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サイクリックボルタンメトリーにより
M + X → MX
という電極表面でのレドックス反応を観察したとします。
ある電位で固定した状態では、定常状態となるため
M + X → MXという反応とMX → M + Xが競合していたとしても
全体としてはM + X → MXの反応の方が多いため、MXが生成したように見えるわけですが、
このように極めて短い時間スケールでは逆の反応も起きているということをサイクリックボルタモグラムなどから読み取ることが出来るのでしょうか?
これはサイクリックボルタンメトリーにより可逆的に反応を起こす電極であれば、すべて電極反応にいえることなのでしょうか?
例えば、反応のピークで電位を固定した場合だと、逆の反応も多量に起きていると思いますけど、反応が完全に終わるような電位にもっていった場合だと、逆の反応の量は減るのでしょうか?変わらないのでしょうか?

A 回答 (5件)

> 一方でピークの右の電位で固定するとするとほぼ全てのレドックス種が酸化状態になりますが(もちろんこれも上記のガスの例と同じ定常状態です)、



この状態が「定常状態」であるということは,

> このとき還元反応も常に起きている

ってことと等価だと思うんですがねえ.

> それとも全く還元反応は起きず、どの瞬間を見ても全てのレドックス種は酸化状態でいられるのでしょうか?

そんなことはありえませんね.
速度定数は小さくても0ではないわけで,還元は起こっている.
吸着種のレドックスでは拡散は考えなくていいので,単純に解離平衡とかと同じことで,解離定数が電位の関数になってると考えればいいだけのことです.
塩酸は強酸である.それは確かですが,有限の解離定数をもつことも確か.有限の解離定数があるということは,当然,再結合も(数の問題はあるにしても)起こっている.同じことです.
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ちょっとはっきりさせましょう.


まず,定常状態とは,何についての定常状態なのか.
たとえば反応速度論で出てくる定常状態近似は,反応中間体に対して定常状態にあるという近似を意味します.
あなたがいうところの「電位を固定した状態での定常状態」というのはどういう状況を指しているのでしょうか?
なお,一般的に電極反応において定常状態といえば,一定の電流が流れている(その大きさが0ということを含めて),ということになるわけですけどね.定電位を維持して一定の電流が流れるための条件は,拡散の問題が無視できるくらいに反応量が小さいか,対流ボルタンメトリや超微小電極のように,拡散層が一定に保たれるような状況下,その電位での平衡組成まで電解が進んだ後の状況 (これは定常状態ともいえますが,真に平衡状態なわけですが),といったところでしょうかね.

> ・逆反応がないとしたときのボルタモグラムの計算というのはどのようにするのでしょうか?

CV は簡単な解析関数で表すことができないので,数値計算によることになります.基本は,境界条件に Butler-Volmer 式を加味し,マスバランスを考慮した拡散方程式を数値的に解くだけです.自分でやったこともありますが,それほど大変な計算ではありません.微分方程式を解くところで Runge-Kutta 法あたりを使えば精度は上がりますが,概略求めるだけなら Euler 法でも十分です.
で,Butler-Volmer 式を考えるときに,逆反応分をなしにすることは,数値計算上は簡単にできるので,比較もできるでしょう.

> それと私がお聞きしたかったのは、....

速度定数については Butler-Volmer の式を見ればわかることです.
実際の反応については,そこに表面濃度の問題がかかってくるので面倒になるわけですが.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

やはりご回答の意味がよく分からないのですが、
私の言っている定常状態というのは反応が前にも後ろにも進まない状態のことを指しています。
例えばガスとガスの化学反応を考えると、
A というガスと X というガスを混ぜた反応させたとき、
A + X → AXという反応とAX → A + Xという反応が競合しておきますが、時間が経つとA と X と AXの量の変化が一定になります。これが定常状態ですが、実際には、上記の2つの反応はつねに起きているにも拘わらず2つの反応速度が同じであるため、反応していないように見えるわけです。

http://colloid.csj.jp/member_site/23basic_abst/n …

一方で、このpdfファイルの最後のページを見て頂きたいのですが、このように電極表面に固定されたレドックス種の酸化還元で、ピークの真ん中の電位で固定し、ある一つレドックス種の分子に注目すると、上記のガス同士の反応のように、あるときは酸化状態であるけれども、あるときには還元状態にあるが、全体としては酸化種と還元種の数は変わらないという状態にあります。

一方でピークの右の電位で固定するとするとほぼ全てのレドックス種が酸化状態になりますが(もちろんこれも上記のガスの例と同じ定常状態です)、このとき還元反応も常に起きているのでしょうか?それとも全く還元反応は起きず、どの瞬間を見ても全てのレドックス種は酸化状態でいられるのでしょうか?

ここの部分をお聞きしたかったのですが・・・

お礼日時:2009/04/21 00:08

> ある電位で固定した状態では、定常状態となるため



定常状態にはなっていませんが.

> 逆の反応も起きているということをサイクリックボルタモグラムなどから読み取ることが出来るのでしょうか?

逆反応がないとしたときの計算上のボルタモグラムと比較することはできるでしょう.

> 反応のピークで電位を固定した場合だと、逆の反応も多量に起きていると思います

ピーク付近ではすでに逆反応速度定数はそれなりに遅くなっているので,上記の差がわかるかどうかは微妙でしょう (計算してみていないので,断言はできませんが)

> 反応が完全に終わるような電位

ピークを大きく通り越した電位ということですかね?
そういう電位では逆反応の速度定数は無視できるくらいに小さくなっているので,逆反応は無視できます.

いずれにしても,CVを取っているような場合,定常状態になっている状況はありませんので,定常云々の議論と関連づけることは無意味です.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

・定常状態になっていないというのはどういう意味なのでしょうか?
確かに電位を固定した状態であっても徐々に反応が進行していくものもありますが、そういったものを除けば定常状態と言えるのではないのでしょうか?

・逆反応がないとしたときのボルタモグラムの計算というのはどのようにするのでしょうか?
出来れば解説してある書籍で構いませんので教えて下さい。

・それと私がお聞きしたかったのは、反応が起きるピークの卑電位側では
順反応の速度定数が10なのに対し、逆反応の速度定数が1000とすると、
反応が起きるピークの貴電位側では、
順反応の速度定数が100000なのに対し、逆反応の速度定数が1000になるのか、
順反応の速度定数が1000なのに対し、逆反応の速度定数が10になるのか、
ということをお聞きしたかったのですが。
ピークの貴電位側では逆反応の速度定数は無視出来るほど小さいことは分かりますが、
この量というのはピークの卑電位側のときと比べて、減少しているのか
ほとんど変わっていないのか、といったことを知りたいのです。

よろしくお願いいたします。

お礼日時:2009/04/20 11:55

ご質問内容が正しく理解できているか、自身がありません。

次の回答でご質問にあっていますか?

逆反応が起きているかどうかをカンタンに調べるには、マーキング試薬を使います。
多くは放射性同位体、希に同じような性質を示す他の元素を含む、ような試薬を、矢印の先側の方に加えるんです。
 M + X → MX
という反応を想定しているなら、MX’という試薬を加えて、Xの中にX’が混ざるかを調べます。

静的平衡になっているか、動的平衡になっているかをカンタンに調べる方法のひとつです。
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>> このように極めて短い時間スケールでは逆の反応も起きているということをサイクリックボルタモグラムなどから読み取ることが出来るのでしょうか?



この「短い時間スケール」とは、量子論的なアプローチを行えるような短さを指していますか? 通常の常識内での時間(1秒の100分の1とか1000分の1)を指していますか?
アボガドロ数が 6.02 × 10の23乗 であることから、上記の化学反応の正方向、逆方向を粒子ごとに見分けるための時間は想像できるかと思いますが、その規模の観測ができるなら、できる、できないなら、できない という回答になるかと。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4891280.html

ここでも似たような質問をさせて頂いているのですが、
反応を川に見立てると、定常状態とは水の量も速さも変わらない状態にあるわけですが、どれくらいの速さで川が流れているか(反応が起きているか)、或いは全く川が流れていないのか(反応が起きていないのか)を調べる手法はないのでしょうか?

もちろん順方向と逆方向の反応が区別出来るほどのタイムスケールは量子的な時間スケールになることは分かりますが、例えば、短い時間であっても川が流れているのか止まっているのかぐらいは見分けがつく方法はあるのではないでしょうか?

お礼日時:2009/04/19 13:33

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