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英国製の靴について、いくつか質問させてください。
・チャーチの靴ですが、価格は上昇している割に品質が低下しているということを耳にします。CHETWYNDチェットウィンドの購入を検討していますが、10万円近い金額を払う価値のある靴でしょうか?
・トリッカーズのカントリーブーツとチャーチのチェットウィンド、タイプが違うので優劣を決めることはできないと思いますが、どちらがお勧めですか?理由も含めて教えてください。
以上、英国靴(チャーチ)を所有しておられる方、詳しい方、よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

 ニューヨークから失礼します。

質問者さんのためを考えれば
返答すべき質問なのかどうかよくわかりませんが、取り合えず
私の考えをお話しします。
 日本のメディアを見ておりますと、”このブランドはどうですか?
”どこの何々を買ったらいいのですか?”といった質問が目立つ
ように思います。いわゆる”紳士服”や”紳士靴”を身に着けよう
というのであれば、それなりに自分にも覚悟が必要です。
 つまり一人の人間、個としてのstatementを発することになるわけ
ですから。そして日本以外の世界の人からは、たんなる一般大衆で
ない、一家の言を持った人として見られるわけです。
 日本人には自分のことをあまり深く考えずサムライと自称する
人もいますが、実は歴史的に日本人の9割は農民なのです。(今でも)
 サムライは、特に江戸時代のサムライについては、今で言えば
警察、法務、財務の官僚を足したようなものであって、人口の
数パーセントの話です。(幕末の日本の人口はほぼ3,000万人。)
 従って今春行われるWBCの原ジャパンも、サムライジャパンなど
言わず、ノーミンジャパンが正しいのです。
 どうせチームワークや、チーム愛等といったことくらいしか強調
出来ないのでしょうから。お米を作るのも近所同士の協力が必要な
ことは言うまでもありませんし、そもそも”和”の精神こそが、
日本人を代表する考え方でしょう。それに今の日本にサムライと
呼べる資質、克己心のある人がそんなにたくさんいるとも思えません。
つまり自身の人生観、価値観をしっかりと定めた一人の男という
点において紳士とサムライには共通点があるのです。
 欧米とは違い、社会に平等感が満ち過ぎている日本においては
誰もが高級品が買えて真ににけっこうなことなのですが、これを
逆手にとり、つまり順番は逆ですが、いいモノを身に着けること
によって、自分もそのモノを身に着けるにふさわしい人間になる
ように向上していこう、努力をしようということも、これからは
大切なこととなるのではないでしょうか。
 さてChurch's, チャーチについては、この会社によって英国製
紳士靴が世界に広まったといってもいいくらいに貢献度の高い企業
なのです。かつてチャーチの製品については、大塚製靴が戦前
旧帝国海軍の軍靴、そして現在に至るも天皇陛下に献上する靴を
作っていること等によってチャーチ社の信用を得、戦後永い間
日本市場における独占販売権を得ておりました。今でこそエドワード
グリーンだの、ジョン ロブ等といった靴がより高価なこともあって
有名になりましたが、かつてはチャーチが文字通り日本における
高級英国紳士靴の代名詞であったのです。
 仕事で英国に何度も出かけるうちに、シティ(ロンドンの金融街)
等でチャーチを履いている人がけっこう目につき、聞いてみると、
英国内においてもそれなりの階級、立場の人が日常仕事等で履く
靴として、最も認知されているという話でした。(意外に思われる
かもしれませんが、エドワードグリーンやパリのロブ・エルメス傘下
のためこう呼ぶ については、英国人よりも、英国風な装いを好む
英国人以外の世界のアッパークラスの人達に履かれている靴、と
言って過言ではないと思います。)
 このようなチャーチ社の成功は、同社にてNo.73と呼ばれる、過去
においても現在においてもエドワード グリーンのNo.202や、米国
オールデンのBarrie等と並び称される、世界の既製靴業界における
傑作LAST(木型)を開発したことが大きかったと思います。
 1990年代後半、世界の高級ブランド各社の間で21世紀の販売戦略
との兼ね合いで、欧州の老舗メーカーの獲得合戦が勃発、チャーチも
そのあおりを受けプラダの傘下となってしまい、一時日本市場から
姿を消してしまいました。日本人とは不思議なもので、いかにも定番
英国靴といった風情のNo.73を使用したチャーチの靴をいつでも
買えると思っている間は、売り上げはジリ貧だったのですが、いざ
買えなくなるとなるとあわてて急にブームになるといった状況でした。
 昨年7月に日本に出張した際、偶然日本橋丸善の閉店セールに
ぶつかり、数年前に飽きっぽい日本市場からの要請を受け復活した
No.73の木型の靴を思い出にと、久々に一足購入しました。
 ここでようやく本題ですが、昔に比べると革質は若干落ちたか、
とも思いましたが、これは別に同社に限った話ではなく、全ての
靴メーカーに言えることでもあります。狂牛病の影響、そして
クロームなめしについて環境面への配慮から著しく減産されたこと、
そしてその代表格であったカール フロイデンベルグの廃業等、
様々な要因があるのです。
 私はチャーチについては多分まだ40足くらい所持していると
思いますが、全て現役です。(Chetwyndは5足)つまり大変頑健な
作りであるということです。かつて個人的に思ったことは日本の靴に
比べ圧倒的に底材が減りにくく、型崩れがしにくいことでした。
(昨年買った靴についてはあまり履いておらず、まだわかりません。)
 そうした、主に1980年代前半に買った靴には、内側に仕上げの際の
担当者のサインが入っており感動しましたが、1980年代後半のもの
にはサインこそ入っていましたが、工程の途中でサインをしたように
思われ、若干”これはまずいかな”と思ったこともありました。
 現在日本市場に出回っているのは、おそらくNo.173というNo.73を
modernizeしたものと思います。No.73のChetwyndも、もしかしたら
伊勢丹あたりに残っているかもしれませんが。
 価格については、1980年代のチャーチの靴については、49,000円から
55,000円、エドワードグリーンが73,000円から76,000円位の中心価格帯
(当時はビームスでPoulsen Skone名のものが多かった。)といった
状況でした。よって現在の価格については双方ほぼ倍となっている
わけで、チャーチの価格について特に割高ということはあまりないか
とは思います。
 トリッカーズとのブーツとの比較についてですが、これは御自身の
使用頻度がより高くなると思われる方を選ばれれば良いのではない
でしょうか。価格的にはトリッカーズの方が低いとは思いますが。
 いずれにせよ、購入の検討をされるのでしたら、実際に試し履き
をしてみなければ何も前へは進みません。日本においてはあらかじめ
購入を固く決心してからでないと、お店で試し履きをしない人が多い
らしいですが、おかしいです。 やはり靴はフィットが命ですから、
履いてみて買わないと自分に合いそうなのかどうかわかりせん。
そして買って何年か履いてみないと最終的に結論は出せないものです。
こうしたことが理解出来ないと、いつまでたっても”モノ”に支配
され、”モノ”を使いこなせるようになりません。おそらく、試して
買わないとお店の人が気分を害すると思われてのことなのでしょうが
試着や試し履きは、消費者にとって当然の、基本的な権利です。
どんどん試してみましょう。
 というわけで、出来れば今回のような質問は、”試しに履いてみた
のだが自分はこう思った、こう感じた.....”等といった部分があると
もっと答えやすくと思います。
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この回答へのお礼

ご返答ありがとうございます。
チャーチの歴史、英国での位置づけなど、大変勉強になりました。特にジョンロブやエドワードグリーンは英国的装いを好むヨーロッパ人が履いているというのは興味深かったです。先日、百貨店にてチェットウィンドの試し履きをしてきましたが、予想以上にごつくて硬い靴という印象を受けました。さすがは英国を代表する靴だと思いました。その際に店員さんからアッパーの革はネバダカーフです、と教えてもらいました。普通のカーフとは違うのでしょうか?ご存知であれば教えていただきたいです。

お礼日時:2009/01/24 14:38

No.2です。

calfは、おおまかに申し上げて生後3ヶ月から6ヶ月程度
の子牛の皮をなめしたものです。歴史的に英米、アングロサクソンは
成牛をステーキやローストビーフにて食するのが一般的ですが、
そのため成牛の厚くて丈夫な原皮が残るわけです。今でも米国は、
野球のグローブに使われる皮革や、アウトドア系の靴に使われる
オイルドレザーの皮革の生産においては世界屈指なのではないで
しょうか。対してイタリア、フランス等のラテン系の人達は、
Vealヴィール、つまり子牛の肉を食べるのです。従って子牛の原皮が
残ることとなり、当然ながら皮が薄くてきめも細かで、結果、軽くて
しなやか革となり、欧州の伝統的なマッケイ(またはブラック
ラピド)、ボロネーゼ製法等、足にピッタリした軽量の靴を作るのに
適した革とされてきましたが、同時に高級グッドイヤーウエルテッド
製法の靴にも用いられてきたわけです。
”Nebada Calf”をなぜネヴァダというのか、私はよくわかりません
が、以前、Churchや同じくNevada Letherを使用しているAldenの
関係者に尋ねたことがありますが、Churchの場合、Shannonや
Graftonなどに用いられてきたBook Binderという光沢のある, 丈夫な
皮革を従来から用いてきたわけで、その逆の持ち味を持った、
つまり、あまり光沢はないが、丈夫で、男らしい力強さ(アメリカ
西部風ということか)を感じさせるカーフ素材を打ち出したかった
ということが理由のひとつとしてあるようです。また同社は
現在コードヴァンを使用していない(かつては使用していた。)ので、それにかわる商品を打ち出したかったということもあるのかと
考えられます。実際、Churchと同様に、Manly, 男っぽさ、丈夫さを
売り物にしたAldenにおいても少しづつ使われ始めています。 
Nevadaとは言ってもアメリカでなめされているわけではなく、私が
聞いたところではフランスのアノネイ社が製造していると言う話
でしたが、その後ほったらかしにしており、決して確証があるわけ
ではありません。ちなみに私はNevada leather使用の靴をまだ
持ってはいません。多少 皮の質に個体差があるという話も聞いた
ことがありますが、これも”自然の物”なので、コードヴァン同様
ある程度止むを得ないことでしょう。
 より詳しい情報については、試し履きをされたお店にて確認されて
みられるのも良いのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご返答ありがとうございます。
チャーチやオールデンの関係者にもコネクションをお持ちだとは・・・すごいですね。アノネイ社製かもしれないというのは驚きです。かなりしっかりした革だとは思いましたが。普通は聞くことのできない情報ばかりで参考になりました。

お礼日時:2009/01/27 21:29

私はチャーチの靴は4足所有しております。

コンソールとプレスリーを2足ずつです。初めはある大手デパートで購入しました。最初はなれないうちは足が痛いこともありましたがその件はデパートの店員さんから聞かされていました。それがだんだん、靴が足に馴染んで行く感じがわかりました。他のメーカーの靴との比較はできませんが、一番自分で気にいるまで店で試して履いてみたほうがよいと思います。何せ価格が高いのですから。私の場合、2足目からはインターネットでイギリスの靴屋さんで買いました。日本に送ってもらえるし、税金を払っても日本で買うよりは3万円程安く購入できます。
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この回答へのお礼

ご返答ありがとうございます。
一足目はしっかり試し履きをして、二足目はネットで購入。とても堅実な方法ですね。参考になりました。

お礼日時:2009/01/24 14:19

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