プロが教えるわが家の防犯対策術!

以前、文学のほうに、投稿させていただいたのですが、多分文学通の人にではなく、ゲイの方に聞いたほうがいいと思いました。

 三島由紀夫の『殉教』のなかで、ガキ大将的少年がひ弱な少年を、こてんぱんに打ちのめしてから、欲情する場面がでてくるのですが、その理由も描写も理解不能なのです。

 寄宿舎で魔王と呼ばれる畠山少年(中学生)が、男子学生皆が夢中になる本を所有していた。この日も上級生から見せてと懇願され、それを焦らし相手の反応を見て楽しんでいた。しかし本棚に「その本」は見当たらなかった。
 亘理という自分の勢力下に入らない孤独で華奢な少年が盗んだのだと誰かが言った。亘理は遠くから見ると平凡だが近くで見ると恐ろしく整った綺麗な顔立ちをしている。いつも真っ白なシャツをお洒落に着ているが、ただ、爪の中は異様なほど黒く汚れていた。

 夕暮れの誰もいない寄宿舎で亘理は本を読んでいた。畠山はそれを見つけたとたん、殴打を繰り返して本を取上げ自分の部屋にもどり、眠りについた。ふと気がつくと亘理が自分のベットの上で寝巻きの帯を首筋に絡みつけ、首を締め上げていた。
 畠山は、すぐさま反撃に転じ、亘理に暴力を加え続けた。そのうち2人とも疲れ、床に倒れたまま眠りに落ちたが、畠山が先に目を覚ました。
 突然、畠山に奇妙な欲情が目覚めた。こういう沈黙な気持ちからの飛躍というより当然の移行であった。その欲情は先刻自分の首のまわりに感じられた怖ろしい紐の感触と奇体にからみ合った欲情だった。僕を殺そうとしたのはこいつだ、とこの果敢な中学生は考えた。すると異様な優越感と異様な負目とが同時に感じられて、じっとしていられなかった。今自分が現に殺されていないという屈辱に責め立てられるのだった。
 「ここが痛い」
 「ほんとうかい、本当に痛いの?」
畠山は体を二回ころがした。するとすこし行きすぎて亘理の上へ半分のしかかる形になった。すると亘理が今まできいたこともない、貝の鳴くような可愛らしい小さなククという笑い声を立てた。魔王はその笑いをさぐりあてると生毛がそのまわりにいっぱい生えた亘理の唇に彼の顔ぜんたいを押しつけるような動作をした。

こんな内容です。理解不能なのは、
1.「当然の移行であった」。
2.自分が殺されかけたことが、なぜ「異様な優越感と異様な負目とが同時に感じられ」ることに繋がるのか
3。「今、自分が殺されていないという屈辱」をどうして感じられるのか
4。あるサイトでは「いつも真っ白なシャツをお洒落に着ているが、ただ、爪の中は異様なほど黒く汚れていた」ところにエロを感じるという方がいたのですが、まったく私には理解不能なのです。

なにか思うところがある方、教えて頂けると幸いです。

A 回答 (1件)

文学を語る程の頭はありませんし、この本を読んだことがないので


ここの文面からだけ、素直に感じたことを書きます。

畠山の内面はサドマゾヒストであった故に「当然の移行」となるのでは?
静と怒、サディズムとマゾヒズム、死と快楽、または愛と死は表裏一体だということ。

清潔感のある白いシャツと汚れた爪の対比や
華奢で平凡な亘理が、首を締めあげるなどの荒々しい行動をとる様は
そのように真逆にあるものも、実は近しいものであるという表現で
そこに感じる性欲、欲情は、人間の究極の部分なのではないかと思います。

これはゲイの趣味ではないんだと思いますね。
阿部定事件などもその類なのかな、と。
フィーリングです。文章にすると難しいですね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

あ、なるほど愛と死が表裏一体かぁ。そういうことはよく言われるけど、理解しようと考えれば考えるほど、自分を中心になって考えてしまい、自分が殺されそうになったのに優越感を感じるとかあり得ないと思ってしまいました。いや、アブノーマルは理解しがたいですね。

お礼日時:2008/12/05 15:39

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!