甲地の全部に乙地を要役地とする地役権の設定登記がされ、
その後に乙地について所有権の移転の仮登記がされた場合に
おいて、甲地から丙地を分筆し丙地について地役権を消滅
させる旨の分筆の登記の申請をするときは、その地役権者が
丙地について地役権を消滅させることを承諾したことを証する
情報の他、仮登記名義人が同様に承諾したことを証する情報を
あわせて提供しなければならない。
ということについてなのですが、
■この場合、当事者は誰にあたるのかよくわからない
のと、
不動産登記法40条の第三者にあたるのがなぜ仮登記名義人
であるのかわかりませんでした。
仮登記名義人が第三者となる理由も合わせて教えて頂きたいです。
■地役権者と仮登記名義人の承諾書が必要みたいですが、
地役権者の承諾書が必要というのはどういうことなのでしょうか。
というのは、仮登記がされているのであれば、
要役地である乙地の地役権者は【仮登記名義人】
ではないかと思ったので、どうして地役権者の承諾
というものが必要なのかわかりませんでした。
よろしくお願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>甲地の地役権者→乙地の所有権名義人
>甲地の地役権設定者→甲地の所有権登記名義人
そのとおりです。地役権というのは、要役地(乙地)の便益を図るために、承役地(甲地)に設定されるからです。
>でも問題にはよく「ある土地を承役地とする地役権のある土地を・・・」という言葉が出てくるので、承役地の所有権登記名義人は地役権者だと思ってました。
甲地(承役地)に「地役権設定」登記がなされると、登記官は、乙地(要役地)に「要役地地役権」という登記を職権でします。ですから、「承役地についてする地役権の登記がある。」というのは、甲地に地役権設定登記があるという意味です。「要役地についてする地役権の登記」があるというのは、乙地に要役地地役権の登記があるという意味です。
最後までおつきあい下さり、ありがとうございます。
きっと理解に相当時間がかかるだろうなあと思って
ましたが、おかげさまで乗り切ることができました。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>甲地の地役権者は乙地の所有権登記名義人ということは同一人物ということでしょうか。
そうです。承役地である甲地についてなされた地役権設定登記の登記事項に「地役権者の氏名又は名称及び住所」はありません。その代わりに要役地(の所在及び地番)が登記事項になりますから、要役地の登記事項証明書を取得することによって、誰が地役権者が分かります。
>甲地を承役地にするとき、要役地となる乙地の所有者は、甲地と同じ所有者でなければならないということはないですよね?
同じであれば、地役権を設定する意味がありません。甲地は自分(乙地の所有者)の土地なのですから。
>丙地について地役権を消滅させることを証するのは、甲地所有者(承役地の所有者)ではなく、乙地所有者(要役地の所有者)ですよね?
そのとおりです。
不動産登記法
(地役権の登記の登記事項等)
第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項 に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 要役地(民法第二百八十一条第一項 に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。)
二 地役権設定の目的及び範囲
三 民法第二百八十一条第一項 ただし書若しくは第二百八十五条第一項 ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条 の定めがあるときは、その定め
2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。
3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。
4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。
この回答への補足
いつもご親切にありがとうございます。
>甲地を承役地にするとき、要役地となる乙地の所有者は、甲地と同じ所有者でなければならないということはないですよね?
同じであれば、地役権を設定する意味がありません。甲地は自分(乙地の所有者)の土地なのですから。
↑ということは甲地の所有者と乙地の所有者は別人なのではないかと思うのですが、
最初の質問において、
>甲地の地役権者は乙地の所有権登記名義人ということは同一人物ということでしょうか。
そうです。
という部分について、なんでつまづいてるのかしばらく考えてみたのですが、
どうも、つまづいているところがおかしかったようで、
つまり、甲地の地役権者と甲地の地役権設定者が混同してるのでは
ないかと思うのです。
甲地の地役権者→乙地の所有権名義人
甲地の地役権設定者→甲地の所有権登記名義人
ですよね?もし、この解釈で合ってるなら理解できそうです。
でも問題にはよく
「ある土地を承役地とする地役権のある土地を・・・」
という言葉が出てくるので、承役地の所有権登記名義人は
地役権者だと思ってました。
丙地について地役権の消滅承諾書を提供しないといけないのは
・乙地の地役権者
・乙地の仮登記名義人
というところまでは理解できました。
よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
>要役地である乙地の地役権者は【仮登記名義人】ではないかと思ったので
「承役地である甲地の地役権者(地役権登記名義人と考えると良いかもしれません。)は、要役地である乙地の所有権登記名義人である。」が正しい文章になります。仮に「実体法」上、仮登記名義人に所有権が移転していたとしても、「登記上」は、単なる仮登記名義人にすぎないということに注意してください。例えば、乙地を分筆するとき、仮登記名義人が実体法上の所有者だとしても、分筆登記の申請人にはなりませんよね。実体法と手続法を区別して考えてください。
>仮登記名義人が第三者となる理由も合わせて教えて頂きたいです。
仮登記名義人が所有権移転の本登記を受ければ、地役権登記名義人になるからです。
ちなみに、NO.1の回答は、地役権の抹消登記という権利の登記についての話であって、ご質問の表示の登記(消滅承諾書を添付しての分筆登記)とは関係ありません。また、地役権の抹消登記の登記上利害関係を有する第三者の承諾は必要的承諾です。(不動産登記法68条)
この回答への補足
理解に時間がかかってしまい、すみません。
ご回答をありがとうございます。
仮登記名義人はあくまでも仮登記名義人であって、本登記が完了する
までは地役権者ではないのですね。
>「承役地である甲地の地役権者(地役権登記名義人と考えると良いかもしれません。)は、要役地である乙地の所有権登記名義人である。
という部分についてですが、
■甲地の地役権者は乙地の所有権登記名義人ということは同一人物ということでしょうか。
甲地を承役地にするとき、要役地となる乙地の所有者は、
甲地と同じ所有者でなければならない
ということはないですよね?
丙地について地役権を消滅させることを証するのは、
甲地所有者(承役地の所有者)ではなく、乙地所有者(要役地の所有者)ですよね?
No.1
- 回答日時:
問題分は先例或いは何かのテキストでしょうか。
一部に間違った記述と結論があると思われます。訂正するとこうなります。甲地の全部に乙地を要役地とする地役権の設定登記がされ、その後に乙地について所有権の移転の仮登記がされた場合において、甲地から丙地を分筆登記し、丙地について地役権を消滅させる旨の地役権の変更登記の申請をするときは、その仮登記名義人が承諾したことを証する情報をあわせて提供しなければならない。
この地役権の変更登記は、地役権の範囲を縮減させるため、甲地の所有権登記名義人を登記権利者、乙地の現在の所有権登記名義人であり地役権者である者を登記義務者として申請します。したがって、地役権者は申請人なので利害関係人とならず承諾を証する情報の提供は不要です。
また<要役地である乙地の地役権者は【仮登記名義人】ではないかと思ったので>について、仮登記名義人は地役権者ではありません。仮登記名義人は(将来において)確定的に所有権を取得し、その順位を保全する権利を有している者ですから、仮登記後に、その土地に付随する権利である地役権の範囲の縮減するについて利害関係を有しています。
ちなみに、この承諾を証する情報の提供は、付記で登記を受けるためのものであって、提供しなくても登記申請できます(不登法66条)。
また地役権の変更後の範囲が、一筆の土地の一部となるときは、変更登記の申請情報と併せて変更後の範囲を明確にした図面を提供することを要する(不登令別表36)とされています。
ありがとうございます。
仮登記名義人についての立場を勘違いしてしまってたようです。
詳しいご回答をありがとうございました。参考になりました。
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