こんにちは。
油絵のキャンバスの下塗りをするときに、よくペトロールやテレピンなどの揮発性油を絵の具に混ぜるようにと物の本には指南してあります。
これはそのほうが絵の具の粘りが弱くなり、伸び広がりやすいので、広い面を塗りつぶすのに適しているからと解釈しておりますが、では揮発性油の変わりに、リンシードやポピーオイルなどの乾性油のみを使って溶いた絵の具を下塗りに使ったらどうでしょうか。
理由は、そのほうが下塗りの層が厚く強固になり、絵画自体の耐久力が増すのではないかと思うからです。
この考えについて何かまずいところ、間違った点などありましたら、ご指摘下さい。よろしくお願いいたします。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
No2です。
>下絵ということですね
※そうです。
>下絵に樹脂をつかっても良いか
※樹脂にも色々あって、タブローや加筆用パンドル
の原液やマスティックようにグレーズで使ったりフィニッシュ
として使うものは樹脂の濃度や硬度が高いので使えません。
樹脂のみ希釈せずという使い方をしないのを前提とします。
>樹脂とは?乾性油とのちがいは?
樹脂とは簡単に言えば松脂みたいなもので、ニスのことです。
乾性油よりはやく硬化し、乾性油と混ぜても分離しません。
乾性油より硬度あるが固着力は弱いものがほとんどです。
市販の本だと:揮発製油で下描き→リンシードオイル+テレピンで本描き→
ルツーセ→樹脂を混ぜたオイルで細部描き→乾燥後タブロー
の手順かと思いますが・・・。私から言わせれば表面乾燥だけで
下絵の段階で2週間以上かかる手順で無駄が多いです。
本描きだと乾燥だけで一月かかる制作手順ですね・・・。
たぶん受験で描く手順をもとにしているのか、画面保存や溶解による濁り
に対する意識が低い手順の説明のように感じます。
ダンマル樹脂やコーパル樹脂でもかなり薄めた
ものなら下描きでも使います。
手順として揮発製油8~10:ハーレムシッカティフ1:リンシード1または少し、
の割合(だったかな?)の液で下絵を描いて触って手につかないまで
表面乾燥させたら、下描き用液を刷毛でニスとして引きます。
乾性油を少量混ぜるのは発色に関係していますので多少前回回答と矛盾しますが。
これで下絵描きはおk。ダンマル+リンシードの場合ツヤがもの凄くでるの
で量を減らし揮発製油をもっと混ぜます。透明度とニスの硬度が低いのであまり
用いない方法ですが比較的扱いやすい樹脂です。
揮発製油のみで描いてもいいのですよ、絵の具に混ざった乾性油は
なかなか表面乾燥しないので絵の具がまざったりします。それを止める
ために樹脂を使用しているだけです。
「なお、ハーレムシッカティフはルフラン社製で売っていますが、
高額なので、ウィンザーニュートン社のリクインやウィンジェルでも
代用可能です。(合成樹脂使用)
また、ホルベイン社からクイックドライイングオイルというものがあります
これは、濃度が濃い合成樹脂添加のペンティングオイルなので
5倍~8倍で薄めれば同じ効果で描くことが出来ます。
この手順はセザンヌなどがやっている手順ですので、問題は無いはずです。
細密描写する場合は、:ベネティアンテレピン0.5を混ぜた下記のペンティングオイル
をもとに、しだいにリンシードとハーレムを濃くして描いていきます。
通常使用するペンティングオイル=テレピン4~5:ハーレム1:生リンシード1~少々
でこれにテレピンやスパイクラベンダーを混ぜて希釈し調整します。
汎用ペンティングオイルを大瓶で作っておき、希釈やオイルを加えながら
制作すれば手間もはぶけますし、濃度が分かっているので加えすぎ
や足なかったということがないのでよいです。
ただこの手法が確実であるという手順は無く、何を描くかによって変わってきます。
市販の本に載っている手順や書き込みは、一例であると考えてください。
あくまで樹脂のみを希釈せずに下絵描きとしては使用しないだけで
樹脂は色々な場面で使用します。ですが樹脂の入れすぎには注意しましょう。
画面の耐久性を気にしているようですが、一番いいのは
・シルバーホワイト顔料をリンシードで練るギリギリの量でまぜ、・ドーサ引き
の麻布に大型パレットナイフで扇方を並べるように塗っていき、・2ヶ月乾燥させて
・アルコールで表面の油脂分を拭き、
・制作はボイルドリンシード(ルフランからブラックオイルとして売っています)
で・一発描きで下絵をせずにいきなり描いて終わることです。
・絵の具は油抜きをしてリンシードで練り直し、なおかつ・薄塗りを心がけて・・・・。
で・1年 乾燥させてからタブローを塗る。
いくらなんでもでもムリでしょ?
少しずつ進めていく方法をとる以外ない、そして制作時間を短縮し、なおかつ
耐久度を求める方法として提示しています。
時間をいくらかけても良いのなら希釈した樹脂を混ぜる必要はそれほどないですが、
混ぜたからといって不都合はそれほどありません。重ね塗りを容易にしてくれるでしょう
樹脂を混ぜるのは乾燥を速めるためなのですね。
やっと分かりました!
樹脂も種類を選んで薄めて使えばあまり細かいことを気にする必要は無いし、そうでもしなければ実際問題として制作に非現実的な時間がかかってしまうのですね。
大変よく理解できました。どうもありがとうございました。
No.10
- 回答日時:
回答 No.6です。
あまり神経質にならなくてもいいですよ。
本質は油絵で何を描くかということです。
(1)何を描くか?(モチーフ、イメージなど】
(2)どう描くか?(薄塗り、厚塗り、ナイフ画・・)
(3)そのためには下地、下塗り、をどうするか?
の順番で考えなければ下塗りにどのオイルを使うか
決まりません。
難しく考えれば、絵具の載せ方も、うす塗りか
厚塗りかナイフで盛るのか、削るのか
貼り付けるのか・・色々な計算の元で
下地、下塗りなどを考えるものだと思います。
実際ナイフ画を描き、後で削ることを想定して下塗りした場合
削って出てくる色と乗せた色とのバランスを計算して
亀裂、剥離などを考慮してオイルの選定も考えます。
仕上がる絵がどうなるのかで下塗りは変わってきます。
描く絵が人によって違えばその下地作りから下塗り、
描画方法は千差万別だと思います。
とりあえず絵を描いて失敗してから学べば良いと思います。
はじめから完璧を求めないで油絵セットについている
絵具とオイルでキャンパスに絵を描いてください。
そうすれば乾燥速度、つや、など実体験できます。
混色、重ね塗りなど時間と乾燥速度の実感を
味わえば次に活かせます。何枚も描いて失敗を繰り返して
行けば自分が望む下塗りのオイルの選定も可能になります。
絵を描くことが第一です。
楽しんで絵を描いてください。
No.9
- 回答日時:
追加補足
ハーレムシッカティフ
乾燥促進剤のシッカティフ・ブラウンシッカティフとは別物で
コーパル樹脂とスタンドリンシードが主成分のオイルです。
発色がよいです。
ベネティアンテレピン
コレも揮発性油のテレピンとは別物の樹脂になります。
樹脂は硬化が早く、彩画中に筆が取られ易くなりますが、この樹脂は
揮発、硬化がコーパル、ダンマルより遅く、細密画などに最適な樹脂です。
タブロー
完成した油絵に塗るニスです。
グレーズ
おつゆで明度を下げ透明な感じを出す描き方です。
ハーレムシッカティフとベネティアンテレピンについてはなんとなく上質の乾燥剤と揮発油だと思っていて、それが原因でしょうか、No.9の回答を拝見していて少々混乱したような感じがあったのですが、まさか両方とも普通のシッカティフやテレピンとは全く別物の、樹脂であるとは思いもしませんでした。非常に的を得た補足を頂きありがとうございます。
親切に分かりやすく教えてくださり、感謝しております。
No.7
- 回答日時:
オイルと一括りにしてしまうと判りにくいですね。
乾性油は、絵の具の色の粉を画面に接着するもの(空気で固まる接着剤=樹脂)
揮発油は、薄め液(水彩で言うと水に相当するもの)
と別のものとして考えた方がいいと思います。
顔料(色のもと)に対して樹脂の量を多くすると絵の具の透明感が増します。
また、樹脂の層が厚くなると光の反射の具合がかわります。
顔料の割合が多い層ですと表面で光が反射しますが、
樹脂分が多く透明度の高い絵の具層ですと、光が表面と、下の層の複数の箇所で反射します。
色紙とセロファン紙を想像すると判りやすいかと思います。
前者は光を表面で反射しますが、後者は光が透過し下の層でも反射してきます。
厚い地塗りでしたら、買ってきたキャンバスと同等の下地を厚く塗ればいいと思いますよ。
安価なキャンバスでしたらアクリルジェッソで処理してあるのが普通だと思いますので、アクリルジェッソを使用して地塗りをすればいいですし、キャンバス地の目を消したければ「白亜」や「砂」(画材店に適した砂が売っています)を混ぜたものでもいいですね。
下塗りの段階で透明感を加えてどうするのだろうと疑問に思いましたが、どうやら下塗り、上塗りを含めた全体的な発色や透明感に影響するということですね。
しつこく質問してしまいましたがご対応下さりありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
下塗りに使って問題は無いと思います。
ただ乾燥が遅いので次の作業になかなか入れないため
揮発性油を少し混ぜると使いやすいです。
問題は無いのですか!?。一体どっちなんでしょう?なんだか分からなくなってきました。そんな神経質にならなくてもよいということですか。
No.5
- 回答日時:
先の質問にも回答させて頂きましたが、乾性油は空気と反応して硬化します。
下地に限らず厚い乾性油の層を作ってしまうと、表面部分が硬化してしまい中層が空気と触れずにくく硬化反応がし辛くなり、表面にしわが寄ったり、長期の保管ではひび割れ等が発生したりします。
また、乾性油の硬化には半年から数年かかります。
完全に硬化した樹脂の表面へは新たな絵の具がつき辛くなりますので、硬化してから描くというのもお進めできません。
油性地塗りではオイルの量を最小限度にするというのは、この理由と、上層との接着をよくするためでもあります。
堅牢な画面を作るためには適度な乾性油の量保つ事が重要だと思います。
先の方の回答にも書かれていますが、生キャンバスを用いる場合の地塗り(基底材)には、水性のもの(アクリルジェッソ)や、乾性油を用いたも(鉛白とリンシードオイル)のが用いられますが、画材店で一般的に購入されるものであれば地塗りされているものではないでしょうか?
下地というよりも、白以外の色にしたり、グリザイユやカマイユの下塗りということであれば、揮発油で薄めて粘度を下げた絵の具で描くというのが普通ではないでしょうか? この場合は、顔料の割合に比較し樹脂分を増やす場合は乾性油だけではなくダンマルワニスなどを混ぜて使用する場合もあります。
先の質問であつがましいお願いをしたにもかかわらず、快く応じて下さりありがとうございます。
すいません。少し混乱してきました。
>また、乾性油の硬化には半年から数年かかります。
>完全に硬化した樹脂の表面へは新たな絵の具がつき辛くなりますので、
>硬化してから描くというのもお進めできません。
乾性油と樹脂は全く別のものと思っていましたが、乾性油が硬化したものも樹脂と呼ぶ場合があるのでしょうか?
>この場合は、顔料の割合に比較し樹脂分を増やす場合は乾性油だけ
>ではなくダンマルワニスなどを混ぜて使用する場合もあります。
下塗りに樹脂分を増やす場合とはどのような必要性があってそうするのでしょうか。
下塗りに樹脂を用いるとその上に塗った絵の具が付きにくくなってしまうからよくないと解釈しておりましたが・・・
それと画材店で買ったキャンバスは地塗りがしてあるといっても薄いので、キャンバス目が見えるのが嫌なんです。だからその上から自分で厚い地塗りをしようと思っています。
No.4
- 回答日時:
「下塗り」と「地塗り」を使い分けていないので意味がはっきり取れないんです。
質問文だと「キャンバスへの地塗り」のことを指してるように読み取れます。
下地を塗る絵の具も市販されており、ほとんどのものはリンシードオイルを使っていると思います。
(一部にアクリルを使ったものもありますがね)
純粋に色の下塗りという意味であれば、前の回答が的確だと思います。
地塗りと下塗りは違う工程なのですね。
今まで漠然と混同して考えておりました。ご指摘を受けて目が覚めるような思いがしました。どうもありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>>No2ですが補足です。
下塗りというのをどの部分とするかですが、下絵に用いる場合やキャンバスに
色味をつける場合のみなら揮発製油で良いですが、(前回の書き込みは下絵塗りの
話ですね。)
キャンバスの目を潰すように全体を覆う下地塗りはチューブから出した絵の具
を油抜きし、ほんの少しリンシードを混ぜて塗るのが良いです。
そのときのベースはシルバーホワイトに色を混ぜましょう。
(出来るのなら顔料をリンシードで練って作る、練れるギリギリの油の量で)
揮発製油だけで下絵は大丈夫か?ですが、絵の具そのものに乾性油で練られて
いるのですからその油で十分です。溶きすぎなければ。
本来なら揮発製油に樹脂などを少量混ぜますのでその樹脂が硬化して保護します。
まあ下絵はふき取ったりされる目安の絵でしかないので上塗りの一層目のほうが
大事なんです。細かいことは気にしないことですね。
親切に補足して頂きありがとうございます。
下塗りといってもいろいろな場合があるのですね。いままでそれらを漠然と混同して考えていました。恥ずかしいことばかりです。
ところで
>本来なら揮発製油に樹脂などを少量混ぜますのでその樹脂が硬化して保護します。
これは下地塗りではない、下絵のことですよね?画材屋の樹脂の売り場で注意書きを見たことがありますが、樹脂の上には絵の具が付きにくいので、樹脂を絵の具に混ぜて使う時は上塗りだけにして下さいとかなんとか書いてあったのを覚えています。下絵に用いてもいいのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
その本には書かなければいけないことが何個か抜けています。
まず、下絵やキャンバスに色味をつけるときに揮発製油を使うのは
面積を広げられるからという理由もあるのですが、どちらかというと
その理由はどうでも良いです。
ツヤ引けを防ぐ為という最も重要な理由が抜けています。
油絵というものは描き初めからだんだん乾性油や樹脂の量を増やして描く画材です。
乾性油というものというより油分というものは理論上は永久に乾燥し固形化
しないモノなので、油が濃いほうに移動するという性質を持っています。
つまり乾いているように見えて乾いてはいません。硬いゼリーと考えてください。
なので油を任意の層に留めておかないと、将来的に表面が弱くなる可能性が高く
下地に乾性油を混ぜる行為はあなたが思っている堅固な下地とは全く
反対のことを行なっていることになります。下に油が移動するわけですから。
それよりも描き進めるうちにツヤが引いて、明度が変わるので到底描けたモンでは
ありません。
下の層は上の層より溶き油を少なくなるようにする。
上の層は下の層より溶き油を多くする。
これは絶対に守ったほうが良い手順なのです。
ですから買ったばかりのチューブが油が分離して上方に油多いときは紙などで
一旦吸わせて油抜きを行なったほうが良いです。
下地を塗るときの絵の具や、パレットに置くときも油抜きは行なったほうが良いですね。
で任意の量の乾性油を加えて練る。これでOK。
それともう一つ、揮発製油とありますが、できるだけテレピンかスパイクラベンダー
を用いること、ペトロールやαピネンはホントは油絵には少し不向きな画材のようです。
ラッカー系塗料や値段のこともありペトロールなどの石油系揮発油は置いてありますが
画面に使用する場合はテレピンを使用するほうがどちらかというと適しています。
※ツヤ引けが起こった場合は加筆用ニスを引いた部分に塗ることで
補えます
お礼が遅くなってすみません。
下塗りに揮発油をつかうのはそういう理由からだったのですか。
今まで全く知らずに描いてました。恥ずかしい限りです。
一般人とありますが美大かどこかのご出身ですか?専門家の方からとても分かりやすい解説を頂いたような気がしております。
どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
リンシードとポピーオイルでは同じ乾性油でも乾く早さが全然違うのですね。何も知らずに買ってしまうところでした。
しかし私が知りたいのは、乾性油の性質ではなく、下塗りの段階で普通用いられる揮発性油の変わりに乾性油を用いた場合、その乾性油の性質が何か災いしないだろうかという懸念です。例えば上から塗った層が剥がれ易くなるから逆によくないとか、そういった類のアドバイスを望んでおります。
でも良いサイトを紹介していただき感謝しております。ありがとうございました。
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