今朝ふと思った疑問が二つあります。恥ずかしながら、幼稚な質問ですが・・・
(1)なぜ植物は緑色が多いのでしょうか?
葉緑素(クロロフィル)が緑色だから、というのはナシで。疑問に思うのは、なぜ植物たちはこぞって緑色を選んだのかという事です。
緑色をしているということは、その周波数領域は捨てているということですよね。
その緑色は、葉緑素が光合成に使えなかった領域だそうで。
効率を高めたいなら、私たちには黒く見えるような構造になるはずでは?
進化の過程で色々試してみた結果、クロロフィルが一番効率が良かったということでしょうか・・・
それとも、エネルギー効率以外の理由?
(2)もし太陽が白くなかったら?
もし太陽光の周波数が偏っていたら(赤とか)、植物たちは葉緑素以外を選んだのでしょうか?
工学部なので、生物に関しては全くの無知です。詳しい方、どうかご教示ください!
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>(1)なぜ植物は緑色が多いのでしょうか?
クロロフィルという物質は、1種類ではなくいくつかの種類があります。「緑色植物」の場合は、「クロロフィルa」「クロロフィルb」を持っていて、この2種はどちらも赤と青の波長を吸収します。従って、その「残りカス」を混ぜた色である緑色がわれわれの目に見えることとなります。
クロロフィルには、ほかにクロロフィルc(茶色)、クロロフィルd(赤色)が知られていますが(実際は他にもあります)、クロロフィルcはコンブなどの海藻、クロロフィルdはシアノバクテリアに含まれています。
植物が進化の過程で海から陸に上がる時、上陸に成功したのがクロロフィルaとbを持った植物でしたので、現在の陸上植物はすべて緑色をしているわけです。
>(2)もし太陽が白くなかったら?
進化というのはあらゆる可能性がありますので一概には言えませんが、その可能性はもちろんあります。太陽の色に関わらず、前述の上陸に成功した植物が褐藻類だったら茶色い植物だったかもしれませんし、別の色のクロロフィルがあったかもしれません。いろいろな可能性があります。
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
知りませんでした。クロロフィルにも色んな種類があるんですね。
>上陸に成功したのがクロロフィルaとbを持った植物
なるほど!これで合点がいきました。
まさか専門家の方にお答えいただけるとは。何だか生物を勉強したくなりました。
ありがとうございます。
No.7
- 回答日時:
(1)多くのみなさんから妥当な説明がなされているので、補足のつもりで別の観点から説明します。
「歴史的な理由」という考え方も重要です。たとえば赤信号で止まるのは、昔、誰かがそのように決めたからです。もしも、そのとき緑で止まるように決まっていたら、
今のみんなは緑で止まっていたことでしょう。このように昔のできごとの影響で今が規定されているということがあります。
陸上に進化できたのは、多様な藻類のうちクロロフィルaとbを持った緑色植物のグループです。コレオケーテやシャジクモの親戚が陸上に進出できたので、
そのまま緑色をしているという経緯も大きな要素です。
たしかに光合成でエネルギーを手に入れることは重要なことなので、色自体に意味があるのですが、
それだけでなく、生物は系統をもつものであるという点も見逃すわけにはいかないでしょう。
(2)生物が意思をもって進化しているわけではないので、擬人的な表現を除いてnacn_fireさんの質問を書き換えると、「もしも太陽が別の色だったら、
ランダムに起きる突然変異のうちから、その色の光を効率よく吸収するような植物が生き残っていたでしょうか」ということになります。
こういう仕組みがあるということは合理的に説明できますが、それが実現したかどうかとなると、かなり曖昧な答えしかできないでしょう。
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
歴史的な経緯ですか。面白いですね。やはり個々の「系統」の持つ形質は、進化によって変えることのできるレベルよりもさらに深いものなのでしょうか。いきなり違う種類のクロロフィルを持つようになったり。
思えば私も、金曜日はカレーというのを親に教えられて、未だにその習慣が抜けません。
ごめんなさい、擬人法は癖です。「この周波数でこのキャパシタが踏んばる」とかをレポートに書いてしまい、よく怒られます。気を付けます。
やはり進化というのは、ある程度の方向はあるものの、確率的なものなのでしょうか。
皆さんの回答を読んで、"evolution"を「進化」と訳すよりは「変化」とか「多様化」と訳す方がシックリくるような気がしてきました。
No.6
- 回答日時:
N04の回答者Tacosanのご意見にコメント。
(誤解をさけるために)>太陽くらいの大きさだと, 一番強いのは緑色付近になります (ただしほかの色も混ざるので, 緑色に見える主系列星はありません). で,
緑色付近の光は「強すぎる」
太陽光のスペクトルで「光強度」対「波長」のグラフで550 nm(緑)あたりにピークがあります。しかし、これはこの波長の光のエネルギー強度であって、光が光量子として太陽からやってくるので(E=hv)、その波長の光量子の数強度を求めるためには「エネルギー強度」のスペクトラムのグラフをhvで割った変換を必要とします。短波長の光量子のほうがエネルギー(hv)が大きいので、短波長側の光量子個数密度はおさえられます。したがって、太陽光のスペクトルの「光量子個数密度スペクトラム」のピークは長波長側にずれます。したがって、緑ではなく、黄・赤あたりに「光量子個数密度スペクトラム」のピークがきます。だから、われわれの眼には太陽は緑ではなく、黄色に見えるのです。目の中の網膜も光量子吸収による変化によって光を信号に変えています。
植物の葉の中での化学反応は電子の励起で起こるので、光量子エネルギー(hv)というかたちで光合成に参加しています。
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
http://rredc.nrel.gov/solar/spectra/
のデータで、波長 対 光量子の個数でプロットしてみたところ、確かにピークが長波長の方にシフトしました。
「だから、われわれの眼には~」というのには、いたく感激しました。おもしろ!思わず友達に話してしまいました。
早く量子力学を勉強したいです。
光で電子の励起って、半導体みたいですね。植物ってやたら高性能な太陽電池みたい。
世の中には不思議がいっぱいですね。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
太陽くらいの大きさだと, 一番強いのは緑色付近になります (ただしほかの色も混ざるので, 緑色に見える主系列星はありません). で,
緑色付近の光は「強すぎる」(光合成をするとどうしても活性酸素が出ちゃうんだけど, その被害が強すぎるとかそんな感じかな?) ということで, むしろもっと弱い赤とか青とかを光合成に使うようになった
という説を聞いたことがあります.
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
てっきりエネルギーは不足していて、何とか効率を高めようと努力しているのかと思っていましたが、そうでもないんですね。
強すぎるというのは、例えが大雑把ですが、日焼けのようなものでしょうか。
No.2
- 回答日時:
自然選択説に従えば(自然選択説自体が議論の対象にもなっていますが)、植物が緑色を選んだ、のではなく、緑色の個体が、他の個体よりも生存に有利だったために淘汰されて緑色が残った、という解釈になるかと思います。
ただ、光合成のプロセス自体がいまだ未解明のため(光を受けてからエネルギーを生成するまでの時間が極端に短く、その間の反応式が立てられていない)、なぜそれが緑色だったのか、他の色の触媒が存在したかどうか、すらわかりません。紅葉で現われるキサントフィルやカロテノイド系ではどうかは勉強不足でスミマセンがわかりません。
ただ、生物が光合成を開始したのは、生物の陸上進出よりはるかに前の話で、海洋微生物の段階からです。
とすると、陸上の植物が緑色であったというよりは、それ以前の海洋微生物の段階で選択があり、緑色のものが残り、それから進化して陸上化した植物も緑色だった、と考えることもできるかもしれません。
明快な解答にはなりませんが、参考になれば
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
そうでしたそうでした。自然選択説というのを、教養科目で習った覚えがあります。生物って敢えて多様化することで、洗練化したり破局に備えたりするんですね。こういうのを聞くと、生物の本質はもしかして遺伝子を洗練化されるための実験室であり、情報を伝達する記憶媒体の一種なのではないか、という気がしてきます。
閑話休題。
Wikipediaで光合成を調べてみました。
ものすごく複雑ですね。化学が大嫌いな私には、さっぱり分かりません。精進します。
>生物が光合成を開始したのは、生物の陸上進出よりはるかに前の話
そうなんですか。。。
こんなに精緻なシステムを獲得するなんて、思わず「偉大なる知性」を信じてしまいそうになります。
そういう時にはスパゲッティモンスターでお口直しします。
ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
空気中で比較的吸収されやすい短波長成分ではなく、赤に近い側の色で光合成を行う方が効率的だったとか。
それとも短波長は葉っぱを透過してしまうからダメなのかな。
回答ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさい。
http://rredc.nrel.gov/solar/spectra/
に太陽光のスペクトルの詳細なデータがありました。
大気外では500nm付近にピークが立っているのですが、確かに大気を透過した後では特定の波長が抜け落ちていますね。大気の分子で特定の周波数の電磁波が散乱するからかな。
この考えは無かったので面白かったです。
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