プロが教えるわが家の防犯対策術!

農林水産業などのように地理的条件が大きく影響する分野は別にして、それ以外の産業の競争力は国ごとにかなり差があります。

日本では国際競争力が強い産業は自動車&部品、ロボット、工作機械、環境保護&省資源、化学、飲食品、小売などです。1980年代に栄華を誇ったIC産業も高付加価値のMPU、DSP、ASICはアメリカ企業に、DRAMやフラッシュ・メモリは韓国や台湾の企業に比較優位を奪われて、生き残りが困難になっている。生活用電気製品は国内市場は慣習で日本メーカーのシェアが優位だが、国際的には開発途上工業国にシェアを奪われている。自動車の優位も動力源がガソリンを燃焼させるエンジンから電気に代わったら今の優位を維持できる保証はない。

アメリカでは国際競争力が強い産業はIT、IC、通信機器、バイオテクノロジー、医薬品、化学、航空宇宙&軍事、鉱物資源、飲食品、小売などです。かつてはアメリカの製造業の基幹産業であり象徴的存在だった自動車&部品も、今の経営規模では存続が困難になっている。

EUでは国際競争力が強い産業は自動車&部品、通信機器、医薬品、化学、環境保護&省資源、航空宇宙&軍事、鉱物資源、飲食品などです。

政府が特定の産業を国際競争力が強い産業にしようとして、育成政策を行った結果として国際競争力が強くなった産業(例えば、日本の昔の自動車やICや生活用電気製品、アメリカの航空宇宙&軍事、アメリカの昔のITやバイオ、日本やEUの環境保護&省資源など。)、政府が特に育成政策をしたわけではないが結果的に国際競争力が強くなった産業(アメリカの昔の自動車、アメリカの今のITやバイオ、アメリカや日本の飲食品や小売、日本のロボットや工作機械など。)、政府が育成政策を行ったが国際競争力が強くなれなかった産業(日本のITや通信機器や鉱物資源、中国の環境保護や省資源など。)など、千差万別です。

このような産業の国際競争力の国による違いをもたらす原因として、政府の産業育成政策以外に何が影響しているのでしょうか。国の文化、宗教、国民性、教育制度などの違いが考えられますが、何が原因(一つではなく複数の原因が重なっている可能性もある)なんでしょうか。

A 回答 (2件)

回答いたします。



最後にお書きになっているように、単一の原因に拠るものではなく、複合的な理由からそうなっているのだと思います。

例えば、日本の自動車産業の場合には、過去に造船・航空産業が存在し、その基盤を活用できたから、現在のような発展が見られたのだと思います。電気関連に関しては、均質な教育と均質な質を追い求める日本の場合には、確かにDRAMなどの分野で先攻できましたが、MPUやソフトウェアの分野での人材育成などに重点を置けなかったことが原因の一つとされています。

それに対して、欧米の場合には「サービス」を産業化することに成功したため、その分野では優位に立ったのだろうと思います。

なお、米国の場合には、自動車の場合には、市場が生まれて、その市場で鍛え抜かれたからでもありますし、造船・航空宇宙産業という基盤があって、その上に自動車産業を構築できたからともいえます。

つまり、国際競争力というのは、基盤があって成り立つ産業であり、その基盤をどこに置くのか?という観点が重要であろうと思います。

今後は、強い分野をより強く、弱い分野には下支えし、ゼロサムゲームの破綻を招かないように、戦略的な行動計画や教育計画を実施するべきでしょう。最悪の場合には、弱い分野を切り捨てるということがないようにするためにも・・・。

国家は人なりですよ。

では。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

お礼日時:2009/05/11 18:18

政府の産業育成政策はほとんど価値がありません。


物が売れるには、売れるマーケットがあることが大前提です。
だから、マーケットがあれば売れます。
マーケットの存在を左右するものとして、景気(消費者マインド)、政府による規制(関税、許認可など)があげられます。
消費者マインドは非常に重要で、今不景気なのも、結局消費者がお金を使わない方が良いのでは?と言う気分が強いために起きています。
この消費者マインド活性化させるためにどの国でもいろいろな手を打っています。
つまり、内需です。
内需が大きい国が国際競争力が強くなります。
なぜなら、内需が強くないとその技術が発達しないからです。
どんな国でも、外需を最初から目的とした技術開発を行っている基幹産業はありません。ベースでしっかり売上げをつくり、その後外需に目を向けます。
ということで、今中国が強いのも、人口が多く、内需拡大が容易だからです。
アメリカが強いのも3億人という人口がマーケットを形成しているからです。
日本が強かったのも、国土に似合わぬ人口と所得を得ていたからです。
内需拡大できない国は、成長できません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

お礼日時:2009/05/11 18:21

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!