No.3ベストアンサー
- 回答日時:
ANo.1さんの補足ですが
(1) 膜厚方向に熱を伝える場合、コーティング膜の熱抵抗 Rf < 基板の熱抵抗 Rs ならば、全体の熱抵抗 R < コーティングなしの熱抵抗 Rs となるので効果があります(抵抗の並列接続と同じです)。
(2) 膜厚方向に熱を伝える場合は、全体の熱抵抗 R は、コーティングなしの熱抵抗 Rs より必ず大きくなりますので効果はありません(抵抗の直列接続と同じです)。
ただし、(2)が言えるのは、添付図のように、上面の温度が一様な場合(熱源が全体に広がっている場合)で、熱源の面積が小さくて、上面の一部分だけに熱源がある場合には、コーティング膜が熱を横に広げる効果があるので、全体の熱抵抗 R が、コーティングなしの場合の熱抵抗 Rs より小さくなる場合があります(コーティング膜の膜厚と熱伝導率が大きいほど効果大)。この式は複雑なので書きませんが、このように、熱を横に広げる効果を利用したものを「ヒートスプレッダ」といいます。
この回答へのお礼
お礼日時:2010/02/03 10:02
図を添えての丁寧なご説明、ありがとうございます。
ということは、熱の流し方によっては、
薄膜による熱伝導率の向上もあり得るという解釈で良いのですね。
大変参考になりました。
No.1
- 回答日時:
そういう時は熱抵抗で考えると簡単です。
熱伝導率の逆数である熱抵抗率を用いて、熱抵抗は
「熱抵抗=熱抵抗率×長さ÷断面積
と表されます。
また、熱抵抗は直列つなぎで足し算になります(電気抵抗が直列繋ぎだと足し算になるのと同じ)
「薄膜をコーティング」した場合も、熱の流れは「薄膜→元素材」の直列になりますから、
「全体の熱抵抗=薄膜の熱抵抗+元素材の熱抵抗」になります。
「熱伝導率が高い」「膜」ということは、そのコーティング部分については
「熱抵抗率が小さく」「熱の伝わる長さがほとんど0」なわけで、その熱抵抗(=熱抵抗率×長さ÷断面積)はほとんど0になります。
ですから、「全体の熱抵抗≒元素材の熱抵抗」ということになります。
言い換えれば、「熱伝導率高い薄膜をコーティングしても、熱伝導率はほとんど変わらない」ということです。
逆に、熱伝導率の非常に低い膜をコーティングした場合は、
上述の「薄膜の熱抵抗」がそれなりに大きくなりますから、
直列になった結果、全体の熱抵抗は元素材の熱抵抗よりも高くなり、
熱伝導率で言うなら、全体の熱伝導率は下がることになります。
この回答へのお礼
お礼日時:2010/02/02 14:26
さっそくのご回答ありがとうございます。
つまり、薄膜による熱伝導率の向上は認められないという判断でよろしいのですね。
参考になりました。
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