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なぜ作品賞にノミネートしたのかが不明です。
レイプシーンが多い上に女性の裸体率が異常に多い。
なぜ審査員はこれに投票したのでしょうか?
誰か僕に分かりやすく解説してください。

A 回答 (2件)

1971年のキューブリックの作品です。


時代背景を知ると理解できるかも知れません。
当時はベトナム戦争、冷戦、国家権力、共産主義(全体主義)、赤狩り、帝国主義、デモ、学生運動、反戦、反対体制、フリーセックス、ヒッピーなどはある意味日常的な言葉でした。ラブ&ピースなどの言葉も流行っていました。
政府、因習の抑圧からの開放運動が盛んだった時代です。

反ベトナム戦争から起こった「自然・愛・平和・芸術・自由」を掲げるピッピーやウーマンリブの影響も有り女性の開放が女性の裸体が多く映画などで露出されることが許された時代です。
(現在のDVD、インターネットは異常ですね。)

他の多くの作品では女性の露出が少ないキューブリックの作品の中ではでは
確かに「レイプシーンが多い上に女性の裸体率が異常に多い。」作品です。それだけにキューブリックの意図するところを審査員は考えたのかも知れません。

この作品は暴力で暴力を風刺しているそうです。多くの人が見て不快感を持つことはある意味作者の意図したとうりの反応なのでしょう。

そう言えば、「シンドラーのリスト」もゲットーにおける女性の裸体や残酷なシーンを問題視する人もいますね。

アレックスが受けた治療は当時はまだ行われていた「洗脳」であり「ロボトミー」を否定していると言えるでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%97%E8%84%B3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C% …

キューブリックは乱暴な表現方法を使ったようですが、今の日本の方が彼が暗示した未来よりも、もっと異常かも知れません。

ウッドストック・フェスティバル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%83% …
赤狩り
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%8B%A9% …
ベトナム戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%88% …
冷戦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E6%88%A6
ウーマン・リブ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%BC% …
ヒッピー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83% …
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作品賞というのは、米国および英国のアカデミー賞のことですよね。



そもそも、アカデミー賞を初め、ほとんどの映画賞では、暴力や裸体のシーンが多いからといって、ノミネートから外されることはありません。もちろん、無意味に暴力や裸体が起用されていれば、それはもう、映画としての品位を欠くことになりますが、意味を持って使われているシーンであれば、審査を左右する材料にはなりません。映画賞なのであって、映倫規定ではありませんから。

現に、この年に本家米国アカデミー賞作品賞を獲得したのは『フレンチ・コネクション』。翌年には、かの『ゴッドファーザー』が作品賞を獲得しています。ともに、半端じゃない暴力シーンがたくさん登場します。のちには、ロシアン・ルーレットが衝撃的な話題を呼んだ『ディア・ハンター』や、人肉大好きレクター博士が登場する『羊たちの沈黙』も作品賞に輝いています。

また、『時計じかけのオレンジ』自体、優秀な原作小説に比べたら、かなり穏やかな表現を使っています。

****以下、ネタバレ*****

このSF小説は、手がつけられない不良集団の、あまりにも非人間的で卑劣な行為の数々を読者にさんざん見せつけておいたうえで、彼らを徹底的に厚生させる“画期的で権威のある”、しかしながら不良行為に輪を掛けて非人間的な治療法を紹介し、「人間らしく生きるって、いったい、どういうことだろう」と、私たち現代人に問い掛けています。しかも映画版は、小説とは異なる美意識を新たに創り出したうえで、一世を風靡した男優と、斬新で鮮やかな映像で、観客を引き込むことに成功しました。

さらには、確かに時代背景としては、#1さんがお書きになったようなものもあり、映画界としては、この時代をきっかけに、幸せなミュージカル主流の世界から、やや暗い社会派の世界へとシフトしていきます。ただ、加えて言うと、この作品がノミネートされた1971年は、経済成長や文明社会が一種の飽和状態に達した時期でもありました。つまり、工業や欲望が生み出してきた公害、機械優先の風潮、効率優先の生活、そして権威というものに、一般市民が疑問を持ち始めた時期なんですよね。

映画賞というものは、だいたい、「この映画が一番すばらしいよ」というよりは「この映画に一番注目してほしいの」という意味で与えるものです。『時計じかけのオレンジ』をノミネートさせることで、工業や経済の急成長まっただなかだった1962年に初版された小説の映画化を、ようやく市民が疑問を持ち始めた1971年によみがえらせ、より多くの人に、この作品を観てもらい、考えてもらいたい、と審査員たちは思ったのではないでしょうか。ただし、その「より多くの人」の中に、15歳以下の人は入っていません。とはいえ、もうひとつの見方としては、「過激な作品だから、本命じゃなくてノミネートにとどめとこうか」という意図も働いたのかもしれません。
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