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口蹄疫に罹った種牛、なぜ殺す

 口蹄疫に罹ると遺伝子が狂うのでしょうか。
 種牛がこの産業の原資であるなら、原資をなくすことは
 自殺行為だと思います。

 遺伝子が狂うのでなければ、殺すべきではないと
 思いますが、どうしてでしょうか。

A 回答 (9件)

 獣医師です。



 別に口蹄疫に罹患した動物の遺伝子が「狂う」わけではありません。
 口蹄疫の原因ウイルス(口蹄疫ウイルス)の感染力が桁外れに強いため、このウイルスに感染した動物は速やかに殺さないと感染拡大を阻止することができないために殺処分を行うことが法律(家畜伝染病予防法)で定められています。

 この殺処分は「患畜」だけでなく「疑似患畜」も対象になります。疑似患畜の定義はそれぞれの伝染病によって微妙に異なるのですが、口蹄疫の場合は「患畜の同居家畜」や「患畜と管理者が同じ家畜」は全て該当します。
 つまり、発症して口蹄疫と診断された牛と同じ農場の牛全て、またその管理者が別の農場の管理もしていた場合はその農場も含めて全ての偶蹄類家畜(罹患していようがいまいが)が殺処分の対象になります。

 種雄牛は確かに非常に貴重な原資です。特に宮崎の畜産の主力である黒毛和牛は日本固有の品種ですし、しかも都道府県単位で育種をしているため、種雄牛が失われるのは計り知れない損失です。
 でも、ウイルスが種雄牛を区別して感染してくれるわけはないので、罹患した場合はいかなる「特例」も適用できませんね。殺処分するしかありません。

 ただ、今回の宮崎の場合、本来殺処分対象となるはずの「罹患牛と同居していた種雄牛」のうちエース級の6頭は特例で別農場へ避難させました。そのうち1頭(よりによってエース)は後に罹患していたことが判り殺処分されましたが、残り5頭はなおかつ特例で殺処分の対象から外されていました。
 これは罹患していた場合は更なる感染拡大を招く危険性が高く、なおかつ「罹患してしまっている」可能性が非常に高いという点で、極めてリスクが高い賭けではあったと思いますが、2週間の経過観察後も陰性だったようで、奇跡的に「賭けに勝った」という状況のようですね。

 上に述べたような種雄牛の遺伝資源としての価値を考慮すれば、法律を曲げての「危険な賭け」であったわけですが、私個人的にはその賭をするだけの価値はあった、と思います。

 よその県の話ですが、伝説級の種雄牛がいたのですが、その牛は試算によると1頭で80億円以上の経済効果を稼ぎ出したそうです。その牛が天寿を全うして死んだ時には、副知事が出席して県葬が行われたそうですから。銅像も建ってますし。
 宮崎でも真っ先に殺処分された安平という牛は銅像が建てられている牛です。この牛は高年齢でもう精液は採取されていなかったのですが、余生を送っていたところに今回の口蹄疫に感染してしまい、殺処分されてしまいました。
 余談ですが安平が口蹄疫に罹患して殺処分されたというニュースはショッキングでした。それ以上に「まだ生きてたのか・・」という驚きの方が強かったですが。20年近く前に一世を風靡していた牛ですから。
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 補足です。



 なお、口蹄疫は普通の感染症と同じく、感染~発症~免疫~治癒という経過を辿り、持続感染(生涯ウイルスを保有して排泄すること)はしません。数年間の持続感染はする場合があるそうですが。また死亡率も低いので「なぜこんなたいしたことない病気がこんな大問題に」と疑問に思われがちなのですが、端的にいうと感染力が桁違いに強いためです。今回の宮崎ではそれをまざまざと見せつけてくれましたが。

 余談ですが、「早期出荷」とヒトへの感染の有無は関係がありません。
 早期出荷される対象家畜はワクチン地帯の外側の家畜であり、「ウイルスに罹患していない家畜」というのが前提になっています。ワクチン地帯の外側での発生があれば、また新たに移動制限区域が設定されるわけですから、その該当地域にいた家畜は「早期出荷」の対象から外れます。
 つまり「ウイルスが存在しない」ことが前提で出荷された牛や豚を食べたヒトが感染するリスクは基本的にはゼロです。もちろん前提は完全に保証されないのでリスクも完全にゼロにはなりませんが。

 また仮にヒトがこのような経路(感染動物を食べる)でキャリアになることがあるか?というリスクもゼロとは言えませんが問題にはならないレベルでしょう。

 そんなことを言えば、現在宮崎県では全国から獣医師を始めとした応援が集まって殺処分などの作業に従事していますが、彼らによって全国に感染拡大が起きないはずがないでしょう。

 私も宮崎に派遣されて7日間殺処分に従事していました。何千頭の豚が全て発症してヨタヨタとしか歩けないというような、気が遠くなるほどのウイルス量に暴露されて仕事していたわけですが、私も含めて多くの獣医師は、宮崎から帰れば通常業務で牛や豚に接する仕事をしています。
 その中には「感染」した人もいるでしょうし(症状が出なければ気づきませんが)、そのまま牛や豚に接する仕事を続けている人もいるでしょう。
 もうかれこれ1ヶ月半も、全国から延べにすると何千人という獣医師が集まってきて宮崎で仕事して帰っていっているのですが、もし「ヒトへの感染」が容易に起き、また「感染したヒト」から家畜へ容易に感染するのなら、今頃全都道府県で口蹄疫が発生しています。

 「ヒトに感染する」というのは事実ですが、その頻度や症状等を踏まえて公衆衛生的あるいは家畜衛生的にどのくらい重要か、という判断があるわけです。
 また、「感染したヒトがどのくらいのウイルス量を排泄するのか」も重要なパラメータになります。感染してもほとんど症状を出さない(臨床的には結果として感染しない)というのは、ヒトの体内ではウイルスがほとんど増殖しないことを意味します。つまり感染したヒトから再び家畜に感染するリスクは極めて低い、ということです。

 それよりは衣服や頭髪に付着したウイルスを持ち運んで牛や豚に接触することの方が遙かに現実的でリスクも高いことで(感染とは異なる「物理的伝搬」)、もちろん派遣従事者の物理的伝搬の防止対策は非常に厳重にとられています。
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口蹄疫に感染した肉牛は痩せて肉質が劣って商品価値が下がり,また乳牛は乳が出にくくなるとか。

さらに口蹄疫の非洗浄国からは輸出が困難になるそうです。
感染した牛を生かしておいても儲けが減るどころか,感染源となっていつまでも非洗浄国と認定されないので,メリットがないから殺処分では。
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口蹄疫は家畜の法定伝染病なので、一度発生すると、「家畜伝染病予防法」とその関連法規に従って殺処分することが決まっています。

それ以上でもそれ以下でもありません。

口蹄疫に感染した雄牛の精子にもウイルスは排出されるので、もしかりに精液をとり続けて冷凍保存するとウイルスは人工受精とともに拡散していきます。そのような愚かなことはできないと思います。

非常に厳しいことを申し上げるかも知れませんが、次の原資を作成すべく行動するほうが長期的な視野にたつとベターかと思います。感情論としては同意できますが、日本全国の牛・豚が感染する可能性は排除すべきだと考えています。
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単純に言うと他への感染拡大を防ぐためです。



口蹄疫は感染力が強く、また、ウイルスそのものも強い(不活性化しづらい)ので、感染が確認されたら速やかに殺処分する必要があります。
また、成牛での死亡率はそれほど高くはありませんが、幼牛の死亡率は50%にのぼることもあり、家畜にとっては非常に重要な病気です。したがって、人にうつらないからといって(本当は感染しないわけではありませんが)、放置しておける病気ではありません。

なぜ、感染していない牛や豚まで殺処分するかというと、感染から発症まで潜伏期間と呼ばれるものがあり、その間は感染していても分かりません。したがって、一見健康な家畜をそのままにしておくと、もし感染していた場合、その家畜がウイルスを排出してしまうため、感染が拡大することが考えられます。

感染拡大を抑えるためには、感染した家畜および感染の可能性のある家畜全てを殺処分して、外に広げないようにする必要があるわけです。
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 報道では、「人体へ感染はしない」と伝えられていますが、残念ながらこれは誤報。



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(2) WHO細菌性、ウイルス性人獣共通感染症専門部会報告(FAOの参加による)

Bacterial and Viral Zoonoses. Report of a WHO Expert Committee with the Participation of FAO. Technical Report Series, 682, p113, WHO, Geneva (1982)
FMDは人の皮膚に水疱を形成する疾病をおこすことがこれまで証明されてきた。家畜 でのFMD感染の最盛期に 人が感染した動物に密接に接触した場合に感染することがある。FMDウイルスは人の 咽喉頭部に保有されて一時的保 菌者(transient carrier)となる。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf9 …
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 先日、FAOの助けを断ったと報道がありました。
 これは意図的な隠蔽に他なりません。上記はFAOが発表した口蹄疫ウイルスに関する情報ですが、仮にFAOが関与すれば「人体にも感染する」と報じられる事になる。つまり、この「人体にも感染する」という情報を隠す為に、政府が意図的に断った訳です。

 URLにもある通り、臨床学的には「結果として感染はしない」とするものの、ウイルス工学的には「保菌者になるという意味で感染する」という訳。ですから、保菌者が通常の生活する事で突然変異の可能性もある。もちろん、動物園等へ行けば動物へも感染する。動物園での一部動物は殺処分ではなく治療ですから、そこからまた広がる。だから、報道にもある「早期出荷」は危険である事が言えるでしょう。あらゆる方向からモノを検討せず、一方の意見のみを採用して検討するからこういう事になるのです。
 この政権では早期終息は無理。まるでアテになりません。
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口蹄疫自体がとても強い菌なので、一粒の菌だけも爆発的に


増殖する可能性があり、人工的に回避できる事がまず稀になる。

遺伝子レベルでの話なら、口蹄疫に感染した偶蹄目全てを殺処分のしなくては成らなくなり、
子牛等も処分の対象になるし、人が食しても問題が出る可能性がある。
比較的に、日常のニュースで今回の口蹄疫の情報は詳細に報道されており、
口蹄疫に感染した肉を人間が食べても安全と言う報道は既にされている。
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口蹄疫は、治療方法が確立できておらず、発症した牛、あるいは、ウイルスを保有した牛を生かしておくと、感染が拡大するからです。



そのため、種牛であっても、殺処分の対象になるわけです。

ものすご~~~く、厳重に隔離して、他と接触させないようにしても、牛は苦しんで死んでゆくだけです。

ですので、感染が確認されない牛に関しては、殺さなくても良いと思いますが、発症してしまった件の種牛は、残念ですが、仕方なかったと思います。
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口蹄疫に罹っている牛がいると、牛が生きている限りウィルスを放出することになります。



隔離施設に隔離すればという考えもあると思いますが、ウィルスを持った牛がいることで、ウィルスを持っている牛を飼っている国として、清浄国と認められなくなるので、海外に対して和牛の価値も下がってしまいます。

感染してしまった牛は、ウィルスによって死ぬことは少ないと思いますが、そのうち自分で食事も取れなくなり、衰弱してしまいます。

感染していない牛まで殺してしまうのは、どうかと思いますが、全国的に広がらないように、そこまで感染力の強いウィルスなのでしょうね。
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