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こんにちは。心理学を大学で学びたいと思っている高校生です。
ですが、親に就職の問題から心理学科への進学を禁止されてしまいました。そこで質問なのですが、
・1~4年次に、大学で学べる心理学とは具体的にはどのようなものですか? 統計やプログラミングが前半では全てを占め、実際に心理学っぽいことをするのは、最後少しだけ、と聞いたこともあるのですが。

・また、心理学は独学でできる学問なのでしょうか? 教わる人がいないので、本を参考にするしかないと思うのですが……。

A 回答 (2件)

大学で心理学を教えています。


私自身は、文学部心理学科で実験心理学を専攻し、修士課程修了後、病院に就職しました。
現在は、臨床心理士資格と博士号を持ち、医療系の学部で教えています。

さて、心理学科への就職を禁止されてしまわれたとのことですが、ご両親の誤解もあるかも知れませんので、次の本を入手して、基本的な知識を得られることをお勧めします:
海保博之(著)(2003):心理学ってどんなもの.岩波書店(岩波ジュニア新書#427),¥740.
学校や自治体の図書館にも所蔵されているかも知れませんし、新刊書店や中古書店で入手も可能です。
高校生向けに心理学とはどういう学問であるのか、大学ではどういうカリキュラムで学ぶのか、卒業後の進路はどうなっているかがまとめられています。

大学でのカリキュラムは、心理学の概論に始まり、実験や調査、テストの基本を学ぶとともに、次第に認知、社会、発達、臨床などの各論の授業を受けていきます。
実験、調査、テストなど心理学の方法と並んで、心理統計も多くの大学で必修科目になっています。
数学がある程度できた方がよいのですが、心理学はいわゆる文系の学部に含まれることが多いので、理系ほど数学の知識・能力を必ずしも要求するものではありません。
3~4年生になりますと、自分の専攻分野を決め、演習(いわゆるゼミ)で論文を読んだり、卒業研究の準備をするようになります。
多くの大学では、卒業研究が必修となっていますし、英語の論文を読むことも多くなります。
具体的には、どこかの大学の心理学科のWebサイトなどでカリキュラムをご覧になると良いと思いますが、おおむねこのように、概論・研究法などの基本的な内容から、個別の心理学領域の学習に進み、それと並行して、卒業研究を行うという学び方になります。

心理学は、いずれにしても、具体的な人間行動に関する学問ですので、実験、調査、観察、テストなどを通して、広い意味でのデータを取って実証的に検討していきます。
そのためには、一定のきちんとした方法論を身につけることが必須です。
独習では、これらの実証的な検討について十分学ぶことができません。

就職に関しては、臨床系を望まれるとしたら,臨床心理士資格認定協会が認める大学院修士課程に進んで、臨床心理士の資格を取得することがよいと思いますが、臨床心理士の資格があっても、正職員としての採用はかなり少ないと理解してください。
現在では、心理学を専攻する学生数は、かなり多いので、多数の人たちは、普通の企業や公務員など多様な就職先を選んでいます。

心理学を学んだ人たちは、研究方法を学び、英語論文を読み、統計の基礎を知っていますので、さまざまな分野の仕事を遂行する上で、意味のある知識・スキルを獲得しており、私自身は、人材として重宝されると考えています。
就職後すぐに心理学を学んだ知識を生かせなくとも、次第にそういうことがらが生かせる職場に配置されることもあります。
長い目で、また、広い視野で活躍する場所を求めることが大切かと思います。

とりあえずは、最初にご紹介した本を是非お読みになることをお勧めします。
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この回答へのお礼

詳しいご回答有難うございます。
両親の件ですが、心理学部に私を入れることを嫌がっている理由は『正職員としての採用はかなり少ない』であると思います。ですが、本のほうは読んでみたいと思います。読了後、両親に話をさせていただきたいと思います。

お礼日時:2010/03/10 19:47

年度末という時期が要因なのでしょうか、同じような質問が続きますね。


ちょっと前にこちらでも回答をしたので、ご参考になれば。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5729300.html

カリキュラムですが、私の経験から大雑把に言いますと……。
1年生では心理学とはなにか(歴史と全体像)について、統計の基礎、あとはひたすら一般教養科目ですね。
2年では論文の書き方、統計の各論(分析方法の違い)をやりました。
あと心理学の各論(認知とか臨床とかの「〇〇心理学」レベル)も2年から選択できるようになりましたので、以後卒業まで色々とつまみ食いしました。
3年ではゼミが始まり(プログラムはここで覚えました)、4年で必須なのは卒論だけですね。

> 実際に心理学っぽいことをするのは、最後少しだけ
これは確かにその通りで、心理学はデータをとってこそ、というところがあります。
そして、データを取るためには相応の下準備が必要で、さらに折角データを得てもそれを分析できなかったり、うまく論文にまとめられなければ無駄になってしまいます。
そのために前半に実験のやりかたや統計の授業が入っています。
だから実際に研究をするにしても3年の後期からとか、場合によっては卒論用に一つ実験をして終わりということもあるでしょう。
なお、そもそも実験自体が世間的には心理学っぽくないというのも、そのような評判の一因かもしれません。
蛇足ですが「心理学とは何か」を知るための本として、私も一冊お薦めしておきます。
道又 爾 (2009) 心理学入門一歩手前 勁草書房

> 心理学は独学でできる学問なのでしょうか? 
断言してもいいですが、無理です。
各論の知識は本で得られますが、そこまでです。
データを取って、分析して、まとめる。
この過程すべてに心理学のスタイルや作法があり、それは実際にやって指導をうけないと身につかないと思います。
野球未経験の高校生が、プロ野球を見て、スポーツ雑誌の解説やテクニックを読み、それで甲子園でやれる気になっているのを想像してみてください(実際にはレギュラーすらおぼつかないでしょう)。

最後に就職の件ですが、心理学専門職の正職員としての採用がかなり少ないのは事実です。
でも、あなたは今の時点で「心理学者」、もっといえば「学者」になりたいと思っているのですか(専門職というのはそういうことです)。
どの分野にいっても学者になるのは狭き門で大変ですから、ご両親の考えを突き詰めていくと、どこの学部にも進学できなくなってしまいますよ。
一般の企業は学部・学科ではなく卒業年度を基準に採用をしますし、私は専攻を理由に就活が妨げられたことはありません。

やりたいことがやれるようになるといいですね。
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