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ターボファンエンジンのタービンとファンは同軸なんすか?
タービンとファンの回転数は同じかってことなんだけど。
機械的に同軸ではつながってないよね?始動するときなんかどーすんのよ?

A 回答 (2件)

 質問者様の言われるタービンとは、燃焼器の後ろにあり、燃焼ガスを受けて回転する羽根車、つまり本当の意味でのタービンの事でしょうか。


 それとも、コンプレッサー、燃焼器、及びコンプレッサー駆動用タービンをひとまとめにした、いわゆる「コア」と呼ばれるガスタービン部分の事なのでしょうか。
 もし後者の意味だとすれば、回答番号:No.1様が書かれている通りです。
 ターボファンには、回転軸が1本だけの1軸式のものと、回転軸が2本ある2軸式のものがあり、例外的なものとして3軸式のものもあります。
 2軸式の場合、筒状になっている回転軸の中に、更に別の回転軸が通っていて、外側の軸にはコアの回転部分が、外側の軸より長い内側の軸にはファンが、取付けられていて、この2本の回転軸は、質問者様の仰る通り、機械的には繋がっていません。
 ターボファンやターボジェットの回転部分は、高速で回転しているために、回転軸の向いている方向を変えようとすると、元の方向に戻そうとする力が働く「ジャイロ効果」と言う現象が現れます。
 これにより、エンジンの取り付け部分に余計な力が加わったり、飛行機の操縦性が悪くなったりするため、2軸式では内側と外側の回転軸の回転方向を、互いに逆向きとする事で、ジャイロ効果を軽減させるように設計される場合もあります。

 質問者様の言われるタービンが、前者の意味である場合には、話が少し複雑になります。
 ターボファンエンジンの構造は、回答番号:No.1様が貼られているURLのページをご覧になればお判りの様に、ファン、低圧コンプレッサー、高圧コンプレッサー、燃焼器、高圧タービン、及び低圧タービンによって構成されています。
 この内、ファン、コンプレッサー、及びタービンには、回転軸に取付けられて回転する動翼と、気流の圧力や流れの向きを調節する働きをする固定式の静翼があります。
 1軸式の場合は回転軸が1本しか有りませんから、当然、ファン動翼、低圧コンプレッサー動翼、高圧コンプレッサー動翼、高圧タービン動翼、及び低圧タービン動翼の全てが、同じ軸に取付けられていて、同じ回転数で回転します。
 一方、2軸式の場合は、外側の軸には、高圧コンプレッサー動翼と高圧タービン動翼が取付けられ、内側の軸には、ファン動翼、低圧コンプレッサー動翼、及び低圧タービン動翼取付けられています。
 ですから、高圧タービンの動翼はファンの動翼とは機械的に繋がってはいませんが、低圧タービンの動翼はファンの動翼と機械的に同軸で繋がっていますから、当然低圧タービンとファンは同じ回転数で回転します。
 又、回転こそしませんが、ファン静翼、低圧コンプレッサー静翼、高圧コンプレッサー静翼、燃焼器、高圧タービン静翼、及び低圧タービン静翼は固定式ですので、エンジンのケーシングを介して機械的に繋がっていると言えなくもありません。

>始動するときなんかどーすんのよ?

 現代のジェット機の多くは、APU(Auxiliary Power Unit)と呼ばれる補助動力装置を搭載していて、ここから供給される圧縮空気を使って、ジェットエンジン内にあるニューマチック・スターター(pneumatique starter?←仏語と英語のミックス)と言う、高圧圧縮空気で駆動されるタービンと歯車を組合わせたものを回します。
 ニューマチック・スターターは、歯車を介して高圧コンプレッサーと機械的に連結しているので、圧縮空気が供給されると、高圧コンプレッサーと高圧タービンも回り始めます。
 回転する高圧コンプレッサーは、外気を圧縮して燃焼器へと送り込みます。
 送り込まれた空気は燃焼器を素通りし、高圧タービンを通過した後、低圧タービンを駆動します。
 低圧タービンが回ると、ファンと低圧コンプレッサーも回り始めます。
 軸の回転数が規定の数値に達したところで、燃焼機内のバーナーに点火します。
 2本の軸の回転数や各部の温度・圧力等が安定すれば、始動完了です。

  【参考URL】
   JAL - 航空豆知識 / 第59回 ジェットエンジンはどう始動させるの?
    http://www.jal.co.jp/entertainment/knowledge/ago …

 現在実用に供されているAPUは、小型のガスタービンエンジン(昔はガソリンエンジンのものもあったようです。又、ロータリーエンジンを使ったものも研究されているようです)に、コンプレッサー、発電機、及び油圧ポンプ等を組合わせたもので、主エンジンの起動以外にも、主エンジンが稼動していない時には、電力、圧縮空気(空圧用と冷暖房用)、及び油圧、等を機体の各所に供給する役目もあります。
 APU自体の起動は、自動車のエンジン等と同様に、バッテリーと電動モーターを使って行います。
 ビジネスジェットのように搭載するジェットエンジンが小型の場合、圧縮空気を使わずに、バッテリーと電動モーターを使って起動するものもあるそうです。
 尚、旅客機にAPUを搭載する事が一般的ではなかった昔には、「起動車」というコンプレッサーを搭載した専用車両を飛行機に横付けし、ホースを使って飛行機に起動用の圧縮空気を供給していました。
 又、東京国際空港、成田国際空港、関西国際空港、等の一部の空港では、APUの出す騒音や排気ガスの対策のため、APUの使用が制限されている事があり、そのような空港ではAPUの代わりに、GPU(Ground Power Unit)と呼ばれる地上設備が圧縮空気や電力を供給します。
 GPUには、地面や建物に固定されているものと、専用車両に搭載されているものの、2つの方式があり、先述の起動車もGPUの1種です。(起動車以外にも電源車等も含まれます)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。とても参考になりました。

お礼日時:2009/12/11 06:23

同軸である物、無い物、両方ともアリで


基本型はダイレクトに機械的に同軸でつながっているタイプですが
最近では、繋がっていない物が主流だそうですよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC% …
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