問題
買主が,売主以外の第三者の所有物であることを知りつつ売買契約を締結し,売主が売却した当該目的物の所有権を取得して買主に移転することができない場合には,買主は売買契約の解除はできるが,損害賠償請求はできない。
解答は○(つまり解除はできるが損害賠償請求はできない)なんですが、
もし売主(以後B)が無権代理人だったら、悪意の買主(以後C)に「解除権」は無いですよね。
この違いはどこから来るものですか?
いずれの場合も、Cがもし悪意であれば、目的物が手に入らないことも想定しうるわけですし。。。
他人物売買と無権代理には
「第三者(以後A)に売買意思があるかどうか」
「CがAと契約する(他人物売買)のかCがBと契約する(無権代理)のか」
「Bが自己売買を装うか代理人を装うか」
思いついたのは以上の三点ですが、一体どこら辺が「他人物売買」と「無権代理」の違いなんでしょうか。
ご存知の方、教えてください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
無権代理における相手方の取消制度と、他人物売買における売主の解除権の性質の違いによるものであると考えます。
無権代理人の相手方の取消制度(民法115条)は、無権代理の相手方は不安定な地位におかれるため、代理権のないことを知らなかった相手方を保護するための規定です。よって、代理権がないことについて悪意である場合は、保護する必要がなく、取消すことはできません。
それに対し、他人物売買の561条の売主の責任は、債権契約を有効と(560条)した上で後発的不能(契約締結前から不能であったのではなく、契約締結後に履行不能になった)に対する担保責任であるから買主が悪意であっても解除することができます。
ただ、561条による損害賠償については、売主が無過失責任を負うこととの均衡から、信頼利益(契約が有効であることを信頼したことにより受けた損害)の範囲に限られます。よって、買主が悪意の場合、契約が有効であることを信頼したとはいえないので損害賠償は認められません。
No.4
- 回答日時:
#2です。
>この場合の他人物売買と無権代理の違いは、「顕名の事実」つまり代理権の表示非表示でしょうか。
代理権発生の要件は、何個かの要件が存在することはご承知のことと思います。
この要件のうち、一つでも欠くようなことがあれば、無権代理の前提となる代理権すら生じる余地が学習上ではありません。
従いまして問題文においては、要件である顕名を筆頭に代理権授与についても触れられておりませんので、代理権を使い回答を導くには無理があると思われます。
なお、BとCの会話につきましては、実際の取引で起こり得ることですが、この場合は様々な条件を考慮して判定していくことになるでしょう。
例えば商事代理であれば、顕名は省略可能であったりすることです。
実務レベルにおいては提訴が受理されるかというところで、様々な条件にて争点を明確にしていきますが、試験問題においては与えられた条件に従い論点(今回であれば他人物売買)を見定め、回答を導くことが合格に近づくのではないでしょうか。
No.2
- 回答日時:
問題文には顕名の事実がありませんので、代理を当てはめることは難しいかと思われます。
この回答への補足
B「この時計いかがですか?安くしときますよ」
C「(これはBの持ち物じゃないな)あなたの持ち物ですか?」
B「私が責任を持ってお譲りいたします」
C「(安いし、買うか)購入します」
B「それでは後ほどお届けにうかがいますね」
この場合の他人物売買と無権代理の違いは、「顕名の事実」つまり代理権の表示非表示でしょうか。
単なる他人物売買に比べ、無権代理は一応顕名があるという点で、Cにとって落ち度が低いように感じます。
ですが、他人物売買のほうが若干保護が厚いような気がします。
解除
・他人物売買○
・無権代理は(追認前)善意なら
損害賠償請求
・他人物売買 善意なら
・無権代理は 善意無過失なら
No.1
- 回答日時:
民法第561条の適用だと思います。
>「CがAと契約する(他人物売買)のかCがBと契約する(無権代理)のか」
CがAと契約するのであれば、Bは単に「仲介」ということになると思います。
CがBと契約する場合、Bが無権代理(Aの代理権を有していない)なのかということが問題になりますが、設問の上で無権代理であればその旨提示されると思います。
したがって、BはAの代理権を有しているという前提で考えるのが正しいと思います。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 行政書士試験の民法についての質問になります。 留置権についての質問になります。 ①不動産がAからBと 3 2023/05/09 20:09
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 行政書士試験の民法についての質問になります。 解除についての質問になります。 問 Aが、その所有する 2 2023/07/18 17:33
- 法学 以下の民法の問題を教えて頂きたいです。 AとBは、A所有の甲土地をAがBに1億円で売る契約を締結し、 2 2023/07/17 13:41
- 相続・譲渡・売却 不動産売買による所有権移転登記手続きは、自分でできるのでしょうか。 3 2022/12/22 22:19
- 訴訟・裁判 民法について質問です。 売買契約で、売主が物を引き渡せなくなり履行不能になったら、買主は解除をしなく 2 2022/07/01 16:31
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 ★行政書士試験の民法についての質問になります。 代理での問題で分からない事があります。 問 建物を購 2 2023/05/18 22:06
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 売買契約とそれに付随する公正証書の記載について 2 2023/08/23 14:30
- 宅地建物取引主任者(宅建) この問題が分からないので教えていただきたいです。 Aはその所有する甲土地および乙土地をBに売却し、両 2 2023/01/15 16:43
- 相続・譲渡・売却 【不動産】家の売買 不動産の契約について ややこしくてわかりません 詳しい方 9 2022/09/18 22:32
- 一戸建て 売主が不動産会社の中古戸建で、売主の重大な告知義務違反が発覚した場合、買主の損害賠償請求権は、受渡し 3 2023/08/06 05:15
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
ビルの名称変更に伴うテナント...
-
所有権留保の法的構成
-
荷物の運送契約
-
他人物売買や他人物賃貸借
-
留置権と第三者への譲渡の関係
-
土地を合筆するメリットについて
-
売主の債務不履行を理由に契約...
-
電卓検定1級の問題に仲立人の...
-
売渡証明書とはなんでしょうか...
-
土地の契約後、境界確定→地籍校...
-
宅建過去問で他人物売買と無権...
-
宅建業者が自ら買主となる契約...
-
誘導灯の蛍光管・・大家持ちか...
-
駐車場の貸借の仲介は宅建の資...
-
建設業における請負契約と常傭...
-
水道管埋設の地役権について
-
新車納車後の契約解除・「瑕疵...
-
代理と取次の違い
-
譲渡と売買違いってなんでしょうか
-
車の契約 販売員に嘘を言われた...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
おすすめ情報