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回折格子を通った光はなぜ干渉するのでしょうか?
高校の教科書や参考書などでよくみる図だと、回折格子を通ったあとの光はすべて平行に進んでいますが、平行という事はいつまでたっても干渉しないんじゃないかな、と不思議におもいました。

よろしくお願い致します。m(__)m

A 回答 (7件)

まず高校の時に習ったホイヘンスの原理を思い出して下さい。


ホイヘンスの原理は、

ある波面があったとします。ここで簡単にするためにそれは平面波としましょう。
その波面の個々の点をすべて点光源と見なします。
次にその点からの球面波をすべて干渉させます。
すると、その合成された波面もまた平面波になります。

光はこのようにして進んで行きます。

ここでもし途中に等間隔の回折格子があり、一部の光が遮られると、干渉して合成した波面はもとの波面より傾きます。しかし傾くだけで形は平面波のままです。
つまりこれにより回折という現象が起きるわけです。
回折格子を通ったからと言って、平面波が平面波でなくなることはありません。
平行に入射した光と考えると考えにくいですが、ホイヘンスの原理に基づいて点光源の集まりとしての平面波が入射したと考えればそのままその平面波の面が傾くだけだと考えるとわかりやすいです。
ですから平行というのは近似ではなく平行なのです。

ホイヘンスの原理とは、光は点光源の集まりであり、それらが干渉して一つの光の束となり進んでいるという考え方です。

現在は、ホイヘンスの原理では後進波(後ろ向きに進む波)がないことを説明できませんので、これを修正したフレネル=キルヒホッフの回折が使われています。
なお、厳密に式を解くと、波面が平行なまま永久に進むためには、その波面が無限の広さを持っていることが必要になりますので、実際には少しずつですが平行からずれていきます。
その意味では厳密に平行な光というのは「現実には」ありません。でも「理論的には」存在できます。

もしまだわからないことがあれば補足下さい。
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この回答へのお礼

詳しくありがとうございます。

一本の光でなく、波面で考えるんですね。
勘違いしてるとまずいのでちょっと確認させてください。

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右にあるのが回折格子のつもりです。
左にあるのが光の波面のつもりです。
こんな感じのことですよね?

>しかし傾くだけで形は平面波のままです。
これは回折格子の性質によっておこるんですよね。

>つまりこれにより回折という現象が起きるわけです。
ごめんなさい、「これにより」というのは回折格子によって傾くことを指すのでしょうか?
回折というのは、球面波でおこるのかなって思ってたのですが。

>ホイヘンスの原理とは、光は点光源の集まりであり、それらが干渉して一つの光の束となり進んでいるという考え方です。
これは覚えておきたいと思います。

脈絡のない文章になってしまいましたが、教えて頂けたらうれしいです。

お礼日時:2003/06/27 21:20

>dsinθ=mλ


このθが傾きになります。d、λは既知だから傾きθを求めることが出来るわけです。
ここで、m=0 が0次光になります。θ=0ですから傾かないわけですね。
mは0, +1,-2,+2,-2...と複数ありますので、複数の回折光が得られます。

高校の範囲ではこれで十分ですが、ではこの0次光、1次光、2次光に光が別れるとして、それぞれの光の強さはどの位という問題になると上記の式だけでは求められなくなって、先程述べた積分が必要になってきます。

特殊な場合(これは大学レベルになりますので割愛します)を除くと波の進む向き(つまり光の進行方向)は、最終的に合成された波面に対して垂直方向に進むという性質があります。
光の波面->点光源の集まり->積分して新たな波面が出来る->その波面に垂直に光は進む
を連続的に繰り返されて進んでいるというのが起きている現象なんですね。

積分や微分というのは、色んな物理現象を説明するためには欠かせない、非常に重要な概念です。
高校で習う理由は、将来色んな分野で使われるためなんですね。
(たとえ経済学であっても出てきます。文学なら積分は必要ないでしょうけどね。)

これで、少し物理に興味を持ってもらえたらうれしい限りです。
では。
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この回答へのお礼

何回もお聞きしてしまって申し訳ありませんでした。
何気なく使っていた公式もおくが深いなあと思いました。
参考にさせていただきます(^^)
ありがとうございました。

お礼日時:2003/06/29 14:04

自分自身よくわかってなかったみたいでした。


前の回答はおかしいです。
《訂正版》

ホイヘンスの原理で回折格子を出たそれぞれの光は放射状に広がります。
それが干渉しあって特定の場所で強めあう(弱めあう)光ができるわけです。
回折格子を通った光は本当は平行ではないのですが平行に近似してあるだけです。

まずを回折格子を通って光が放射状に広がっていきます。
教科書や参考書にある回折格子を通った直後に平行な(に見える)光は十分遠いスクリーンである一点に交わる光の経路を書いただけのものです。
それが強めあうかどうかをdsinθ=mλ見たいな式つかって調べるってわけ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
参考にさせていただきます(^^)

お礼日時:2003/06/28 23:21

お書きになった図で、どんどんとホイヘンスの原理で波面を進めていくと、やがて回折格子に到達しますね。



ここで、回折格子により「周期的に一部の光が遮られます」。
するとですね、今までは波面上にとぎれなく点光源が集まっていましたが、回折格子のところでは、点光源が集まっているところ、点光源が無くなったところ、という形になります。


|回折格子の遮光される部分


* <-*は点光源のつもり


|回折格子の遮光される部分

が繰り返されるわけです。
このときにこの遮光されなかった残りの点光源による新たに生成される波面を求めると、前の波面より傾いた平面波が現れるわけです。
実際には回折格子では、元と同じ波面(これを0次光といいます)、傾いた波面1(+1次、-1次と2つ現れます)、傾いた波面2(+2次、-2次でまた組で現れる)、、、、、と複数の波面が出来ます。

これが回折格子による「回折」という現象です。
ですから回折光を求めるときにはフレネルキルヒホッフの回折式(ホイヘンスの原理の改良版)を使い、点光源を積分して求めます。

しかしながら、平面波の回折を求めるような場合には、もっと簡単に求めることが出来て、その計算は隣り合う回折格子の穴同士で、光路差が強め会う条件を求めればよいという、教科書に載っているような図で考える方法でも計算できます。
ご質問にある
「回折格子を通ったあとの光はすべて平行に進んでいます」
という疑問は、ある意味もっともで、これは、

・点光源をホイヘンスの原理で積分して生まれる波面は傾いた平面波となる
・その傾きを図示すると、教科書で見られる図のような特性、式になっている

ゆえにその特性を利用して計算すれば傾きを求められる。

ということなのです。ですから原理はあくまでホイヘンスの原理であり、そのまま計算するのは大変なのでその特性を利用して計算しているということなのです。
もちろんこの特性は波の干渉の原理に根ざしており、ホイヘンスの原理に特定の条件(格子が周期的になっているという)が付けられたときには本質的にそうなるという特性ですから、単に便宜的な物ではなく、これもホイヘンスの原理+回折格子で生まれる原理なのです。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。

>ですから回折光を求めるときにはフレネルキルヒホッフの回折式(ホイヘンスの原理の改良版)を使い、点光源を積分して求めます。
こんな大学に行ったら、こんな方法で求めるんですね。

>・点光源をホイヘンスの原理で積分して生まれる波面は傾いた平面波となる
積分て面積を求めるものなのかと思ってたのですが、いろいろなところで役に立っているのですね。
難しいですが。、とりあえずなるものはなるのですね(^^;

>・その傾きを図示すると、教科書で見られる図のような特性、式になっている
>ゆえにその特性を利用して計算すれば傾きを求められる。

ごめんなさい、これについてなのですが、教科書の回折格子のテーマところで式はdsinθ=mλしか載ってなくて、傾きの話は出てこないのですが、傾きを求められるとなにができるようになるのでしょうか?
傾きという事は、tanθの値のことなのでしょうか。
ちょっとよくわからないのですが、よかったら教えて下さいm[__]m

お礼日時:2003/06/28 23:20

ONEONEさんがおっしゃっておられるように、平行というのは近似です。


回折格子で反射あるいは透過した光が観測点で1点に集まって観測されるわけですので平行ではないのですが
回折格子から観測点間が(格子定数に比べ)十分大きいので平行とみなすことができるということです。
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この回答へのお礼

平行っていうのは近似なんですね。

>回折格子から観測点間が(格子定数に比べ)十分大きいので平行とみなすことができるということです。

そのとおりだと思うのですが、光の波長というのは6-7×10^-7mくらいですよね。
ちょっとの誤差も光の波長が小さいだけにえいきょうしちゃうんじゃないかなって思うのですが、その心配はしなくてもよいのでしょうか?

良かったら教えて下さい。
ありがとうございました。

お礼日時:2003/06/27 20:30

ホイヘンスの原理で回折格子を出たそれぞれの光は放射状に広がります。


それが干渉しあって強めあう光ができるわけです。(これが平行になっている光)

その強めあった光は本当は平行ではないのですが平行に近似してあるだけでです。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

>ホイヘンスの原理で回折格子を出たそれぞれの光は放射状に広がります。
それが干渉しあって強めあう光ができるわけです。(これが平行になっている光)

そうなんですね。
覚えておきます。


>その強めあった光は本当は平行ではないのですが平行に近似してあるだけでです。

とんちんかんなことを言っているかもしれないんですが、
平行に近似してある光の経路差をとって、強めあう・弱めあう条件を求めているんだと思うんですが(その経路差が、dsinθとならいました)

>その強めあった光は
という光はなんなのでしょうか?
干渉した光がまた干渉しているということなのでしょうか?

全然わかってないみたいです(^^;
よろしくお願いします。

補足日時:2003/06/27 20:19
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参考URLの図を見てください。


下から出た平行な光は回折格子のスリットを通ると球面波に変わります。
2つ以上のスリットがあると球面波同士が干渉し縞模様を作ります。
これは光が波であることを示しています。

参考URL:http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/rel …
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この回答へのお礼

URL参考にさせていただきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2003/06/27 20:18

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