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ミャンマーの政治について質問があります。
ミャンマーの政治は社会主義ですか、実際には社会主義国家として、どれくらい機能しているんですか?
またなぜあれだけのデモが起きるのでしょうか?回答お願いします。

A 回答 (1件)

 現状の国家運営が出来るくらいには、機能しています。



 デモが起きるのは、民主化すれば、欧米からの投資が行われるようになり、豊かになれるという国民の期待が大きいからです。 

 発展途上国が経済的に発展するには、強い政治体制のもとで外資導入をやるのが早道です。
 韓国・台湾・シンガポールなどに続いてマレーシアなどがその道をたどっています。

 ミャンマーは、建国当初、イギリスの植民地政策による経済的収奪に苦しんだ記憶が強く、第二次世界大戦後は、アメリカの中南米・アフリカに対する経済支配を見て警戒し、外国資本を排除したミャンマー独特の「鎖国的社会主義」を目指しました。

 元々、仏教思想による助け合いの精神が社会に強く根付いており、競争社会=自由主義よりは、協調社会=社会主義的な体制のほうが、抵抗感が少なかったという面もあります。

 そのような体制でスタートしたのですが、実際の社会的状況として
1、多民族国家で、強い政治力・軍事統制がないと国家が分裂する可能性が大きい。
2、植民地であったため、行政その他の運営能力のある、中堅層が育っていない。
3、仏教的協調主義が、企業運営に対応せず、納期や組織運営が時間通り行われない。

 という現実につき当りました。

 資本主義の発達した社会では、民間企業が効率的に運営され、そのような環境で育った人材が、政権運営を行う文民政治が可能です。
 ところが、植民地であったミャンマーには、民族資本による民間企業というものがなく、行政運営が可能な人材が、民間にいなかったのです。

 発展途上国ではこのようなケースが多いのですが、ミャンマーもその例外ではなかったのです。
 このような国では、計画・指示通り時間を守って組織を運営するノウハウを身に付けた人材を多数、供給可能なのは、「軍隊」しかありません。

 結局、前記のような困難に直面し、政権運営が行き詰った結果、「軍がクーデタ―を起こして軍政に移行」ということになったのです。

 軍政下で、貧乏なりに安定した社会として機能していたミャンマー政権でしたが、ソ連崩壊による社会主義の行き詰まりとアメリカの経済支配のゆるみの中で、外資導入によって経済発展を手に入れるアジアの国が出始めたため、軍政から民政への移行と社会主義の放棄によって、経済発展を得たいという国民の期待が高まり、それが民主化運動となって噴出しました。

 韓国・台湾などは独裁政権下で外資導入を行い、経済発展によって民間企業が育った後の民主化でしたし、シンガポールやマレーシアでは、リー首相・マハティール首相による長期政権のもとで、民主化可能な国家組織にが徐々に整備されました。

 ミャンマーの場合、そのような政治体制の準備が出来ていないにもかかわらず、一気に民主化が盛り上がってしまい、軍は、民主化に伴う内政の混乱を目にして、民主化を停止してしまいました。(ミャンマーよりはるかに経済発展し民間の人材があるタイでさえ、現在は政治的混乱の最中です。)

 軍の民主化停止の動機
1、内政の混乱で、国内の少数民族の独立運動が活発化
2、内政の混乱で、戦闘地域の部隊に補給物資の供給が停止・遅延する。(自分や部下の命がかかっています。)
3、軍の将校は、ビルマ社会のエリートが集まっていて、国家の将来に対して責任感が強い。

 現在、ミャンマーの軍事政権としては、中国のように民主化しない状態で外資導入を行って、国内の中間層を育成したうえで民政に移管したいとの考えで、アセアン諸国もそれに理解を示し(アセアン諸国はミャンマーと同様の苦境を実体験した国々がほとんどです。)、アセアンに政治的に近い日本も、軍事政権下のミャンマーに比較的積極的に経済援助を行っていました。
 しかし、欧米諸国は人権侵害を理由に経済協力・民間出資を規制しており、結局は日本も同調する形となっています。

 同じように人権侵害が問題となっている「中国」に対しては、欧米先進国も多額の投資を行っているのに、ミャンマーに対しては規制するというのは、ダブルスタンダードと言えるかもしれません。
 しかし、現実にミヤンマーに対する先進国の投資はほとんどなく、民主化を実行できる中間層は育っていません。

 尚、現在は「中国」だけがミャンマーに対して、資本投資を行っています。これが今後どのような影響を与えるでしょうか。
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