No.3ベストアンサー
- 回答日時:
電気伝導と、熱伝導は、物性論の教科書をひもとかれれば、理論的にだいたい説明がつくことが割と簡単にご理解頂けるとおもいます。
小生は電気伝導性ない(すなわち絶縁体)、熱伝導のよい材料の開発にむかし従事していました。自分の知るかぎり実用化された材料でのチャンピオンデータはBeOでまさに圧勝でした。熱膨張経緯数もアルミナとほぼ同じことから半導体の熱拡散材料として、他に累を見ない材料でしす。ただ、毒性の問題でその使用が相当規制されており、国産されていないため(製造、加工が禁止されている)、相当量米国から輸入されているはずです(米国の一企業の独占)。次にAlNとかSiCが絶縁材料で熱伝導率が高いため注目されていますが、AlNは熱膨張係数が若干小さいこと、SiCはご存じ半導体でBeOを添加して絶縁性を得ていましたが(開発当時は、日本の世界的発明ともてはやされました)、それでもAlN以上に電気特性が良くないこと、それとやはりBeOが問題となり今はあまり使用されていないはず。最初の方がお答えになったダイヤモンドは熱伝導、絶縁性ともに極めて良好ですが、熱膨張係数があまりに小さすぎ、半導体とのミスマッチがひどく、大型チップへの対応ができないため、その用途は極めて限られてているはずです。有難うございました。
電気伝導と、熱伝導は必ずしも正比例の関係にないことが分かりました。
熱伝導のよい材料の開発をなされていたとのことなので、本質問からは離れるのですが、ついでに一つお尋ねしたいです。
このような材料開発というのは考えられる物質を試行錯誤的にいろいろ選んで組み合わせ、実験し結果をみるのでしょうか。
それともこの物質とこの物質を組み合わせれば、これこれの物理化学的諸元値を持った材料が得られるという結論が物理や化学の理論により導き出せるのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
Massy57です
熱伝導率、電気伝導率に関する材料開発、現状の延長でよいのであれば、ご質問のように考えられる物質を試行錯誤的にいろいろ選んで組み合わせ、実験し結果をみる手法や、この物質とこの物質を組み合わるなり、これこれの物理化学的諸元値を持った材料が得られるという結論が物理や化学の理論により導き出すといった手法(小生にしてみるとご提案された二つの方法に特段の差はない)をとるのが一般的です。
ただこれだけでは、いわゆる革新的な材料は生み出されないと考えています。
たとえば1985年の高温超伝導体などは、温度を下げると強誘電体に電子ドープすると半導体ー金属と転移することがしられている材料が10Kで超伝導へ転移する現象を研究していたIBMチューリッヒの研究者が、同じような相転移することがしれており、かつ半導体ー金属の転移温度は液体窒素温度付近と高温でる、La-Ba-Cu-Oペロブスカイトの超伝導転移温度を測定したのがきっかけです。これはたんなる幸運、偶然であり、当時の超伝導の研究者が100年かかっても高温超伝導現象は発明(発見?)できないと確信します。
小生のお答えは、理論的、経験的その他ありとあらゆる材料の組み合わせによる材料開発を材料研究者は日々積み重ねているが、革新的な新材料は、その研究の外の単なる偶然、幸運からしか生まれないというものです。
なるほど判りました。
材料研究の成功不成功には運が大きくものをいうということですね。
その点は漢方薬作りとか料理とかに似ていると思います。
あるいはギャンブルみたいなものかもしれない。
有難うございました。
No.2
- 回答日時:
固体での熱伝導と電気伝導とを対比して考えます。
電気絶縁体での熱の伝導では「格子の振動(振幅と振動数が熱エネルギーと考えてください)の伝播」により行われます。高振動部(高エネルギー部)から低振動(低エネルギー部)へと振動が徐々に伝播します。結合力が弱かったり高密度の物質では熱伝導が小さいことになります。一方金属では上述の格子振動に上乗せして「自由電子の運ぶエネルギーによる伝導」が加味されます。高温部(高エネルギー部)から低温部(低エネルギー部)へ電子が運動エネルギ-を運ぶと考えましょう。自由電子の運ぶエネルギーは格子振動によるものに匹敵します。ですから電気伝導が良い物質は一般に熱伝導がよろしい。
同一の金属でも電気伝導度を上昇させ(低下させ)ると熱伝導度は上昇(低下)します。物理的に良く解明されております。
No.1
- 回答日時:
物理には詳しくないので原理的なことはわかりませんが
ダイヤモンドは熱伝導率が大きく電気伝導率は小さかったはずです
この特性が好ましいので半導体の絶縁材料として研究されてたと思います
アスベスト、発泡スチロールに関しては空気の層が含まれていると思うので
純粋に物質自体の伝導率になっていないのでは?と思います
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