プロが教えるわが家の防犯対策術!

 現在、祖父母の遺産相続問題で裁判をしているところです。
最近、痴呆老人の公正証書でもめるケースが多いと聞いています。
同じ様な体験をした方など、いらっしゃれば参考までに教えて欲しいです。

 私の祖母は以前に2つの病院で重度の痴呆と診断されました。長谷川式でも11点でした。ところが、その診断をした病院とは違う病院内で、叔父が遺産相続に関する公正証書を作成してしまいました。公証人を立ち合わせ、口頭で遺言したものを書き取ったということなのです。このような状態の祖母が自ら公証人を呼んだり、遺産に関する遺言をするということ自体無理だと思うのですが、叔父は公正証書なので有効だと言い張ります。私はこの公正証書を作成したこと自体犯罪行為ではないかと思いますが、このような状態で作成された公正証書が果たして有効なのか、ということを伺いたいのです。公証人というのは頼まれれば重度の痴呆の人の公正証書を作るなどという馬鹿げたことを引き受けるのでしょうか。見ただけでも痴呆の人が公正証書を作れるわけがないと思います。もっと、公正な立場の人間だと思っていましたが・・・。

A 回答 (3件)

1.遺言公正証書の有効性について


これはその当時の具体的状況を検討したうえで,遺言能力があったか否か判断されるべきで,軽々に申し上げることはできません。

遺言公正証書だから当然に有効と言うことはありません。
老年性痴呆により遺言能力がなかったとして無効とした事例として東京地裁平成4年6月19日判決(家裁月報45-4-119)などがあります。

また逆に,長谷川式簡易知能評価スケール4点で,重度の痴呆症と認定しつつ遺言能力を認め遺言公正証書を有効とした事例もあります(京都地裁平成13年10月10日判決)。

既に裁判中と言うことですので,公証人や立会人,看護婦,医師などを証人として当時の状況を明らかにすることでしょう。


2.公証人の責任について
公証人に実質的審査件権があるか否かは定説をみていません。
この点につき最高裁判決平成9年9月4日(裁判所時報1203号-7)は
「法は、原則的には公証人に対し、嘱託された法律行為の適法性などを積極的に調査することを要請するものではなく、その職務執行に当たり具体的疑いが生じた場合にのみ調査義務を課しているものと関するのが相当である。」
としています。

当時の具体的な状況の下で,遺言能力に疑問が生じれば関係者に確認する等の義務があったかもしれませんが,これとて国家賠償が可能かどうかと言う問題で,遺言の有効性について影響を与えるものではありません。


要は,当時の状況をいかに詳細に明らかにできるかと言うことにすべてがかかってます。遺言が作れるわけが無いかどうかは,具体的に判断するべきです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。確かに公証人は医師ではないので痴呆かどうかの判断はできませんね。
公正証書が有効となった事例と、無効となった事例と両方があるようなので、さらに詳しく状況を確認していく必要があるということですね。

お礼日時:2003/04/01 21:55

痴呆症の老人といえども法律上の意思能力が全くないわけではありません。

長谷川式で11点はやや高度な痴呆であり、意思能力が正常に復している時期が必ずあるはずです。正常に復している時期であれば、遺言をなし得ることに疑いはありません。

公正証書による遺言は、二人以上の証人の立会いの下、遺言者が遺言の趣旨を公証人に「口授」し、公証人が口述を筆記してこれを遺言者及び証人に読み聞かせ、遺言者及び証人が内容が正確であることを確認した上で署名・押印し、最後に公証人が上記方式で作成したことを付記して署名・押印して作成するものです。少なくとも遺言書を作成した時点では、祖母にこのような手続を履行し得る意思能力はあったのでしょう。

遺言書の作成は公証人の職務の一つであって、馬鹿げたことではありません。もちろん、犯罪に当るはずがありません。遺言者が入院中であれば病院に出向いてい職務を行うのも当然です。公証人が叔父と結託して虚偽の遺言書を作成したとすればそれは受託収賄罪や公文書偽造罪に該当する犯罪ですが、証人も必要な行為なので、実行は困難でしょう。

対抗手段として考えられるのは、祖母が正常に復している時期に新たな遺言書を作成してもらうことです。仮に自筆証書(遺言の全文・日付・署名を自書して押印し、密封したもの)であっても、日付が新しければ古い日付の公正証書に優先する効力があります。

この回答への補足

祖母はその後間もなく死亡したので新たなものを作る事はできないのです。私が会った時にも私が誰かも分からない状態だったので、遺産相続について指示を出すなど到底できそうもないように思えました。遺言では叔父一人が遺産を相続するようにと書いてあるのですが、生前の祖母がそういう言葉を残すとは思えません。祖母のことも無理やり病院を移し、身内にも居場所を教えてくれませんでした。公正証書が無効だとすれば、正常に兄弟が遺産を分け合うような形を取れると思います。

補足日時:2003/04/01 22:06
    • good
    • 0

公証人は、記録をとる相手が痴呆か、責任能力があるのかないのかは判断できないし、する必要がないと思います。

公証人に罪はありません。
痴呆の祖母の申し出を、公証人は忠実に記録したのでしょう。それは、法的な事実であり証拠でしょう。
ただし、それを依頼したのが叔父であったり、その叔父が祖母が痴呆であることを知っていての行為であれば、いくら、正確な法的な証拠といえど、それが遺言として有効かどうかは微妙な問題だとおもいます。
禁治産者などの宣告をうけていれば話しは単純だったのでしょうが。

裁判所の判断を要する内容であり、われわれの素人では判断しかねます。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。初めて 教えてgooを利用したので、どんな答えが来るのか不安でしたが、なんか感じがつかめました。公正証書に関しては訴訟中なので裁判所がもちろん判定を下すと思うのですが、私としては生前の祖母や痴呆になってからの祖母を知っているので公正証書の内容が納得できないのです。(公正証書には叔父一人が遺産相続人になっていました)重度の痴呆と診断された時点で後見人を立てればよかったのですが、まさかこんなことになるとは思わなかったのでしていなかったんですよね。この先さらにいろいろ調べていきたいと思っています。アドバイス感謝します。

お礼日時:2003/04/01 22:25

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!