プロが教えるわが家の防犯対策術!

中国語と日本語では、同じ漢字でも違う意味で遣われているものがあります。例えば、「手紙」「汽車」「湯」などはよく知られているようです。別の質問で中国語の「元旦」は一月一日のことで、中国語に「元日」という言葉はないと教えていただきました。日本語でも「元旦」は、一月一日の意味でも遣う人もありますが、「旦」の字の意味から「一月一日の朝」と区別されることも多く、「一月一日」とするのは間違いとされる場合さえあります。ここでお尋ねします。漢字に「元旦」という語があるのに、なぜ「元日」という言葉できて、広まったのでしょうか。私見では、祝日法で一月一日が「元日」とされた頃から定着しはじめ、「元旦」に取った代わったように思うのですが確信はありません。ご教示をお願いします。

A 回答 (10件)

> どのような理由で元旦より元日がよく遣われるようになったのでしょうか。



言語学で hypercorrection と呼ばれる現象かもしれません。
私はたまたまこの術語を知ってただけで、言語学は学んでいない。中国語・英語はおろか日本語も覚束ないが、少し調べて次の(a)~(e)が分かった。ご質問者もほとんどご存知と思う。

(a) ありふれた小型の漢和辞典によると、「旦」は「日」に地平線を示す「一」を加えた漢字。意味は「朝」、「夜明け」。
(b) (現代)中国語では「元日」という言い方をせず、「元旦」が「一月一日」の意味も持つ。
(c) 「月旦」という日本語がある。意味は「月の初日」。
(d) 小学館『大辞泉』によれば次の通り。
「旦」は「朝・夜明け」の意であるから、「元旦」を「元日」の意で使うのは誤り。ただし、「元日」と同じように使う人も多い。
(e) 青空文庫(www.aozora.gr.jp)で「元旦」を検索すると、「元日」と同じ意味で使っている作家が少なからず見つかった。明治・大正・昭和二十年代くらいまでの文豪たちである。
以上。

さて、(a)の規範に基づく類推によって、(d)が導き出される。しかし、漢字の本家本元の中国では(b)である。日本語でも(c)の例があるし、昔の文豪たちは(e)のように自由闊達だった。彼らよりも日本語能力において劣るくせに、重箱の隅をほじくりたがる後代の連中が、「元旦は朝だけ。一月一日は元日」と過剰矯正したのではないだろうか。
もっとも、(e)の文豪たちも(d)のような知識は意識していた形跡があるけれど。それに、私はこれが「まさに hypercorrection」と申したいのではなく、「hypercorrection の要素も考えに入れてみては」と申したいわけだ。「典型的な hypercorrection」とまでは言えないだろう。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。とても「一般人」とは思えません。「彼らよりも日本語能力において劣るくせに、重箱の隅をほじくりたがる後代の連中が、「元旦は朝だけ。一月一日は元日」と過剰矯正したのではないだろうか。」には、大いに納得しました。

お礼日時:2010/01/01 21:22

Big-Baby さん はじめまして



そうですね、「元日」王安石でしたね・・・私も年賀状に使ったことがある、とても華やいだ詩ですよね。
>春風送暖入屠蘇
私の知っている本では 「東風」になっていました、調べたらどちらの本もあるようでした。勉強になりました。

「文選」などは、たしか平安時代もずいぶん読まれたと聞きましたから、そこいらへんから日本に入ってきたのでしょうね。私が、お示しした「土佐日記」の件と合わせまして、疑問が氷解いたしました。

>「日」(ri)では響きが弱い
そうでしょうね、舌の先の音ですから、地域によっては うまく発音できない地域もあるかもしれません、自然に母音のはっきりした漢字に、移っていったのでしょうね。

なにぶん手元に資料がなかったので、ご指摘助かりました。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

そろそろ締め切らせていただきます。ご回答くださいました皆様、誠にありがとうございました。

お礼日時:2010/01/03 10:39

「中国語に元日という言葉はない」なんてとんでもないことです。

大昔から中国語には「元日」という言葉があり、他の多くの漢語と同様に日本人はそれを受け入れて使っているだけです。
書経や文選という古い書物にもすでに載っています。
於是孟春元日,群后旁?[是に於いて孟春元日に群后(ぐんごう)旁?(ぼうれい)す](文選)
(それで正月元旦に諸侯が四方からやってきち皇帝に朝賀した)
なかでも宋の政治家・詩人である王安石の「元日」という漢詩は有名です。
爆竹声中一歳除  爆竹の声中に一歳を除き
春風送暖入屠蘇  春風暖(だん)を送り屠蘇に入る
千門万戸??日  千門万戸の??(とうとう)たる日
総把新桃換旧符  総て新桃を旧符に換える
爆竹を鳴らして旧年を送り、屠蘇酒を飲んで春風を迎え入れ、朝日がまばゆく万戸を照らすとき旧年の桃符(お守りの札)を新しいのと取り替える
正月気分満載のいい句です。中国人でも教養ある人なら誰でも知っていると思います。
ただ、むかしは普通に使っていた「元日」が中国ではなぜ使われなくなっていったか、という疑問は残るかもしれません。「日」は入声と呼ばれる子音で終わる音だったのですが、最後の子音が発音されなくなり、変わって、「天」という字が好まれるようになります。「昨日」「今日」「明日」なんて語も昔は中国で使われていたんですよ。それが今では「昨天」「今天」「明天」とかいうようになりました。「日」(ri)では響きが弱いからだと思います。
「元日」は決して日本人が作った言葉ではありません。中国から学んだ言葉です。本家の中国では廃れただけです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。そういえば、先の回答者様も中国語の前に(現代)と付けられていました。別にした質問の誤解まで解いていただき、とても勉強になりました。質問してよかったです。

お礼日時:2010/01/02 11:38

 “元旦”とはもとの意味は最初の、日の出という意味、“元朝”の開始でしょう。


 そうやって始まり、終わっていく最初の一日が“元日”でしょう。
 字と言葉からは、そういうことになるでしょう。
 
 元日は元旦より、より広い意味と、時間を指す事ができますが、元日の夕方に賀状の返事を書いて、元旦という印刷を修正しないままでも、受け入れられるのでしょうね。
 元日、もとの日。始まりの日。
 元旦より融通性がありますね。

 無論どりたも、日常用語や修辞的ことばでしょう。
 正式、或いは法律などの正確性を必要とする場面では一月一日(いちがついちじつ)となりましょう。
 法条文や判決文、何かの申請などで元旦や元日は無論、一日(ついたち)、或いは朔日などは使うことはないでしょう。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2010/01/02 11:09

こんばんは、疑問はつきませんね。



さてご質問の件ですが、手元に資料がないもので おおざっぱなお返事しか差し上げられませんが。


「元日」は比較的古い日本の文章にも存在します。土佐日記にも「元日」の文字が見えます。
http://kokugonobenkyou.net/kobun/2009/04/post-11 …
また、「元日の節会」
http://dictionary.infoseek.co.jp/?ii=2&sm=1&sc=1 …
というのもあります。これは初出がどれくらいなのかは 少々疑問ですが。

以上のことから、「元日」という言葉は、日本の比較的古い時代からあった言葉であることが何となく想像できます。しかし、「元日」がどういった意味であったかは、もう少し資料をあたらないと、詳細はわかりません。(1月1日? 1月1日の朝?=要するに元旦の間違え)

一方中国語の用法ですが、日本の漢和辞典(中国語の古語)をいくつか引いてみましたが、「一月一日の朝」という意味だけが書いてあります。また、辞書によっては「元日」の単語も記載されている辞書もあります。また、現代中国語の辞書を引くと、「元旦」の意味として、「新年的第一天(新年の第一日)」という意味が書いてあります。(現代漢語詞典)

私なりにまとめますと、元旦と元日は古くから日本で使われていて、その意味は、「新年はじめの朝」「新年初めての日」と混同して使われていた形跡がある。中国でも、「元旦」を二つの意味で使っている可能性がある。

もう少し調べませんと、何ともいませんが、特に中国語の場合は、個別の単語が、日本から逆輸入されたりする場合も多いので、注意深く用例を見ていかないと、はっきりしたことがいえません。(「経済」のような単語)

他の方がおっしゃっているように、それほど明確に使い分けていたような形跡がない感じがします。急に使い分け始めたのは「過剰矯正」なのかもしれません。最近、テレビ・ラジオのアナウンサーがよく、「元旦」「元日」の使い分けを喧伝していますね。どこかでそう教えているようです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。幅広く教えていただき、これまでのご回答ともあわせて、自分なりには疑問が解けたような気がしております。

お礼日時:2010/01/02 10:45

お説のように「祝日法」の施行以来というのが、最も可能性が高いように思えますので、ご意見に賛成です。


マスコミが右へ習えしますから、国民も、「元日」という表現に慣れてしまいます。
しかし、「元旦」と「元日」を区別して分けるという日本独自のやり方は、中国では通用しないものの、案外に合理的で面白いと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。実は私も、「元旦」と「元日」を区別し、「元旦」を一月一日の意味で遣うことを否定していました。しかし、中国で古くから「元旦」が一月一日の意味で遣われていることを知り疑問を持ったわけです。同時に、歴史のある「元旦」という言葉を、現代の日本人的な感覚で解釈し本来持っていた意味を否定してしまう風潮をいかがなものかとも思いました。

お礼日時:2010/01/01 20:34

「元旦」の「旦」という文字を見て下さい。


水平線(あるいは地平線)の上に「日」すなわち太陽がありますね。
これは、「日の出」を表しています。
1年の始まりの「日の出」だから「元旦」といいます。
「元日」は「1年の初めの日」ですから、意味が異なります。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答はありがとうございます。先にも書きましたが、漢和辞典を引いてわかる程度のことを質問しているわけではありません。なお、「旦」の一は説文解字で地とされていることからこう説明するのが一般的ですが、白川静先生の字統では、金文の字形をあげ朝雲としています。白川先生の説も仮説の域を出ませんが、説文も絶対ではありませんので私は白川先生の説を支持します。

お礼日時:2010/01/01 18:39

すいません。


あくまで想像です。

元々、言葉が生まれたときは、1月1日の朝=元旦のみで元日と言う概念が無かったのではないでしょうか?
1月1日なら、そういえば良いわけですからね。

年が明けたということをあらわすために元旦と言う言葉が生まれたと考えられます。
そうでないと、旦という言葉が日の出を表す意味がなくなります。

ところが日本人は生真面目なので、「なんで1日を表す言葉が無いんだ」ということで、「元旦の日」という意味で「元日」が生まれたのでは?

結構、外国って日本に比べてアバウトな面がありますよね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

お礼の順番が前後して申し訳ございません。質問の意図をご理解くださってのご回答ありがとうございます。

お礼日時:2010/01/01 19:18

元旦は一月一日の日の出の時にしか使えません


元日はその日一日有効です
旦の字は日の出を意味するのです
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。ただ、その程度のレベルのことを問うているわけではございません。漢字をつくった国では、古くから一月一日の意味で元旦という言葉を遣ってきました。以下は、中華人民共和国駐日大使館のホームページよりの引用です。「元旦は一年の始まり。「元旦」という名称は伝説の中国の先帝―颛顼に名づけられたという一説がある。彼は中国の旧暦正月を「元」とし、正月の初日を「旦」とした。中国語では、「元」は始まりの意味が含まれ、「旦」は太陽が地平線から昇るという意味である。この二文字が一緒になって、元気よく新しい一年を迎えようという気持ちが込められている。 」

お礼日時:2010/01/01 11:29

何故なんでしょうね?


私もWikipediaレベルの理解でしかありませんでした。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

早々のご回答ありがとうございます。wikiは私もよく利用します。

お礼日時:2010/01/01 11:17

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!