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1.教唆犯の成立要件について
教唆犯の成立を検討する場合、どのようにすれば良いのでしょうか?
以下のようなものと考えて良いのでしょうか?

教唆行為の存在→(×)→教唆犯不成立
↓○
正犯の犯罪実行→(×)→教唆犯不成立
(正犯者を基準に実行行為、結果、因果関係、構成要件的故意、違法性を検討)
↓○
教唆行為と正犯行為の因果関係、及び正犯行為と正犯結果の因果関係
(教唆犯を基準に検討)→(×)→未遂犯の教唆成立
↓○
教唆の故意→(×)→過失犯の教唆成立
↓○
教唆犯成立

2.教唆犯の成立を検討する際に、検討する罪名について
教唆犯の成立を検討する場合、その検討罪名は、正犯者について成立した犯罪と考えてよいのでしょうか?
この場合、正犯者の成立罪名(殺人既遂)>共犯者の成立罪名(殺人未遂)となることはあっても、その逆
つまり、正犯者の成立罪名(殺人未遂)<共犯者の成立罪名(殺人既遂)となることはないと考えてよいのでしょうか?

A 回答 (2件)

1、について


そのような検討の仕方で問題ありません。

2、について
これは少し正確ではありません。
例えば、Aが傷害の教唆をしたのに行為者Bが殺人既遂犯となった場合、教唆者には、傷害致死罪の教唆犯が成立します。
しかし、「正犯者の成立罪名(殺人未遂)<共犯者の成立罪名(殺人既遂)となることはない」というのは正しいです。いわゆる共犯の従属性です。
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この回答へのお礼

大変、勉強になります。
ご回答頂いた内容をもとに勉強を続けたいと思います。
ご回答ありがとうございました!

お礼日時:2009/01/25 15:03

1について。


一口に「検討」と言っても色々あります。自分の頭の中の話なら順番は自由ですから何でもいいです。特に不成立の場合には満たさなそうな要件を一発目から検討して終わりというのもありです。
講学上、特に答案に書く場合の検討順序と言うのなら普通は違います。

と言いますか、はっきり言って全然駄目です。
例えば、
>(正犯者を基準に実行行為、結果、因果関係、構成要件的故意、違法性を検討)
>↓○
>教唆行為と正犯行為の因果関係、及び正犯行為と正犯結果の因果関係
この3行を見ると正犯の行為と正犯の結果の因果関係を2回も検討していますが、そんなことするのは全く無駄です。
他にも「未遂犯の教唆成立」とありますが、教唆行為と正犯との因果関係の問題じゃありません。正犯が未遂に終わった場合を未遂犯の教唆と言う(ちなみに未遂犯の教唆を未遂の教唆と言う場合もあるが、通常は未遂の教唆は別の意味なので要注意)のですから、正犯が未遂かどうかだけの問題です(もっとも、これは共犯従属性説が前提の話。共犯独立性説を採るとまた話が違う)。
「過失犯の教唆成立」というのも、多分、過失による教唆ことでしょう(過失犯に対する教唆のことだとすると、教唆の故意の問題ではない)が、これを認めるかどうか自体争いが在ります。通説的には教唆の故意を欠く場合には教唆犯自体が成立しません。
……これで問題ないなんてのはたちの悪い冗談です。

正直言って、用語から理解していないとしか思えません。そこからやり直しましょう。


さて本題に戻ります。
まず前提として、考え方としては、教唆犯も構造自体は通常の故意による結果犯と同じです。
即ち、構成要件要素として
1.実行行為としての教唆行為
2.結果としての正犯の存在(正犯の成立とその中身)
3.1と2の間の因果関係。
4.教唆の故意(または過失)
を要するということ。
ですから、標準的には故意による結果犯同様、実行行為となる教唆行為から検討するとなるはずです。ところが実際にはそうはいきません。なぜなら、答案において「検討」する場合というのは大概正犯の罪責も検討する必要があるから。正犯の罪責と教唆犯の罪責を平行に論じると読んでいる方は訳が解らなくなります。
そこで、とにかく正犯の罪責を先に確定してしまいます。教唆犯を先にはできません。なぜなら、正犯によって教唆犯の成否、罪名などに影響があるからです。教唆犯の成否、罪名は正犯に影響しないので教唆犯を無視して正犯を先に確定するのです。
そうすると、標準的な順番とは違う、つまり1の実行行為と2の結果を逆にした「検討」順になります。

したがって、
正犯の成否→(×)不成立の理由いかんによっては要素従属性の議論へ(共犯従属性説なら。共犯独立性説だと正犯の成否は教唆犯の成否と関係ない)。
↓○
正犯が故意犯→(×)過失犯に対する教唆の議論へ。
↓○
正犯が未遂犯→(×)未遂犯の教唆。
↓○
教唆行為の存在 →(×)→教唆犯不成立(なお、答案の場合これはまずあり得ない。なので実際には当然あるとして扱って構わないという可能性もある)。
↓○
教唆行為と正犯行為の因果関係 →(×)→教唆の未遂の議論へ。共犯独立性説なら割とどうでもいい議論。
↓○
教唆の故意 →(×)→過失による教唆の議論へ。
↓○
事案により未遂の教唆の議論へ。
ってな感じですか。なお、この図は手抜きの上に質問に合せて無理やり作ったものなのでこれの通りそのままでは多分使えません。他にも、実行従属性とは別の正犯なき共犯の議論とかもありますし、論点落ちまくってますから。それに、途中で横に逸れた場合でも教唆犯不成立とは限りません。つまり本線に戻って来る場合があります。だけど面倒臭いのでそんな図を書く気になれないので、悪しからず。
まあ単純な図で表せるほど教唆の論点は簡単ではないのですよ。簡単な図で表そうということ自体、無理があると言っておきます。ただ、パターンとして絶対的なのは、とにかく最初に正犯の罪責を検討するということ。


2について。
質問の趣旨が「教唆犯に成立する罪名は正犯の罪名よりも重いことはない」ということなら、共犯独立性説を採らない限り、その通りです。もっとも理論的には、不真正身分犯で身分のある者による非身分者に対する教唆については一考の余地があるかもしれません(幇助では身分者が従犯の場合、従犯の方が罪名が重くなることがある)。多分ないと思いますが、面倒なので調べません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

旧司法試験の受験者の方、あるいは予備校関係者の方なのでしょうか?
自分は、学者の先生の学説の対立に深入りしたくないので、学説や論点の話を見るだけで眩暈がします。。
不勉強申し訳ありません。
『未遂犯の教唆』「過失犯の教唆」についても自分の不勉強でした。
申し訳ありませんでした。

教唆犯を含めた共犯に関する議論が、相当に難しい分野であることは
理解していますが、それでも、単純化を試みたいと考えています。

ご回答頂いた内容で、正犯から検討するというのはその通りだと思います。
また、教唆犯についても、ご回答頂いた内容と同じように、通常の故意による結果犯と同様に処理するとして、教唆行為を実行行為とするもの
と考えていたのですが、講義に来ていた実務家の先生に明確に否定されてしまいました。
共犯独立性説が云々の問題よりも、共犯は、正犯とは違うとのことでした。
正犯行為と正犯結果の因果関係についても、正犯者基準と共犯者基準で2回検討する必要があるとも言われました。
そこで、今回の質問をさせて頂いたのですが、無保証の無責任回答を信条とされているようなので、翌週にでも先生にもう一度聞いてみることにします。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/01/29 18:01

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