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高校化学からの質問です。
1.参考書の電子式の書き方のところで、「・を書く場合、Hのまわりには2個、それ以外の元素では8個である」とありました。これって例外なくそうなんでしょうか?リチウムやベリリウムなんかは例外だと思うのですが。

2.N2は非共有電子対をもっているかという問題がありました。僕は参考書に「なるべく対にならないように・を並べていく」と書いてあったので、

 ・ ・
・N::N・(間は三重結合だと思って下さい)

という構造だと思い、非共有結合はないと答えました。しかし解答ではN2の電子式が、:N::N:(間は三重結合だと思って下さい)とあり、非共有結合を2つ持っているということになっていました。これはどういうことなのでしょうか?電子式の書き方に混乱しています。

以上、宜しくお願いします。

A 回答 (4件)

>参考書に「なるべく対にならないように・を並べていく」と書いてあった


何処の参考書か知りませんが「捨てなさい」。
一応、大坂教育大学付属天王寺高校 岡博昭先生のページ、↓を推薦します。
http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/okain …

1.当然HやLi、Beは「例外」です。そんなにたくさんの電子は引きつけられません。ホウ素になるとオクテット則がからんできます。それより上、遷移金属より下はオクテット則の世界です。

2.窒素は三重結合を実際に持っています。残りの電子の性質を調べると不対電子の性格はありません。なので対にして「非共有電子対(lone pair)」二つとして扱います。
酸素分子は高校の教科書ではしばしば二重結合していることになっていますが、実際には三重結合した上に「反結合」性の「不対電子」二つがあるため差し引き二重結合の原子間距離になります。
酸素分子を二重結合で書くと「非共有電子対」が全部で四つ出来ますが、その性質は全く無く、不対電子の性格が表に出た「三重項酸素」で存在し、「磁石に吸い寄せられる」のが観測できます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/03/21 22:49

いや、むしろ C2 は三重結合で考えた方がいいだろうと私は思います>#3さん



教科書によくある説明は、8個の価電子が (σg)2 (σu)2 (πu)4 の電子配置をとって、σgとπuが結合性軌道でσuが反結合性軌道だから C2 は二重結合になる、というものですよね。私も分子軌道法を学んでいる大学生に、「C2 の結合次数は?」と聞かれたら迷うことなく二重結合と答えます。

ですけど、詳しい量子化学計算の結果から、σuは反結合性軌道というよりは非結合性軌道に近い、ということが知られています(πgの上にある別のσuと相互作用して下方に押し付けられるため)。このことを考慮すると、分子軌道法でも C2 は三重結合になります。もちろん、この辺りの話は、CO分子のC-O結合やSF6分子のS-F結合の結合次数をいくらにするか?という話と同じで、人によって解釈が違っていてもいいと思います。まあ、四重結合はありえないだろうとは私も思いますが。

なぜ C2 が四重結合にならないのかは、電子式でも一応説明することができます。C::::Cという電子式では、炭素原子と炭素原子の間の狭い空間に8個の電子が押し込められているので、電子間のクーロン反発力が大きくなります。1.の「炭素原子のまわりには8個の・がある」というルールに従う限りは、C::::Cという電子式以外は書けないのでどうしようもないですけど、このルールには例外が多数ありますので、C2 分子も例外的な分子であると考えます。そうすれば

・C:::C・ ← 三重結合、炭素原子のまわりには7個の・がある

:C::C:  ← 二重結合、炭素原子のまわりには6個の・がある

:C:::C  ← 三重結合、炭素原子のまわりには8個または6個の・がある

等々の電子式が書けることになります。これらの電子式では炭素原子のまわりの電子が8個でないため不安定になりますけど、それを上回るくらいクーロン反発力が弱められていれば、C::::Cよりも安定になります。で、実際にどの電子式が正しいのかは、実験と比較して決めることになります。実験的には C2 分子のC-C結合距離はアセチレン H-C≡C-H の結合距離に近く、結合エネルギーはエチレン H2C=CH2 の結合エネルギーとほぼ同じです。このことから、C2 は四重結合ではなく、三重結合か二重結合になることが分かります。また、C2分子が不対電子をもたないこと[註1]を考えれば、・C:::C・の電子式は却下されます。

ですので、#3さんの回答にあるように、C2 を二重結合と考えれば、電子式は:C::C:のようになります。それに対して私のように、C2 を三重結合と考えれば、電子式は

:C:::C ←→ C:::C: 共鳴している

のようになります。さきにも書いたように、どちらか一方が正しいと決められるものではないですし、双方の考え方にメリットがあります。

二重結合で考えるメリット:大学の化学系の学科で習う分子軌道法の考え方と相性がいい
三重結合で考えるメリット:C2の構造式は、C≡C と書かれることが多い

いずれにしても、#2のC2分子に関する説明は中途半端なものでした。混乱させてしまってごめんなさい。C2 が四重結合というのは、ありえないです。


[註1]やっかいなことに不対電子をもつC2分子というのが実際に存在して、不対電子をもたないC2分子とほとんど同じくらい安定であることが知られています。C2の構造式をC≡Cと書くことが多いのは、この構造式ひとつで、これら二つのC2分子を同時に表現できるからじゃないかな、と私は思っています。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
奥が深いんですね。勉強になりました。

お礼日時:2009/03/21 22:48

1.言われるとおり, Li や Be はそもそも電子が少ないので「8個にする」ことは不可能です. また, 2族や 13族の元素ではやはり最外殻電子が足りないのでいろいろなことをしないと「8個にする」ことができません. #2 のホウ素の例はそうですし, 同族の Al や 2族の Mg でも起きます. ついでですが「ホウ酸が水中で酸性を示す」ことと「アンモニアが水中でアルカリ性を示す」ことはちょうど対照的です.


2.むぅ. 「なるべく対にならないように・を並べていく」って.... ひどいなぁ.
N2 は三重結合で, 実際に非共有電子対を持っています. ちなみに C2 は二重結合>#2. この辺は, 本当は分子軌道で説明しないといけないんだけど....
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/03/21 22:46

1.例外は多数あります。



例えば、ホウ酸分子 H3BO3 のBのまわりの・は6個です。

  ‥   ‥
H:O:B:O:H
  ‥ ‥ ‥
   :O:
    ‥
    H

また、三ヨウ化物イオン I3- の中心のIのまわりの・は10個です。

┌ ‥ ‥ ‥ ┐-
│:I:I:I:│
└ ‥ :: ‥ ┘

参考書に「・を書く場合、Hのまわりには2個、それ以外の元素では8個」とあるのは、このルールに従わないH3BO3やI3-などの電子式は高校化学の範囲外だよ、ということではないでしょうか。

2.「なるべく対にならないように・を並べていく」のあとに、「対にならない・は最大4個まで」と書いてあるはずですので、参考書を確認してみて下さい。このルールに従うと、C, N, O, Fの各原子は

 ・
・C・ ← 不対電子が4つ、電子対はゼロ
 ・

 ・
:N・ ← 不対電子が3つ、電子対は1つ
 ・

 ‥
:O・ ← 不対電子が2つ、電子対は2つ
 ・

 ‥
:F・ ← 不対電子が1つ、電子対は3つ
 ‥

のようになります。これと1のルールを使って、C2, N2, O2, F2の電子式を書くと

C::::C  ← 四重結合、非共有電子対はゼロ

:N:::N: ← 三重結合、非共有電子対は2つ

 ‥ ‥
:O::O:  ← 二重結合、非共有電子対は4つ

 ‥ ‥
:F:F:   ← 単結合、非共有電子対は6つ
 ‥ ‥

のようになります。C2分子は高校化学では扱わないと思います。また、#1さんの回答にあるように、実際のO2分子には不対電子が2つあるのですけど、上で書いたO2の電子式には不対電子がありません。O2分子に不対電子があることを電子式で表そうとすれば、

 ‥  ・      ・  ‥
:O::O: ←→ :O::O: 共鳴している
    ・      ・

のように、右の酸素原子に不対電子がある電子式と左の酸素原子に不対電子がある電子式との間の共鳴を考える必要があります。しかし、これも高校化学の範囲外でしょう。

N2分子とF2分子については、「対にならない・は最大4個まで」というルールに従えば、問題なく電子式が書けます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>対にならない・は最大4個まで

大変参考になりました。納得です。
ありがとうございます。

お礼日時:2009/03/21 22:44

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