No.3ベストアンサー
- 回答日時:
小中学生でも、社会で起こっているニュースについては、個人差はあるにしても、ある程度知っていると思うんです。
あなたのご質問を読んで、私が思ったのは、小中学校で美術教育がなくなるとすれば、彼らは、リアルな社会で起きている事件や問題だけしか知らずに生きていくことになるのだろうなと思いました。つまり私が言いたいのは、社会問題と美術は密接につながりあったものなのに、その中の美術を小中学校で教えないということは、社会問題を考える時、非常に偏ったものに陥ってしまうということではないか。美術は、それそのものだけを見ると、社会とは何の関係もないように思われているのかもしれませんが、私には美術はある意味で社会を写す鏡のように思うのです。知識だけでなく、実際に自分が美術を描く、作るという体験は、そのまま社会を考えることにもつながるのではないかと思います。で、私は小中学から美術教育をなくすということには大反対です。まるで人間の叡智が失われるみたいに怖い気持ちになります。美術教育は、単に美意識を養うばかりではなく、人間の能力の優れた一部分を理解する上で絶対に必要だと思います。で、私は個人的によく思うのですが、仕事として美術を考えた場合、お金を何かの事業で増やすことは、それも立派な人間の才覚だと思う一方、美術などは資本もなしに、人間の美意識という才覚だけで社会に貢献するものだと思うのです(もちろんその制作には非常な資金がかかるものもありますが、それは純粋に美術そのもの範疇ではありません)。美術は素晴らしい人間の資質です。しかもその影響力は、まさに資本経済につねに疑問を投げかけ、合理性や利便性(単純に利便を追求のみが目的の場合です。またプロダクトデザインのことを指しているのではありません)を越えて、美という文化(宗教などとは無関係に)として社会に貢献しています。多くの人がそれに気づいていないように思います。だから小中学生への美術教育に強い必要性を感じないのかもしれまん。
純粋な意味で、美術でお腹はふくれませんし、買い物もできません(この場合、美術作品が換金できるというシステムを作り上げた社会とは別に考えてください)。本来、美術はお金を生むためのものではなく、人間の心の栄養になるものです。美術を教えないということは、私には植物や空や山やあらゆる自然の美しさを教えないのと同じに思えます。私のような人間には、一本の花をあきることなく眺めつづけるような優れた美意識はありませんが、たとえばそれを紙やキャンバスや写真に写し取ろうとしている人を見ることは、心のやすらぎにつながります。美術は純粋に言って経済活動ではありません。しかし、人類の誕生以来、欠かすことのできなかった重要な能力です。小中学校でこれを教えないということは、この人間の素晴らしい能力を放棄するということだと私は思います。
ご回答、ありがとうございます。
確かに、美術と社会は密接につながりあっているものであるべきですよね。美しいものを美しいと認識できる感性が育たなければ、今まで先人たちが守ってきた美術や文化を簡単に壊してしまうことにもなりかねませんよね…
そんな世の中が来ないことを願ってやみません。
No.8
- 回答日時:
衣食足りて礼節を知る、ではないですが、まず実学ということで美術教育が後回しになるのはよくわかります。
けれども、ウン十数年生きてきて、芸術的な感動を知ることがいかに人生を豊かにするかということを実感しています。
大きく心を揺さぶられること、それは何もアート作品に限らず、音楽、文学、スポーツにおいてさえ共通するものです。
そういう意味で一番大切な教科とさえいえると思っています。
美術教育というと、すぐ表現者を育てることと思われがちですが、
むしろ、鑑賞する側の感性を育てること、こちらの方に大きい意味があるのでは?
ご回答、ありがとうございます。
私も、もし美術科目が学校教育からなくなったとして、その子供が大人になったときすごく可哀想だと思うのです。
美術は人間の暮らしや心を豊かにしてくれるもので、今は必要性に気づく人が少なくても、なくなった時に美術がもたらしてくれていた様々なことに気づくのではないか、と思います。
No.7
- 回答日時:
No4のhopepepepeです。
なんか堅いんですよねえ。みなさん。芸術に触れ、感性・想像力を磨くのは
べつにルールにのっとって誰かの順を追って教えてもらわないと
身に付かないってモンではないよな~っていうのが私の持論なんで。
薫陶みたいに影響されるってのはありますけど力込めて教える
ってのとはなんか違うかななんて思ったりします。
そもそもが「教育」なんだからお堅い理屈の理由がないと採用されにくい
っていうのが根本じゃないですかね。
だから学校で習う図画工作とか音楽が退屈でクソつまらないのでは
ないかなと思います。だったらハナから絵なんか描かさないで芸術家の
絵を見せたり画家の名前を覚えさせるだけでいいんじゃないかと思いま
すね。感想文かかせたりしてさ。
こんな考えも浮かびますね、美術教育を推奨してる人はお気楽で
まーいじゃないのって人が多くて次第にお味噌カスみたいな扱いに
なったとか。
その道の第一人者がぬるくて権力闘争に負けるっていうのは
よくある話ですよ。そもそも絵でも描いて生きていこうなんて
考えを持ってる人は争いごとは嫌いですし、そういうのに関わりあう
を結構嫌ったりしますしね。
学校教育でよその子みたいな扱いだからまーどうしたのよ、そのかわり
グダグダ文句いわれなくて好きなようにカリキュラム組めて自由度
が高くていいなーぐらいに思っておけばいいんじゃないですかね。
それとあんまりにも理由だとか意味に捉われすぎてるのではないかな
と思います。現代人の特徴じゃないかな。
数少ないなんとなく好きとかなんとなく嫌いで語れる教科なのに
クリアーにしちゃったらなんか興醒めするなぁという印象です。
意味がなきゃいけねーのかなーとまず私は感じましたけどね
この質問の第一印象は。
ちょっといらぬおせっかいじみた返答かな・・・。反省しよ。
おせっかいだなんて、とんでもないです。ありがとうございます。
授業のつまらなさ、というのは確かに問題ですよね。ましてやそのつまらない学校教育が原因で絵を描くことが逆にコンプレックスになってしまったら大問題です。
私も絵を描く技術云々よりも、美しい絵を見せたりすることで感性が育つような授業を望みます。
意味を求めること自体、おかしいのでしょうか。「意味はない」と見なされて美術科目が学校教育から消えてゆくなら、自信を持って「意味はある」と反論するための要素ってなんだろう?と思ったところが、この質問のきっかけです。
No.6
- 回答日時:
わたしは大学で美術教育を専攻し、まさに質問者さんと同じ疑問を卒論にしました。
先の回答者さんの意見と重なる部分は省くとして、他の教育との大きな違いは、「自己表現の教科」というところでしょう。
同じ実技教科(体育・音楽など)も表現の側面はありますが、とかく技術面の評価が大きいです。もちろん、美術も一定の表現技術を教える教科ですが、その作品は個人の感性によるところが大きく、技術が高い=よい作品とは評価できない、しないところが他教科と異なる点です。
体育は、主に記録が評価対象であり、ダンスなど表現は一部です。音楽も演奏や歌唱が主であり、そこには明確な判断基準があります。しかし美術は、評価項目があってもそれを評価する教師の主観(好み)によるところが大きいです。言い換えれば、どの作品も最高の評価になりうるわけです。
学校現場では、写実的な絵が高評価を得がちですが、それは「写実=いい絵」という短絡的な発想の大人のものさしです。
わたしは、どの子の個性も認め、「作品に好き嫌いはあっても、いい、悪いはない」が口癖です。本来、誰もが認められる、誰もが点数化されない唯一の教科なのです。
優劣をつけるのが社会・学校ですが、そんな優劣のない自己表現で楽しめる教科があることで、子どもの心が豊かになるのです。正解を見つけることだけが教育ではありません。情操教育も立派な教育の一つです。
No.5
- 回答日時:
小学校/中学校での美術教育を通じて、生徒自身が自分の
中での良し悪しについて、まっすぐに眼を向ける力を養う
ことができると考えます。
子ども達が成長していく上で、自ら判断することの重要性が
叫ばれて久しいですね。が、そうするうえでの判断基準には
2通りあるように思います。ひとつは主観的な判断基準です。
自分が何かを好きなのであれば、それは理由なしに好きなのです。
もう一つは、社会的な判断を踏まえた判断です。
人間はこの2つの判断の間で揺れ動きながら生きていくように
思いますが、主観的な判断については自分で育てていかなければ
ならないのが現状です。結果として、極めて偏った判断に固執し、
社会的に問題を抱える人々も出てきているように思います。
主観的な判断とはいえ、制作や作品を通じて他者と交わること
で、自分の判断を客観的に見つめ直すことができる。これは、美術
教育にしかできない側面だと思います。また、主観的な判断なのに、
自分以外に共感してくれる人がいることを知ることは、育っていく
上でとても勇気づけられることのように思います。
ですから、私自身は美術教育はその特異性から言ってもとても
重要なものだと考えています。しかし、他の教科とは全く違って
悪く言えば「手間」がかかるようにとられすぎているのが現状なの
ではないでしょうか。また、他の教科にもまして専門性の高い教師が
必要となることも問題を助長しているように思います。
ご回答、ありがとうございます。
絵を描く者は、感性を研ぎ澄ませて対象に向き合い、同時に想像力を働かせて、自分の思想や心情を形にしますよね(自主的な判断)。それを人と共感しようとする(社会的な判断)のが人間のサガでもあって、絵を描くことは最も人間的な欲求だと私は思います。
確かに、美術は人間形成のうえで重要な役割を果たしているように感じます。
No.4
- 回答日時:
美術や音楽などは学習指導要綱によると情操教育の一環として採用しているそうです。
つまり、一つのことに打ち込んだり、考えたりする姿勢や心構えや
お行儀よくふるまえるよう自分を律したりするなどの躾けや一般教養と
しての性格が強いようです。
その点からふまえるといらないっちゃいらないし、いるといえばいる
しまあどっちでもいいというものじゃないですかね。
社会に出るときに必ずいるものかといわれたら・・・・さあね?というモンでしょう。9年間音楽習いますけど結局楽譜をちゃんと読める人って
そんなにいないと思いますし、事実私は高校に行ってギターとピアノ
を独学でやるまで楽譜は読めなかったし、楽器も演奏できませんでしたね。
絵の技術だってそうです。透視図は習いますけど目測で描いたり陰影や
ピントつかったパースなんかは中学ぐらいでは到底無理ですしね。
小学校の図画工作なんて先生とかまるっきり絵心ない人とか見る目のない
先生とかゴロゴロいるでしょ。
あなたが問われている意味はまあそれは何かに役立てるものという
実利の話であって、絵を描いて楽しむやライフワークとしている人に
とってどうでもいいことです。
絵が人より上手描ける人=私の証明の角度から見れば何かに役に立つ
というのはホンのささいなことのように思いますけどね。私は。
なきゃないでほっといても勝手に絵を描いたり音楽やる子供はいつも
いるんじゃないですかね。
ご回答、ありがとうございます。
確かに役に立つ・立たないで言えば美術のランクは低いような気もします。しかしそれだけで授業を選んでしまってもいいのか、という疑問も残ります。
情操教育の一環はもちろん、芸術に触れ、感性・想像力を磨くことだけでも意味のある科目であると私は信じています。
HOPEPEPEPEさんがおっしゃるように、絵心や技術のない教師が多いことや、成績が教師の好みで決まったり、基準が曖昧なところなど、美術が必要な科目であると主張するには、改善すべき問題点も多いことがわかりましま。
No.2
- 回答日時:
小5の時の臨時の図工の先生の影響で、美大卒後西陣の帯の図案描きから、ファッションの専門学校を出て、アパレルのデザイナーになり28年になります。
元々、絵を描くより図工の方が好きで、もの作りが好きでした。
手が器用なこともあり、工作好きだったのですが臨時の教員(多分、美大生)がコーラのビンを描く授業の時、黒い画用紙に白いクレパス、カーテンを引き、一つだけ明かりをつけ、生徒に書かせた後、カーテンを開け、白い画用紙に黒いクレパスで描かせたのですが、このようにものの見え方の両極を示してくれたことは、小5の私にとって大きな衝撃でした。
その後の授業も子供だましで無い、立体彫刻など楽しくて楽しくて。
もちろん教科書にも書かれていない授業でした。
数年前、自宅で小さい子供に絵とクラフトを教えていた際も、子供だましで無い教室を目指していました。
そのとき、近くのスーパーで小学生向けの工作が行われていましたが、生徒さんから「あんなの子供っぽいから、嫌だ。」と。
充分、子供の小4の子が言いました。
日本の場合、本格的な指導は中学辺りからか、受験用の教室でと思いがちですが、我が教室は、本格的に鉛筆デッサンも取り入れていました。
出会う、先生、講師によって貴方も書かれているように目指す方向が大きく変わるのなら、指導者の教育も均等でなければいけないでしょうが、実情は「キット」を、学用品の納入業者に委ね、教科書通りの進行でつまらないものになっていると思います。
実際、自分の子供たちもつまらない「キット」製作ものを持ち帰りましたから。
子供の頃に出会った、臨時の講師に感謝しています。
その後の職業選択の意味において、多大なる影響を受けましたから。
そんな驚きと、感激を与える授業を今、どのくらいの美術の教諭は行っているのだろうかと思います。
芸術系の授業も選択性になり、苦手なら関わる事無く過ぎるだけ。
情緒の育成という事なら、必須なのでしょう。
何だか、寂しい世の中ですね。
ご回答、ありがとうございます。
素敵な先生に出会われたのですね。確かに美術科目は必要であるけれど、子供たちの表現意欲が覚醒するような楽しい授業構築をすることが重要な課題であるようにも思えます。
中学生の時、なんの興味もなく、使いもしないペーパーナイフを作らされたことを思い出しました。
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