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地質時代などの特定に地層の堆積を調べるそうですが、堆積というのはどこからきた土がどこに堆積したものなのでしょうか?今後も地層は形成されていくのでしょうか?いつか土地が平坦になってこれ以上新しい地層ができないということは起こるのでしょうか?
以上、宜しくお願いします。

A 回答 (6件)

こんばんは.古生物学を研究している者です.



>地質時代などの特定に地層の堆積を調べるそうですが、

地層中の産出化石から,相対年代(後述)が判明します.
地学に『地層累重の法則』と言うのがありますが,
まず地殻の岩石は,
地上であれ水面下であろうと,化学・物理的な作用で崩壊を続けます.
いわゆる風化です.その風化によってできた土や礫が,
風や水流によって低地まで運ばれ貯留堆積します.

時には風化とは関係ない物質も加わる場合があります.
すなわち地表面に広範囲に降り注ぐ火山噴出物である火山灰なども,
落下堆積し地層中に単層として含まれている場合が多々あります.
それらが堆積する際に,「必ず地面の下から上の空に向かって堆積する」と,
考えられるのは,物理的な面から考えても簡単な道理であり当然です.

つまり,『地層累重の法則』とは,
「地層が堆積構成される際には,
下部から沈積が始まり順次上に向かって重なって層状を示している」と言う事です.
言い換えると,一度の豪雨で単層が構成されるが,
その後の豪雨では先の単層の上に重なるように層を成し,
この様に順に地面の下から上の空に向かって堆積してゆくと言う法則です.

フィールドで岩盤むき出しの崖の断面を観察すると,
体積時間差を示す,いわゆる何枚にも層状に単層が重なって見えるのが地層です.
一般的に地層は水平な場合より様々な角度で広がりを持った層がみられます.
それは基盤となる岩盤が押し合う結果,褶曲や断層を伴い傾いた結果です.

この様な場所で地層の上下関係を示す情報,
例えば地層中の一枚の層の中で,粒度の違いによっても上下が判定できます.
泥流中では,比重の大きい粒子(砂)の方が,
先に水底に積もり,その後比重の軽い粒子(泥)が堆積するので,
一枚の地層を詳細に観察すると,その堆積当時の上下判定に利用できます.

研究者は調査地点の層序を調べ,柱状図を作成しますが,
その柱状図を用いて世界各地の他の地点と比較することで,
地質年代を判断します.
参考に手持ち論文の柱状図の画像を添付しておきます.

地質年代を推定する場合,産出化石によって『相対年代』が判明します.
これまで,世界各地で地層から産出する化石を整理し,
特定の地層からだけ産出する化石(示順化石)が判明しています.
現在はそれらの化石が年代順に整理されていますので,
容易にそれらの化石から地質時代が理解されるのです.

この様に化石から年代判定をしているのを『相対年代』と言い,
採集地ででも産出化石から容易にできる,簡単・便利な年代判定手段です.

他方の手段が,地層中の鉱物(放射性同位体の半減期)を利用した『絶対年代』です.
詳細は長くなるので省略します

>堆積というのはどこからきた土がどこに堆積したものなのでしょうか?

火山の噴火や,マントル対流を基にした造山運動などで,
海水面より高い位置に隆起した所の岩石が,
歳月をかけた風化作用によって小さく砕かれできた砂や泥などが,
水流によって運搬され流速が遅くなった所で,比重にあわせ沈積します.
なお,湖など陸地の水中や,さらに広い海水中でも,
同じように風化~運搬~堆積現象は起こっています.

この場合水流速度によって,
比重の大きな物から小さな物まで順次沈積していきます.
そのために,地層中の礫の大きさで当時の古環境での流速が推定できます.
この沈積作用でできた岩石を,『堆積岩』と言います.
その際に生物の遺骸などが地層中に挟まっていると化石化します.

堆積する場所は,水流がある場所ならばどこでも可能です.

>今後も地層は形成されていくのでしょうか?

大地や海(水)がある限り地層形成は物理的に行われます.
現在の月の様な空気や水の無い惑星などでは地層は発達しません.
岩石化(固化)するのには,
圧力だけでなく水による科学的な固化作用が必要ですが,
水分が存在しないために接着が起こらないからです.

>いつか土地が平坦になって,
>これ以上新しい地層ができないということは起こるのでしょうか?

我々が生存している間には,その可能性はありません.
地球は星の年齢にすると,青年期の若い星に分類されています.
地球内部に現在存在する地球生成(誕生)当時の熱がある限り,
地球物理的な現象として,畜熱された熱を宇宙空間に放出するために,
当然『熱対流』が起こります.

地球の場合,内部から外部に熱を運ぶ作用を持つ,『マントル対流』の結果として,
地球表層にできた地殻の割れ目から左右に分かれ拡大し,
新しい地殻が形成され続けています.

つまり,プレートテクトニクスで言う所の,
プレートの移動によってプレート同士がぶつかりあう作用が起こり,
山(ヒマラヤなど)や浅い海底の隆起(宮崎平野など)が引き起こされます.
さらに火山による噴出物による山体(富士山など)の拡大も含むことができるでしょう.

地球全体から見ると,
この様に比重の軽い地殻が常に生成・補充され続けています.
いわゆる『陸地:大陸』が形成され続けると言う事です.
つまり陸地が隆起し岩石が風化する場所が必ずできるので,
当然今後も地層は形作られる事になるでしょう.

冗長な回答になりました.お役に立てたでしょうか?
仕事の合間にお役に立てばと急いで書き綴りました.
ついには読み直す時間がありません.
表現不足や誤字脱字が考えられますが,その場合はご笑納ください.

この回答が,ご質問者さまの疑問解消の一助になれば幸いです.
「地層のでき方」の回答画像6
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:12

堆積岩は、主に山など高いところの岩石が浸食され、水(河や海流)で運ばれた、砂や泥、石などが河口近くや陸の近くの海に堆積するもの、海中のサンゴやプランクトンなどの生物遺骸でできるもの、風で運ばれたもの、火山灰や火砕流のように火山噴火でつくられたものなど、いろいろあります。

例えば、同じ砂でできたものでできた堆積岩でも、河口の三角州なのか、ちょっと沖合の海底なのか、砂漠なのかなど、できた場所が異なると、またどんな場所が浸食されたのかなどによって、それぞれ特徴が異なります。当然、これらの堆積作用は今でも、そして将来も起きていくでしょう。

平坦になれば、浸食作用が起こりにくくなりますから、供給される砂や泥が少なくなり、堆積作用は起こりにくくなるでしょう。しかし海があれば、少なくとも生物が存在する限り、生物起源の堆積岩は形成され続けると思います。

ちなみに洪積層って言葉は、ノアの洪水によってできたと200年ほど前に考えられた地層につけられた言葉です。今は170万年前から1万年前までに形成された現在堆積が進んでいる沖積層よりやや高い平坦面を作る地層を指します。沖積層は最近1万年くらい以降現在まで、河川周辺や河口近くで形成されたほぼ平坦な面を作る、最も新しい堆積物を指します。構成している堆積物は、そんなに変りません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:08

高いところにある土が、低いところに堆積します。



一般的に柔らかい・脆い・溶けやすいもの(土等)が、風雨により浸食されて水や大気(川や風)によって運ばれ、低い安定した場所に堆積します。
よって、雨風が強い季節や融雪期に、たくさん浸食され、たくさん運ばれ、たくさん堆積します。
これは、1年ごとにサイクルがあることだし、また、記録的な豪雨や豪雪の年があれば、その年の地層(堆積物)が厚くなるので、地質時代を特定する手がかりとなります。

なので、地上に高低差があり、かつ、大気と水がある限り地層は形成され続けます。
どちらかが無くなれば、地層もできなくなるかも知れませんね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:07

地層の主なものは水流でできます


火山でできる地層もあります
火山の噴出物が積み重なって出るもので富士山はその典型的なものです
噴火のたびに火山灰や火山礫が次々に積み重なって山ができているのです
広範囲に降った火山灰は関東ローム層やシラス台地のように大規模な火山灰の地層を作ります

水流でできるものは
洪積層:洪水によって押し出された大粒の土砂が平地や河口付近に積み重なってできる(範囲は狭く洪水のたびに異なる層ができる)
沖積層:細かい粒子が沖合いでゆっくりと沈殿して積み重なったもの(粘土質で同じ層がが厚くなることが多い)

これらは今も毎日積み重なっています
地殻変動で大地は常に隆起と沈降を繰り返しているので地表は平坦になってしまうことはありません
地球が冷え切ってマントル対流が止まってしまえば地殻変動がなくなって大地は平坦になってしまうでしょうね
隕石の衝突が地殻変動を起こすかもしれませんね
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:06

本当に微量ですが毎日毎日チリ(塵)が降り注いでいます。


これが地層になります。
江戸時代の○○跡を発掘と言うくらいですから、年単位にすると結構な量になるようです。

これからもチリは降り注ぎますからここで終りと言う事はありません。
地球も生きているのですね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:05

最もありふれているのは、川の流れで流されてきた砂や泥が三角州にたまったようなもの。


そのほかにも、川ではなく海の潮流とか波で運ばれる場合や、たまる場所が三角州ではなくて扇状地の場合もある。
それから風で運ばれる場合や、氷河で運ばれる場合もある。

ある時点を取れば、ほとんど堆積がおこらない場所もありますし、どんどん堆積が進んでいく場所もありますが、時代が変わればそのうち土地が隆起や沈降が起こり、別の場所で堆積が起こります。そうやって地層は次々と形成されて、今後も地層は形成され続けます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
返事が遅れてすみません。
大変参考になりました。

お礼日時:2009/08/22 14:05

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