ただ、今年の社内の規定で、85℃に上がっていました。
調べてみますと、ネットでも今では85℃となっています。
今年の春か夏の規定で上がりましたので、いつ頃から変わったのでしょうか?

もちろん1分間75℃、あるいは85℃は最低の目安で、長い時間、高温での加熱に越したことはありませんが、
指導していかなくてはいけない立場にあり、出来れば、いつ頃にどういう経緯で変更になったか
知っておきたいと思います。

ご存じの方、よろしくお願いいたします。
また、明らかにカテ違いでしたら、ご指摘くださいませ。

A 回答 (2件)

 ノロウイルスはまだ培養系が確立していません。


 ウイルスというのは単独では増殖することができない微生物です。増殖どころか生物としての現象を何一つ起こすことができないので、環境中のウイルスは無生物と同じです。細胞の中でしか「生物」としてのふるまいをすることができない微生物がウイルスです。

 なのでウイルスを培養するときは基本的に細胞に感染させて細胞ごと培養します。
 で、どの消毒薬が効くとかこのくらいの温度をかけると死ぬとかいう、いわゆる不活化条件を調べるときは、ウイルスに様々な処理をした後で細胞に感染させて増えるかどうか調べる、といった実験を行います。
 なので細胞培養系が確立していないノロウイルスについては、不活化条件を調べることができないのですよ。

 で、どうやってノロウイルスの不活化条件を決めているのかというと、ノロウイルスに最も近縁なネコカリシウイルスというウイルスで実験したデータをそのままノロウイルスの不活化条件としているわけです(ネコカリシウイルスは容易に培養できるウイルスです)。
 なので、今信じられているノロウイルスの不活化条件が、本当に正しいのかどうかはまだ確定はしていないのです。

 それで75℃とか72℃などという温度条件は、以前からよく出ています。
 この手の試験は都道府県の衛生研究所でよく行われています。
 参考URLに東京都衛研の報告書をリンクしておきますが、ここではちょっと凝ったことをしていて詳細は難しくなるので省きますが、要するにノロウイルスの抗原タンパクを精製して、それに温度処理をかけてタンパクが変性するかどうかを調べています。またカリシウイルスを用いたスタンダードな試験も並行し、その成績を比較しています。
 この実験によると、70℃近辺では確実にウイルスの不活化ができそうだ、という結果になっています。

 他の都道府県衛研の成績(いくつかはgoogleで検索すればヒットします)を見比べると、全て同じ成績というわけではなく微妙に違うのですが、まず72℃1分の条件では間違いなく不活化できるだろう、と思われますね。

 それがマニュアルでは85℃、となっているのは、前述したようにノロウイルスの不活化条件として確定しているわけではないのでマージンをとっているのと、食品の調理などの際に内部まで確実に不活化温度まで上げるためのマージンをみているのではないでしょうかね。

 なお、この東京都衛研の報告書を読むと判りますが、ウイルスの不活化温度というのは「72℃以下だと不活化できない」ということではありません。
 どんなウイルスでもそうですが、低い温度を長時間かけるのと、高い温度を短時間かけた効果は同じです。
 まあ温度と処理時間の関係がリニアに変動するわけではないので、単純に「72℃1分と36℃2分が同じ」ということには決してならないのですが、温度そのものの数字が絶対的なものだとは思わなくて良い、ということです。

参考URL:http://www.tokyo-eiken.go.jp/news/paper3.pdf

この回答への補足

ありがとうございます。
O-157との勘違いではないかとも思ったのですが、確かに去年くらいは私の仕事仲間の間では、75℃というので知られていました。
単なる勘違いか、以前(去年とは言わず、もっと前でも良いのですが)は75℃と言われていたりしたのか、
どうしても知りたくて質問させていただきました。

補足日時:2008/12/12 06:34
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この回答へのお礼

大変分かりやすく詳しいアドバイスをありがとうございました!
とても参考になりました!

お礼日時:2008/12/12 06:28

昨年度(平成19年度10月) 厚生労働省医薬食品局 食品安全部監視安全課より 各都道府県に下記のような通達がありました。

各都道府県知事は関係機関に同様な通知をしまして、各種食品関連のマニュアルが改訂されました。
○ノロウイルス食中毒対策について(提言)
平成1 9 年1 0 月1 2 日
薬 事 ・ 食 品 衛 生 審 議 会
食品衛生分科会食中毒部会
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1012-5a …

当方全くの素人ですので、変更の経緯については詳しいわけではありません。聞きかじり程度ですが、参考になりましたらとお話しします。詳しくは厚生労働省のホームページに乗っているはずですのでご自分でお調べ下さい。
以前の1分間75℃は
(1)O157対策であってノロウィルス対策ではない。ノロウィルスがその温度で死滅するデーターはない。
(2)ノロウィルスは貝などでは内臓に蓄積されるため内部温度を上げる必要がある。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
O-157との勘違いではないかとも思ったのですが、確かに去年くらいは私の仕事仲間の間では、75℃というので知られていました。
単なる勘違いか、以前(去年とは言わず、もっと前でも良いのですが)は75℃と言われていたりしたのか、
どうしても知りたくて質問させていただきました。
リンクもありがとうございました!

お礼日時:2008/12/12 06:34

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