No.2ベストアンサー
- 回答日時:
私の個人的偏見と思ってお読み下さい。
【グレングールド!・・・・・私も大好きです。有る意味別格です。比ぶ冪くも有りません!】
しかし、私にとって、この言葉で語るには、少々の試行錯誤の過程がありました。
私は、彼の人格には感心が殆どありません。聴こえてくる音楽のみにしか感心はないのです。その音楽が私の心をどの様に揺さ振ってくれるのかだけに関心があるのです。この単純とも思われる受動嗜好は、他のアーティストには当てはめられないのです。私の彼に対する感想感を正しくは表現出来ませんが、単純化して言えば、彼は、他のアーティストとは比べる意味を感じない独立した存在なのです。
非常に極端な言い表し方で言えば・・・例えば
(I)一概に比較は出来ないでしょうが、フリードリヒ・グルダのバッハは、バッハ、グルダのどちらの人間臭さも排除し、譜面情報以外の新たな要素を足しも引きもしない事に気を使った演奏と感じています。
別な言い方では、対比的にでは有りますが、原点/教科書/基本とでも申しておきましょう・
(II)グールドのバッハは、グールドの心の中のバッハと、グールドの感性とが共振し合い、他を寄せ付けない程の深層心理的幻影世界に到達した挙句の時空世界と申しましょう。
「グールドが演奏するバッハ」説明語付き名詞ではなく「グールドのバッハ」と言う固有名詞に、私はしています。
他のジャンル(ポピュラー系)に良く有る、この曲は誰々が演奏するのがスタンダードと決まっている様な扱いのジャンルとクラシックは違い、誰もが等しく平等に演奏する権利を有しているだけに、私としては、即効で陶酔に導いてくれるグールドは、効き目抜群ですが、副作用も大な取り扱い注意の薬。極端には麻薬の様にも思えるのです。
グールドに嵌り、グールドからしかバッハを見れなくなった時、今まで感じる事が出来た世界の中の何かを失うのではないかと・・・・・
と、言うような独断と偏見的見かたを持っておりますので、全面的に音楽に心を支配されたい時は、グールドに浸りたくなります。しかし、有る意味に於いての「音楽の原点回帰」的なものを感じたい時には、ややもするとグールドの表現が反って邪魔と感じ、他のピアニストを聴きたくなったり、更には私にとってのバッハの原点回帰の代表としてのグルダに食指が向かいます。
今回、対抗馬の様な位置付けでグルダの名前を出しましたが、これはあくまで私の中でグールドとは、対比的演奏と感じているだけの事で、世間一般が私と同じ意見かどうかは全く解りませんし知りません。
蛇足ですが、私が仲間入りさせて頂いているクラシックレコード鑑賞の集いでの仲間で、以前、グールドの話題が出た事がありましたが、実に興味深かったのは、色々な意味で音楽に造詣が深く普段の感性も高く一目も二目置く方の中に、以外にもグールドには全く無関心と言いますか興味も好意も無い!と、断言する方がチラホラ見られる事でした。その時は、話題の中心ではなかったので、それ以上、深い話にはなりませんでした。ちょうど良い機会ですので、次の回、五月例会の二次会でこの話題を出してみようかなどと思ったりしています(笑)!
No.4
- 回答日時:
彼の奏でるバッハは私も好きです。
論者によると本人もある程度意識して奇をてらった演奏をしているのではないか、ともいわれたりしますが、私はそれを感じたことはありません。心の感興の赴くまま演奏する人だと感じます。ある意味かつてのパデレフスキーとかパハマン等に近いのかもしれません。異なる点は、彼が近代のピアノ教育を受けてきたこと。現代の聴衆がレコード、CD等によりある意味耳が肥えたせいもあり、19世紀のピアニストのような穴だらけの演奏は受け入れられなくなった。といったところだと思います。彼は、作曲家の伝道師のように演奏をするのではなく、自分の感興を楽曲によりかき立て、かき立てられた感興をその楽曲により表現しようとします。そして、当該楽曲は優れているものである必要性がありました。なぜなら彼は優秀なピアニストだったからです。また、楽曲にはある程度の柔軟性も必要でした。その意味で「バッハ」の楽曲は彼にとっておあつらえ向きの素材であったのだろうと思います。
この楽曲の「素材」性というものを彼がその演奏等により露わにしてきたところこそが賛否両論の巻き起こる余地となって来ました。彼にとって作曲家もその作品も「素材」である。という様に誰しもが思えるところが彼の最大の特徴です。
必然的に彼の出現はバッハと共にありましたが、やがてモーツァルト、ベートーベン等にも食指を伸ばし、これらの頑固な古典をも彼はことごとく「素材」と化し、自らの感興をそこに表現することに成功しました。一般的に誤解があるのは確かにグールドには極度に知的な面はありますが、決して無機的ではないということです。グールドの感興は時にリリカルで、時に沈痛で、時に劇的です。そしてそれらはグールド自身の演奏により、楽曲の性質を問うことなく鮮烈に表現されてきれました。それを可能にしたのはグールドの卓越したテクニックに他なりません。
グールドの演奏を聴くことは、演奏にフィードバックされた彼の感興を聴く者の心に鮮烈に送り届けること以外のものではなく、それゆえ、彼の演奏は我々の心を強く打つのだと思います。
No.1
- 回答日時:
質問以外で、意見を求めるのは、ここでは規約違反になります。
アンケートカテゴリーの方が適切かと。
もし、質問とするならカテゴリーも「クラシック」の方が。。。
と固い話はさておき、私の場合(ベタですが)やはりゴルドベルクに止めを刺しますね。(81年の方)
最後のアリアで、いつも「うっ」って涙腺が緩みます。
正直言って、よく議論の的となるその生き方や性格については、別にどうとも感じないですが、同様に、やり玉に挙げられる演奏姿勢(文字通り「姿勢」も含む)については、あの弾き方だからこそ、あの表現が可能なのだろうと門外漢ながら思います。
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