イギリスでの単語の綴りとアメリカでのそれに違いがある(例えば、colour/color、centre/center)ことは学校で習いましたし、web上にもいろいろ情報があって、Websterによって導入されたものであることもわかりました。
ところが、例えば aluminium/aluminum の場合は、Websterが導入したルールとは違うと思います。(アルミニウムに拘るのも変ですが)この場合は、どのようにして違いが生まれたのでしょうか? また、このように Websterのルールに沿わないものには、他にどんなものがあるでしょうか?
なお、ここでは、tube/subway のように違う単語を用いるケースではなく、上記のように同じ単語で綴りが違うというケースに限定してお尋ねさせて下さい。
宜しくお願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
wikipediaには名前についての歴史が書かれています。
イギリスの化学者Humphry Davy が1808年にsilicium, alumium, zirconium, and gluciumのように名付けたようです。
1812年Quarterly Reviewというイギリスのジャーナル誌に、
"for so we shall take the liberty of writing the word, in preference to aluminum, which has a less classical sound."
と投稿があったようです。
Nevertheless, -um spellings for elements were not unknown at the time, as for example platinum, known to Europeans since the sixteenth century, molybdenum, discovered in 1778, and tantalum, discovered in 1802.
時代と認知度によるものであったといいたいようです。
Americans adopted -ium to fit the standard form of the periodic table of elements, for most of the nineteenth century, with aluminium appearing in Webster's Dictionary of 1828.
1828年といえばウェブスターの初版年ですが、結局aluminiumを採用していたようです。
It has consequently been suggested that the spelling reflects an easier to pronounce word with one fewer syllable
特許では-iumが使われていましたが、綴りに関しての各方面のいろんな意見は続いていたのでしょう。
そして
In 1926, the American Chemical Society officially decided to use aluminum in its publications; American dictionaries typically label the spelling aluminium as a British variant.
1926年にようやく公式にaluminum を出版物で使用することを決めたようです。
アルミニウムが効率的量産され一般民に使用されるようになってまだ100年は経っていませんが、1926年あたりはちょうど一部産業での利用が盛んになり、アルミが認知されだした頃だったのかもしません。
この時代は、1906年にアルミ合金としてジュラルミンがつくられ、その後驚異的な堅さと耐久力を持つ超ジュラルミン(アメリカ)が、つづいて超々ジュラルミン(日本)が合成され、軍事に利用されていった時代でもあります。
http://www.aluminum.or.jp/basic/worldindustry.html
http://www.aluminum.or.jp/basic/aluminumtoha/fse …
http://en.wikipedia.org/wiki/Aluminium
とても詳しい解説をして頂きありがとうございました。
歴史的に色々と変遷があったようですね。最終的にアメリカ化学会が決めたというのも面白いと感じました。
参考webサイトも読んでみます。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
アルミニウムの英米での綴りの違いのいきさつについては、発音とは直接関係していなかったようです。失礼しました。webでは下記のような情報もあります。
1)ハンフリー・デービーが、alumiumと命名
2)デービー自身が、aluminumに変更(おそらく、最初のalumをラテン語almenに似たラテン語風綴りにしようとして)
3)その後、イギリス人(および英語を話す人)が、他の元素の綴り(helium, sodiumなど)と対応するようにaluminiumに変更
4)一方、北米人は、そのまま2)の用語(aluminum)をそのまま採用
ということのようです。
http://zapatopi.net/afdb/
** HISTORICAL FOOTNOTEを参照ください。
2回も御回答を頂きありがとうございました。
両綴りが生まれた経緯について、分かりやすく簡潔に纏めて下さりありがとうございます。よく理解できました。
参考URLも拝見して更に勉強してみます。
No.3
- 回答日時:
明確なルールがあるかは分かりませんが、違いのある単語については、米語綴りは、より発音に近い合理化されものになっているという傾向があると思います。
英語、米語両方の英文を多数呼んで、感覚的に違いを知るしかないのかなと思っています。科学関係では多いように感じています。
例
haemoglobin/hemoglobin
recognise/recognize
など
No.2
- 回答日時:
Sir Humphry (1807-1812) が名付け親で、本人ははじめ alumium, aluminum, aluminium などと綴っていたそうです (#)。
その中で他の学者達は aluminium がよろしいと感じたそうです。古典的な感じが好ましく、potassium, sodium, and magnesium など同様の綴りの元素が多いからです。これが米国においては Noah Webster's Dictionary (1828) に何故か aluminum だけが載ったそうです。時代が下がった他の辞書 (Century Dictionary (1889), Webster Unabridged Dictionary (1913) では -ium が優先あるいは -ium のみ、だったそうです) 1895 年頃アルミの実使用が始まると、それ以降 aluminum が主流になったそうです。不思議ですね。
学会的には現在国際的に両派あり、決着はついていないようです。米国の力が強いので -num が多用されますが。
(#) alumina (=酸化アルミ、サファイア) がもとになっています。
No.1
- 回答日時:
米式綴りの創始者Noah Websterも、彼が存命中(辞書編纂中)に
調べきれた(既に確定した綴りで存在していた)もの以外は把握の
しようがありませんので、彼の辞書のルールに従うかという点に
固執するのはあまり意味がないと思います。
基本的にはその言葉を使い始めた人より後の時代の人が『この方が
分かりやすい』として変えるのは珍しくありません。欧州の各言語も
そのようにしてだんだん分化して種類が増えていったのですから。
化学/技術用語は、いわゆるえらい学者センセイたちが使うもの
だけに、余計に『ワシがこういう言い易い綴りを考えてやったのに』
と言われると、周りの人が逆らいにくい(信じ込み易い)という
傾向があります。aluminumの場合はこれが一番有力でしょう。
ちなみに、化学物質でiumという末尾で終わるのは古代ギリシャ/ラテン語で
使われていた綴りです。numは後の世の人が省略したものです。
早速の御回答ありがとうございました。
おっしゃるとおり、Websterのルールに固執して考えるのは良くないと思います。この点、質問の書き方がまずかったかもしれません。
aluminum のケースは全く違う経緯で、英米の綴りの違いが生じたようで、それを(あるいは、類似のケースを)知りたくて質問しました。
学者センセイが綴りを考案(?)したのですね。勉強になりました。ありがとうございます。
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