日本の戦後民主主義は、反ナショナリズムを大きく掲げていたと聞きます。
そのことは、私自身が実体験として、その通りだろう、と納得出来ます。
私は、日本という国がそれ程好きではないのですが、日本語や
日本の伝統文化に拘る時点で、どちらかと言うとナショナリストに近いと思います。
しかし一方で、反ナショナリズムの勢力もなければ困る、と思うのです。
ナショナリズムにも悪しき面があるのは自明のことですから、それを常に
監視・抑止する力が必要だからです。
本題に入ると、私が見たところ、日本の反ナショナリストの大方が、殆ど理解しがたい
「ダブル・スタンダード」を持っているように思えるのです。
つまり、戦前・戦中・戦後のナショナリズムを、(殆ど無害に思えるかのようなもの
にさえ)何かにつけて批判する。
ところが、中国や南北朝鮮のナショナリズムには、目をつぶるどころか、
称揚している気配さえある、ということです。例えば、中国のチベット・ウイグルに対する
拡張主義は、日本の太平洋戦争後半の拡張主義と、殆ど同質のものに見えます。
もっと悪いかもしれません。
しかし、日本の反ナショナリズム勢力は、私の見るところ、これらには殆ど言及しません。
「ナショナリズム」の危険性を説くなら、どこの地域に興っているものでも、
普く批判(批評)の対象となるべくはずはずなのに、です。
もしそうしている人を見たら、その人の言説は、耳を傾けるに値するものだと
思いますが、日本には、なぜか殆ど見当たりません。
私には、日本の反ナショナリスト(の大半)が、真のナショナリズムの問題とは
殆ど無縁な、他国への阿諛から来る、単なる感情的な、もしくは他国の利益の
ために働く打算的な日本叩きにしか思えないのです。
反ナショナリストの方、そうでない方でも、ご意見聞かせてください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
どっちかに分類しろといわれればナショナリストなのか?というぐらいの人間です。
ご質問にはかなり共感を覚えます。例えば某大手新聞などはほとんどあなたがおっしゃるような論調ですね。
ここまでいっておいてなんですが、日本には純粋な反ナショナリストというのはほとんどいないのではないでしょうか。たいていの場合、なにかちがうポリシーを持っている人が「日本」や「アメリカ」を口撃(こうげき)する際に「反ナショナリズム」の理論を使っているだけなような気がするのです。
ですからあからさまに幼稚なナショナリズムを振りかざす国々は口撃対象ではないのでほっておく、ということです。
理論的にはダブルスタンダードではあるがそもそも中心的なポリシーは単に左翼的なものが変化したものがあるのでそんなことは彼ら自身にとって問題ではないのではないでしょうか。
ご意見、ありがとうございます。
>日本には純粋な反ナショナリストというのはほとんどいないのではないでしょうか
確かにそう結論せざるを得ないようですね。国民国家を解体して、
何か新しい共同体を作り出そうというような、ユートピア思想的な強烈な
運動家というのが見当たらず、それはそれで悲しい気がいたします。
私は、こういうの好きなんですが・・
>中心的なポリシーは単に左翼的なものが変化したものがあるのでそんなことは
>彼ら自身にとって問題ではないのではないでしょうか。
それは日本の思想界にとっても、情けないことですね。
No.4
- 回答日時:
「反ナショナリスト」って誰のことでしょう?
私が不勉強なのでしょうが、ナショナリズムにはっきり反対の立場を取っていたのは、昔「おお、インタナショナル~」と歌っていた共産主義者くらいじゃないでしょうか?彼らは事実上地上から絶滅しましたよね。
kequさんのおっしゃる「戦後民主主義」は、軍国主義や封建制度に反対していたのだと思います。軍国主義や封建制度を擁護しようとする人達は、自らの理論を「ナショナリズム」に結び付けて主張していたかもしれませんが、「戦後民主主義」の人達は、必ずしもナショナリズムに反対していたわけではないと思います。
私の理解では、「ナショナリズム」とは、自国の文化・伝統を重視し、自国の国益の擁護を図る考え方ですが、ここで注意しなければならないのは、何が守るべき「文化・伝統・国益」なのかは必ずしも自明でないということです。
たとえば「国益」にしても、これだけ国際化した社会においては、外国を援助して発展を助けてあげる方が日本の「国益」にかなうと考える人がいてもおかしくありません。
「文化・伝統」についてはもっと意見が分かれるでしょう。一方では天皇制に代表される日本の伝統文化を大切に思う人もいるでしょうが、他方では戦後の民主主義・平和主義こそ世界に誇るべき日本の文化だと考える人もいるはずです。
「ナショナリズムの危険性」は、ここのところを充分認識しないことにあります。私の見るところ、「ナショナリズム」を説く人達は、自分の考える「文化・伝統・国益」を自明・絶対のものとして、感情的な「ナショナリズム」に訴えようとしています。本来はまず「何が守るべき文化・伝統・国益なのか」をしっかり議論すべきはずなのに、その点については知らん顔で、反対する人に対しては、ただ「おまえは日本の文化・国益を軽視している。けしからん!」と非難しているように見えるのです。
そういう意味で「ナショナリズム」は、論理的混乱を招きやすい難しい言葉だと思います。kequさんのご質問に対する回答としては、的外れだったかもしれませんが、「ナショナリズム」をキーワードにしないで物事を考えた方が、問題の正確な理解ができるのではないかと思ったので、余計なことを書いてみました。
回答、有難うございます。
>「反ナショナリスト」って誰のことでしょう?
>彼らは事実上地上から絶滅しましたよね。
具体的に言いますと、社民党だとか日教組みたいなのです。私の母は
一年前まで教師をしておりましたが、日教組はまだまだ健在な感がありました。
>「戦後民主主義」の人達は、必ずしもナショナリズムに反対していたわけではないと思います。
えーと、「朝まで生テレビ」で何ヶ月か前に、この議題が採り上げられたんですよね。
その時、右派・左派の両派とも、戦後民主主義が反愛国・反ナショナリズム
であったことを認めていたので、私の実体験とも一致していたこともあって、
鵜呑みにしてしまいました。
確かに良く考えれば、旧社会党だって、何十年か前には、靖国問題などを
見ていると、ナショナリスティックな側面もあったようですね。先鋭化したのは
ごく最近ってことでしょうか。
>何が守るべき「文化・伝統・国益」なのかは必ずしも自明でないということです。
仰る通りだと思います。
>外国を援助して発展を助けてあげる方が日本の「国益」にかなうと考える人
>がいてもおかしくありません。
そういう人がいてもおかしくはないし、実際にいるようですが、例えば中国に対する
現在のODAのあり方なんていうものは、明らかに国益とは無縁の、
「売国奴」と言われても仕様のない状況と言えます。例えば、ODAというのは、
出す側にとって、恩を売ることが最大の目的の一つですね? ところが、
中国は、国民にそのことを殆ど伝えておらず、逆に、中国傘下にある国に
多額の援助を施し、恩を売っている次第です。さらに、未だ続く反日教育、
内政干渉、軍事費の増大、中国企業の擡頭による日本経済への圧迫等々、
さらに最近では「チャイナ・スクール」なる、”明らかに国益を無視した”
派閥があることも、暴露されましたね。ここにあるのは利権の問題であって、
それは自分さえ金を得られればそれでいい、って考えです。
脱線しますが、これについては、どうお考えでしょうか?
「日本の「国益」にかなうと”考える”」のと、実際に日本の国益にかなうかは
別問題でしょう。ある狂信的な宗教者が、人々を殺してあげれば救済されると
”考えて”殺す。しかし、本当に人々はそれで救済されるか、といえば、怪しい
ですね。「考える」だけでは、単なる独り善がりであって、結果がついていかなければ、
仕様がないと思いますが。
>「ナショナリズム」を説く人達は、自分の考える「文化・伝統・国益」を自明・絶対
>のものとして、感情的な「ナショナリズム」に訴えようとしています。
確かにその傾向はありますね。例えば女性問題です。女性が男を立てでしゃばらない、
といった女性観は、加藤周一がいみじくも指摘しているように、明治以後、江戸の
武士階級の倫理観が国民に広がったものであり、たかだか150年足らずの慣習であって、
「日本古来の伝統」と呼べるものでは決してありません。それなのに、家父長制を
「日本の伝統だから」といって復活させようと言う馬鹿な輩がいるのは事実です。
しかし、私の見るところでは、これだけで、「ナショナリズムを説く人達」を語れない
と思います。
>本来はまず「何が守るべき文化・伝統・国益なのか」をしっかり議論すべきはずなのに、
>その点については知らん顔で、反対する人に対しては、ただ「おまえは日本の
>文化・国益を軽視している。けしからん!」と非難しているように見えるのです。
それもある部分では事実ですね。ただ日本的だというだけで、盲目的に
自国の古い文化を讃美したりする連中には、怒りを覚えます。私は
美術史を専攻していましたが、某掲示板などを見ていると、「浮世絵は西洋絵画
に影響を与えた!」「西洋が19世紀にやっと克服できた美術観を、日本は
すでに昔にやっている!」「日本が一番!」といった意味不明の書き込みが
おおく、うんざりします。
それと、「大和魂」、「武士道」の類ですね。一部の人間は、これらをやたら讃美
しますが、戦前の「大和魂」なんて、本居宣長が定義したものを全く逸脱した
理解しがたいものであるし、武士道なんて、よく読めば、あれはオウムの教条
です。
しかし、同様のことは、反ナショナリストにも言えるかと。「何が克服すべき伝統・
慣習・体制なのか」、それに対しては無関心な方が多く、ただ戦前の価値観を否定し、
「愛国的」なるものを抹消している人たちです。
No.2
- 回答日時:
私の見る限りは、おおむね反ナショナリストがダブルスタンダードという
事はないと思います。「中国のチベット・ウイグルに対する拡張主義」を
例に挙げておられますが、これを称揚しているという実例も実際見た事が
ありません。ただし日本国内の日本人であれば、外国批判よりも身近な日
本に対する批判の方が大きくなるのは当然で(自分に甘く人には厳しい、
という人は別ですが)、そのためその様に見えるのではないでしょうか。
逆にナショナリストの「ダブル・スタンダード」の方が目に付くようにも
思います。例えば歴史教科書を巡る議論で、中国や韓国の抗議は内政干渉
だ、と言いながら、自らはさかんに中国韓国の教科書を批判してみたり。
反ナショナリストの国際連携はあり得ますが(実際に多数ありますね)、ナシ
ョナリスト同士の連携というのはほとんど無いという事実も、多くのナショ
ナリストが利己的な自国中心主義に陥っているためではないでしょうか。
ご意見有難うございます。私は、自分の都合の良い意見だけ聞いて、
反対意見には目を貸さないということは出来るだけ避けるべきことと思っていますので、
反対意見大歓迎です。しかし、残念ながらあなたのご意見には「?」だらけと
言わざるを得ません。
>「中国のチベット・ウイグルに対する拡張主義」を 例に挙げておられますが、
>これを称揚しているという実例も実際見た事がありません。
一例を挙げましょう。
>マレーシア民主行動党の代表が「チベットは歴史的に独立国家であり、
>中国の不法占領を非難する」という記述を削除する動議を提出し、日本の
>社民党もそれに同調する行動を行った。(中略) 日本の社民党は「中国
>共産党との友好関係」などから、チベット独立反対の意思を明確にしていたが(後略)
http://member.nifty.ne.jp/~demsoc/DS/0112.html
称揚とはいかないまでも、日本のマスコミがチベット問題を積極的に黙殺
している、ということは誰の目にも明らかなことです。チベットでは、少なくとも
数十万、チベット政府の発表によれば120万の人々が、中国政府に殺された
ということです。重要なのは、その体制が今日まで続いている、ということです。
これは公平なマス・メディアであれば、本来、毎週報じられてもくらいの
ミロシェビッチ級の大変な問題でしょう。
ところが、私は幾つかの新聞やテレビをチェックしていますが、殆ど報じられる
ことはありません。そのことを感じているのは私だけではありません。
試しに Google で「チベット 中国 マスコミ」という中立的なキーワードで
検索してみてください。無数にそういった記述のあるサイトが出てきますから。
幾つかのマス・メディアは、毎日のように日本のナショナリズム擡頭の批判をしています。
真にナショナリズムを批判する立場なら、前述の事態を考えて、中国の
ナショナリズムの批判を週に一度ぐらいはするはずでしょう? ところが、
朝日新聞を始めとして、週に一度どころか、月に一度も見ないのです。
>例えば歴史教科書を巡る議論で、中国や韓国の抗議は内政干渉だ、
>と言いながら、自らはさかんに中国韓国の教科書を批判してみたり。
えーと・・・・・内政干渉というのはですね、ある主権国家の政府に対して、
他の国家の政府が事態に介入したり、圧力をかけた場合を言うんですよ・・
だから、ある外国の市民団体が、他国の政策に抗議をしたところで、
それは「内政干渉」とは言わないと思います。
実際、中国と特に韓国は、”政府を通じて”圧力をかけてきたわけですね。
↓”ご自分の目で”確かめてください。
http://www.jtu-net.or.jp/library/zissen/kk/kk05/ …
さて、では「つくる会」は日本政府を使って、中国・南北朝鮮の教科書
を是正するよう、抗議しましたか? ちなみに、私は「つくる会」の支持者
ではありせん。「新しい歴史教科書」も読みましたが、疑問点を
数多抱いている次第です。
>ナショナリスト同士の連携というのはほとんど無いという事実も、多くのナショ
>ナリストが利己的な自国中心主義に陥っているためではないでしょうか。
ナショナリズムは民族・国家を基盤とする運動であり、国家の解体へと
進もうとする反ナショナリズムの方が、国際的連携があるのは、自明と
言うか・・・・ そもそもそういう運動なのですからね・・・
「ナショナリスト同士の連携というのはほとんど無いという事実」と言いますが、
これは事実誤認です。古くはアメリカ独立戦争におけるフランス義勇軍、
近年ではソビエト時代のロシアに対する、リトアニア・ラトビア・エストニア等の連携。
また、日本の所謂右派勢力は、台湾のかつての国民党と仲が良かったそうですよ?
国民党は言うまでもなく、台湾独立を政策方針とした(今は違うようですが)
ナショナリスティックな党だったっそうです。
それと、本題である、所謂左派勢力の方が、中国や南北朝鮮のナショナリズム
対して、どうお考えになっているのかも、聞かせてください。
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