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癌関係のものにp53経路の異常という記述が多く見られます。

このp53経路とは,細胞周期調節系のp53タンパク質がS期サイクリン-Cdk複合体を阻害してG1期で停止させておく仕組みそのものをいうのでしょうか。それとも別のものを示すのでしょうか。

「経路」という言葉が何を指すのか解りません。検索しても癌関係のものが多数ヒットしますが,経路が何を示すのかの説明はされていませんし,生物の成書や辞典等では経路という言葉は出てこないもので…

A 回答 (1件)

こんにちは。


suiranさんの勉強熱心さには毎度毎度頭が下がる思いです。

suiranさんならカスケードという言葉をご存知でしょう。AがBを活性化し、BがCを活性化する。そして活性化されたCが…。というやつです。(狭義的にはカイネースカスケードを指しますが。)

p53というのはぶっちゃけなんでもアリか?と思うぐらい、いろんな作用を持っていまして、さまざまなカスケードの中心となっています。G1アレストの他にもG2アレスト、さらには転写活性、アポトーシス誘導などなどさまざまです。疑わしいものもふくめるとそれこそ際限ないくらいです。p53経路の異常というのは結局、p53を中継としたシグナル伝達カスケードの異常ということですね。文脈しだいですがp53そのものの異常だけでなく、p53の上下のシグナルの異常も含まれるでしょう。

最近ではp53のこの多様なシグナルはどうやって制御されているか?というのがホットスポットのようです。
成書は…そうですねぇ「よくわかるシグナル伝達」とか「よくわかるアポトーシス」とか「よくわかる細胞周期」とか…。(たまたまウチの研究室にあるだけでこれが最高とは言えないかもしれせんが)「実験医学」系の本で、大学院生向けのものにならそれこそ多種多様に記載されています。わたしも大分このシリーズにはお世話になりました。もっとも専門外の人にはかなり厳しいものとは思いますが…。もっと踏み込めばPUBMEDでp53のreviewでもお読みになるともっといろんなことがわかるかもしれません。p53なら権威ある雑誌でかなり特集がいくつも組まれています。

では。もっと詳しく紹介が必要でしたらまた来ます。
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この回答へのお礼

またまたお世話になります。

p53は様々な調節に関与しているようで,それらの雑炊のようなもの全体を「経路」と表現しているわけですね。私にはそれで充分です。有難うございました。

子供に「p53はG1ブロック以外に何やってんだ。」と聞きましたら「アポトーシス誘導等いろいろやってるよ。それがすべて解れば,ノーベル賞もらえるんじゃない。」といわれてしまいました。ぜひfujishiroさんもノーベル賞目指して研究にお励みください。

お礼日時:2003/08/12 06:43

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