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ブラベー格子は7つの結晶系×4種類(P,I,C(A,B),F)の28種類から、より単純なブラベー格子で表すことのできる格子を除いた14種類からなっていると学びました。
例えば、正方晶系のFが正方晶系のIで表すことができるということは納得しました。
他の、ブラベー格子に含まれない14種類の格子がブラベー格子で表すことができるということもわかります。

では、なぜ立方晶系のFは正方晶系のIで表すことができるにもかかわらずブラベー格子の1つに含まれているのでしょうか?
正方晶系のIで表した方が格子定数は小さくなるはずですよね?

わかる方がいましたら、ご教授ください。
よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

すべての正方晶のF(tF)は正方晶のI(tI)で表せますが逆にすべてのtIはtFでも表せます。


つまりこれらは完全に同一のカテゴリーです。

一方ですべての立方晶のF(cF)は正方晶のI(tI)で表せますが、
逆にすべてのtIがcFになるとは限りません。
tIの中でも(No.1さんの言うとおり)c=(√2)aを満たすものが偶然cFになるのです。
正方晶系はα=β=γ=90°とa=bだけが必要条件ですから、ここにさらに
c=(√2)aという必要条件を付け加えたものを新たに○○晶系として名付けたり
しない限り言い換えはできません。

同様の例としてもっと重要なのは・・・
すべての立方晶のFやIは菱面体晶(hR)としても表せますが逆は必ずしも言えません。
hRの中でもα=β=γ=60°のものがたまたまcFに、
α=β=γ=109.47°のものがたまたまcIになるのです。


14種類のブラベー格子が7種類の結晶系×4つのタイプ(P,I,F,C)の組み合わせから
選ばれていると考えると、どうしても結晶には単純格子Pと有心格子I,F,Cという
二種類の大別があると思いがちですが、この認識はあまりお勧めできません。
なぜならI,F,Cも軸を変えればすべて単純格子P(=基本単位胞)として描けるもの
ばかりだからです。(I,F,Cというのはそれが成り立つ特殊な位置なのです。)

むしろ14種類の単純格子であるブラベー格子を、その対称性の観点に立って
軸を選んだ結果、その格子定数間の関係によって7つの結晶系に振り分けることができ、
その副作用として単位胞のなかにI,F,Cといった格子点が現れる、と考えるべきです。

初めの話に戻ると、cFは(最高で)4本の3回回転軸と3本の4回回転軸をもつことから
立方晶に分類され、立方体であることが分かりやすいように4回回転軸をa,b,c軸方向に
とることによって必然的に面心位置に格子点が現れるのです。
これを格子定数が小さいからといって正方晶のIと呼んでしまうと、その言葉だけでは
最初に書いたように条件が一つ足らず、対称性が落ちてしまいます。
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この回答へのお礼

詳しい解説、ありがとうございました。
特別な場合だけではなく、a,b,c、あるいはα,β,γの値を晶系の制約の範囲内で変化させた時に、逆が成り立たなければいけないのですね。

対称性の観点からブラベー格子を振り分けるべきとのアドバイス、とても参考になりました。

お礼日時:2009/07/11 00:06

立方晶系のFには、正方晶系のIにはない対称要素があるので、立方晶系のFを正方晶系のIで表すことはできません。

立方晶系には3回回転軸があるけど正方晶系には3回回転軸がない、というのがポイントです。

あるいは、c=√2aという特別の関係を満たすとき正方晶系のIが立方晶系のFになる、と考えてもいいです。
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この回答へのお礼

ブラベー格子の割り振りは、単に原子の配置パターンから当てはまるものを考えるだけではなく、その構造が持っている対称要素をきちんと認識することが大切なのですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/07/11 00:01

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