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比表面積の算定においてVm(単分子層吸着量)を求める式(一点法)があります。
Vm=V×(1ーX)
V:RH30での平衡吸着量とする
X:相対湿度

そして求められたVmを用いて比表面積を求めるのですが、ここで疑問が出てきました。
というのは、Vmを求めるのにRH30(程度)の平衡吸着量を用いる(重量法とする)ということは、つまりはRH30に対応する細孔が凝縮している仮定での(1-0.3)つまりは0.7掛けの値になります。
ここで単分子層吸着とは理論的には細孔側壁での単層の吸着質のことだと理解しているのですが、RH30に対応する細孔だけを考えるならば、平衡状態(≒凝縮状態)の0.7掛けであり、これは単層とはならないのでは?と思いました。
それとも、RH30対応細孔の平衡(≒凝縮状態)の0.7掛けでの値が、その試料の全ての細孔(セメントでいえばミクロ~メソ~マクロ)での単層吸着の値にほぼ相関しますよという意味なのでしょうか?
どなたかご意見よろしくお願いします。

もう一点初歩的な確認としてですが、比表面積の算定にあたり「単分子層吸着量を水の分子量で除し、吸着分子のモル数を導き、その物質量に相当する原子総数(アボガドロ定数)を乗じ当該分子数とする」
この文章で、「単分子層吸着量を水の分子量で除し、吸着分子のモル数を導き」というところと、「その物質量に相当する原子総数(アボガドロ定数)を乗じ当該分子数とする」というところの解釈を言葉を換えてご説明いただけないでしょうか?
以上2点になりますが、よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

jamf0421さんの補足にもあるのですが,どうも本質的な部分で混乱や誤解があるように感じられてなりません.



> 水蒸気吸着によって算定されているRH30に対応するケルビン半径の値(0.9nm)とは、どう解釈すればよいのでしょうか?

計算して出てくる数値ではありますが,物理的意味を議論することができないというだけです (意味のない数値).

> ケルビン式は毛管凝縮を前提とした式だと思われますが。

だから,低相対圧領域というか,数分子程度の大きさの細孔には無効だと,何度も何度も言っているのですけど.

> 若しくはRH30に対応する細孔直径1.8nmにたいして水分子0.3nmという相対比が毛管凝縮理論(メニスカスを適用)を適用するには現実的ではないという結論でよいのでしょうか?

そうです.

> つまり、単分子層吸着を定義する際の相対湿度がRH30程度とし、その時の単分子層吸着を起こしている細孔は全ての細孔径においてのものです、と解釈すればよいでしょうか?

これも以前に説明しましたし,No.2 でも再説明されていますが,RH30で単分子層を規定しているのではなく,一点法の解析でBETプロットの切片を無視するためには,できるだけ高相対圧のデータを使わなくてはならないが,そもそも多くの吸着系では相対圧0.3 程度までしか BET 式に適合しないことが経験的に知られている,なので,そのあたりで解析する,という,それ以上でもそれ以下でもないのです.

等温線があるならきちんとそれを解析し,どのくらいの相対圧領域で BET プロットが成立するかを確認するのは当然のことです.もちろん,0.3で解析すると明らかに誤った結果を与えるような場合はいくらでもあります.

> 言い換えると、毛管凝縮理論が成立する径をメソ~マクロ径とし、RH30に対応する径(マイクロ細孔)の段階(式では0.7掛け)では、全ての細孔で凝縮はしておらず、単分子吸着の段階ですよ、との解釈でよいでしょうか?これだとすっきりします。

あなたがすっきりするかどうかはともかく,ぜんぜん見当違いです.
どんな相対圧であろうとも,細孔があればなんらかの凝縮なり filling はおこってもかまいません.ただ,その条件で filling がおこっていても,細孔径が小さいときには Kelvin 式は意味がありません.また,BET モデルは細孔のない場合についての理論ですから,細孔があって filling がおこれば,その段階で BET 式は意味を失います.
多孔体であっても,ミクロ孔がないような場合には,低相対圧領域の吸着を BET モデルで扱っても問題ないような系はありえます.しかし,それは等温線全体を解析しないとなんともいえません.一点法の面積を信用していいのかどうかも,ミクロ孔の有無がわからなければ何も言えません.
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No1さんの回答に尽きているのですが、補足します。



>ここで単分子層吸着とは理論的には細孔側壁での単層の吸着質のことだ
>と理解しているのですが
とあるのを読んで心配になりました。細孔分布のBJHの計算とBET表面積の評価が混乱していませんか?BJHは計算をやり易くするために円筒モデルを考えて計算しているだけです。そして辻褄あわせで、細孔側壁として計算している表面積の累積がBET表面積に近ければよい、としているだけです。

BET表面積は細孔モデルとは独立の話で、そのモデルは、むしろ平らな面への多分子層吸着と考えていると思って下さい。(だから論理的に無限大の吸着層まで考えられるのです。)
一方RH30での凝縮とは、Po/P=1/0.3=3.3333のところの凝縮ですから、Kelvin式で得られる半径が0.9 nmのところです。これに対して水の分子断面積はおよそ0.1nm^2です。よってKelvin式の基礎となる”曲率を持った水面の存在”の前提は全くなりたたないのです。

0.7掛けの意味もきちんと理解する必要があります。もともとのBET式がx=P/Poとして
x/{V(1-x)}=(c-1)x/Vmc+1/Vmc...(1)
でした。通常のものはc>>1なので、c-1≒cと看做せるので、右辺第一項はx/Vmになります。通常はBETプロットがほぼ原点を通ると看做せるので、(1)の右辺第二項は無視することにします。そうすると(1)式は
x/{v(1-x)}=x/Vm
となります。これから
Vm=V(1-x)...(2)
となります。要するにこれはBET式の近似式です。近似式の範囲では、形式的には任意のxに対し、その吸着量を知れば、(2)式からVmが出せるのです。しかし、BETプロットが成立するのがx=0.3あたりまでなので、式のなりたつ最大値であるx=0.3の吸着量をとるのが一番測定誤差が少ない故、x=0.3のVを使ってV*(1-0.3)で計算しているだけです。Carbonのようにx=0.3までBETプロットの直線性がなりたたない場合は、x=0.2での吸着量Vに、0.8を掛けてVmを出します。
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BETモデルは,毛管凝縮のおこらない系の話です.


また,何度も何度もしつこいようですが,この相対圧領域では細孔があっても毛管凝縮モデルは無効です.
さらに吸着平衡状態というのは,凝縮とは何の関係もなく,要は経時変化しない状態になれば,それが平衡状態です.

> 単分子層吸着量を水の分子量で除し、吸着分子のモル数を導き

吸着量が g で表わされているなら,18g/mol で割ることで何molか出る,というだけです (高校化学).

> その物質量に相当する原子総数(アボガドロ定数)を乗じ当該分子数とする

物質量(mol数) にアボガドロ定数をかけると分子数,というだけですが,原子総数というのは意味不明です.
いずれにしても,何gというところから,何個というところにもってきて,あとは1分子の断面積をかければ面積になるという話です.
gから個数を出すのは,高校化学のごく最初のところでやることなので,高校生向けの参考書でも立ち読みしてくるといいでしょう.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。申し訳ないですが、さらに確認したいのですが、
>BETモデルは,毛管凝縮のおこらない系の話です.
水蒸気吸着によって算定されているRH30に対応するケルビン半径の値(0.9nm)とは、どう解釈すればよいのでしょうか?
ケルビン式は毛管凝縮を前提とした式だと思われますが。
若しくはRH30に対応する細孔直径1.8nmにたいして水分子0.3nmという相対比が毛管凝縮理論(メニスカスを適用)を適用するには現実的ではないという結論でよいのでしょうか?

>さらに吸着平衡状態というのは,凝縮とは何の関係もなく,要は経時変化しない状態になれば,それが平衡状態です.
それは分かります。その平衡状態になっている時のRH30に対応する細孔の状態をどう考えればよいのでしょうか?
つまり、単分子層吸着を定義する際の相対湿度がRH30程度とし、その時の単分子層吸着を起こしている細孔は全ての細孔径においてのものです、と解釈すればよいでしょうか?
言い換えると、毛管凝縮理論が成立する径をメソ~マクロ径とし、RH30に対応する径(マイクロ細孔)の段階(式では0.7掛け)では、全ての細孔で凝縮はしておらず、単分子吸着の段階ですよ、との解釈でよいでしょうか?これだとすっきりします。
何度も申し訳ないですが、ご助言お願い致します。

お礼日時:2009/12/13 11:53

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