今まで、いろいろと洋画を観てきましたが、どうもいわゆる英語圏の映画(アングロサクソン文化圏)に対して、あまりいい感情がもてないでいます。
国民性なのか、非常に根が生真面目で、ビジネスライクな枠組みからはなれられないというか、映画のつくりとか展開とか、あるいは伏線結末などが、かなり通り一遍等と言うか、意外性とか驚愕するような展開があまりない。シーンの捉え方も、どうも杓子定規で定型的、な様な感じがするんですよ!
それは、結構万人受けするっていう面もあるんですけどね。ただ、映画を観慣れてくると、どうも違うんじゃないか?という思いがわきあがってきます。例えば、ヨーロッパ圏ですね、特にラテン圏(フランスイタリアあたり)の作り展開は、かなりアングロサクソンのそれと違って、「芸術至上」という思想がある気がする。ビジネスじゃない、万人受けじゃない、大事なのは、自分の感性に正直に、いかに独創的に主張するか!ということに重きを置いている気がする。それは実際、強いメッセージ性、強烈な印象を残す要素が多いのです。
もちろん、各人の捕らえ方でありますが、私はそういう意味で、巷にあふれているアングロサクソンの映画にはあまり感心できない。
そういう考えは偏ってますかね?あるいは感覚的にどうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
たぶん、あなたは、もっと現実に近い映画を望んでいるのではないではないでしょうか。
ハリウッド映画などは、わかりやすく都合のよい展開が多すぎるのでしょう。
主人公が穴に落ちたら、いずれかならず這い上がるのがハリウッド映画だとしたら、
ずっと穴に落ちたまま一生を終えてゆく過程がフランス映画だと思います。
現実には、穴に落ちても、そんなに都合よく這い上がれません。
病気になったら一生薬を飲み続けたり、手術して合併症なんてザラです。
ハリウッド系の映画は、カタルシスや興奮(アドレナリンの分泌?)を、
フランス系の映画は、現実的なメッセージや落ち着きをもたらしてくれると思います。
現実から目をそらさせて、努力と正義の成功物語の幻想を、子供の頭に埋め込むようなメディアは、やはりあまりいい影響とはいえないと思います。
けれど、現代人はその虜になってしまっています。
それが映画だとわかっていても、確実に文化に影響しています。
わたしは北米在住ですが、こちらでは日本よりも上昇志向が強く、
努力すれば報われる、忙しい人、お金持ちの人の方が人生充実している、など、単純に思われがちです。
人生の本当の意味を立ち止まって考える人は、どれだけいるのだろうか・・と思います。
常に、何かに追い立てられるように生きている感じの人が多いです。
限界状況で走っているマラソンランナーが、
一度立ち止まってしまうと、もう走れないように、
彼らも立ち止まるという考えを振り切って走っているのだろうな・・と思います。
そういう人は、人生のそういう段階にあるのだ、と考えて、
一歩引いて、あたたかく見守っていきたいと思います。
映画の内容も、日本人にとってはまだ「遠い国の話」でも、
こちらの人たちにとっては「より身近な話」という感覚があります。
行き着くところまで行き着いたら、自分たちで気づくはずですから、
自分に出来ることは、これがよいと思った生き方の、手本となれるように自分の生き方を整えるのみです。
ご回答ありがとうございます。
私の場合、ハリウッド式の定型的展開ではアドレナリンも分泌されないようなのです。結構複雑な心理構造を持っているようです。やはり、現実というのは最も強いインパクトですからね。逆に教育情動かと言う問題も絡んできますが、嘘の演出過剰を刷り込ますよりよっぽどいいでしょうね。
人生をよく吟味してみるという姿勢がほしいものです。
No.3
- 回答日時:
アングロサクソン=ハリウッド映画、
という考え方でしたら、賛同するところも多いです。
(アングロサクソンというとイギリスやドイツなんかも含むので、あえてハリウッドとしてます)
老舗映画雑誌キネマ旬報で「アメリカ映画を見なくなったあなたへ」という特集をしてましたが、目の肥えたファンには、「アングロサクソン=ハリウッド映画」はもう面白くないのだと思います。
アメリカ映画も70年代の終わりまではわりと面白かった作品も多かったと思います。『70年代アメリカン・シネマ103―もっともエキサイティングだった13年』なんて本も出てますし。
70年代のアメリカ映画界はニューシネマが全盛期から衰退期に入り消滅、それと同時に「エクソシスト」などのオカルト映画ブーム、「ロッキー」を始めとするアメリカンドリームもの、「ダーティハリー」や「フレンチコネクション」など非正当派ともいえる人物が主人公ポリスものなど、内容やジャンルはかなりバラエティに富んでいました。
それが徐々に通り一遍の作品、大半に受け入れられる(大ヒットする)し、一方では熱心なマニアに愛され、一方では見向きもされない、そんな映画が増えてきました。
これは70年代を境に映画が投資物件として”投資対象の商品”として扱われるようになったこと、それに予算の多くに、CGなど特殊効果などの費用が盛り込まれるようになったこと、このような理由があると思います。
で、投資物件である以上ヒットしなくてはいけない、そのためにはビジュアル面に予算を注ぎ込み、キャラクターの造詣にもマーチャンダイジングが盛り込まれるようになり、そうなると個性的な作品よりも、多くの人を惹き付ける作品=一般受けする=通り一遍のお話の方が無難、ということになっていきます。
ハリウッド作品の脚本には方程式がありまして、始まって何分以内にどうなっていなくてはいけない、その後はこうならないといけない、などなどいろんな決まり事があります。
一時などは、脚本の出来不出来を分析するコンピュータソフトまでありました。
出来不出来というのはもちろんハリウッド映画としてのもので、アジアや欧州映画のものではありません。
こんなものがあるということは、いかに似たような作りじゃなければいけないかということに他なりません。
ハリウッドのプロデューサーの多くは脚本をストーリーアナリストに分析させますが、このアナリストが、先の”方程式”に照らし合わせ、このシナリオを映画化すべきかどうか助言するわけですから、こうなるといよいよ、似たような作品ばかりが生まれる、ということになります。
ただアメリカ映画でも、コーエン兄弟、デビッド・O・ラッセル、ポール・トーマス・アンダーソンといった監督たちの作品はけっこう見応えがありますけど。
東欧や旧ソの映画は長い間、検閲がすごかったのと、言論の統制など、言いたいことが言えなかったので、映画というものに、自分の思いを込めたという熱のある作品が多いように思います。
いかに当局を騙し、本当は反国家的な内容だけど、見かけはそうは見えない、少なくとも当局の関係には、そうは見えない、という映画がけっこうあります。
「灰とダイヤモンド」「地下水道」「影」などはそのいい例です。
ただ映画製作はどうしてもお金が掛かるため、いかに芸術的な作品であれビジネスという側面は持っています。
これは映画がフィルムという媒体を使ったメディアである以上、数千万数億のお金が掛かるので仕方ないです。
>自分の感性に正直に、いかに独創的に主張するか…
これに関してですが、名を残す大半の監督は”映画の文法”を熟知してます。旧ユーゴ出身のクストリッツァ監督の作品など、意味不明の場面でも文法に照らし合わせて解読していくと、真意がよくわかってきます。
難解といわれるベルイマンやレネなどの作品も国の文化や宗教観など、しっかりと根付いたものを持ってして、映画を作っています。
近年だとソクーロフやジャジャンクー、ダルデンヌ兄弟などの監督たちでしょうか。
こうしたことから、感性とか独創的という言葉はあまり当て嵌まらないように思います。
ご回答ありがとうございます。
ハリウッドは衰退していると言うことですね。非常にそれを感じます。
しかし、方程式まであるとは思いませんでした!これは貴重なお話しです。大量消費作品と言うことなのでしょうね。
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