No.2ベストアンサー
- 回答日時:
日本史の通史の本というのは、大学の教科書的なもの(学者が書いたもので、日本史概論・日本史概説などというタイトルがついているような本です。
大きな書店や図書館にあります)を除けば、以外と「コンパクトでバランスの取れた良書」というものが無いのですよね。あったとしても、特定のテーマに偏っていたり、特定の時代に偏っていたり、時には著者の思想が偏っていたりしますから、選ぶのは難しいと思います。もちろん、一応古代から現代までの通史的な本は、探せばそれなりに存在します。たとえば、「手にとるように日本史がわかる」「1冊でわかるイラストでわかる日本史」「読むだけですっきりわかる日本史」「斎藤孝のざっくり!日本史」「早わかり日本史」「日本史のおさらい」などがそうです(全て実在する本です。ネットで検索などしてみて下さい。書店にも探せば結構置いてあると思います)。あと、予備校の受験参考書(実況中継シリーズなど)を用いるという裏技もあります。高校の参考書よりは読者を引きつける工夫がしてありますから、スムーズに読めると思います。
もっとも、これらの本の多くはなるべく手っ取り早く日本史のエッセンスだけを詰め込みたいという人向けに書かれたものなので、井沢さんの『逆説の日本史』が楽しい、という質問者さんには少し物足りなかったり、やっぱり退屈だったりするかもしれません。
となると、中公文庫「日本の歴史」、小学館ライブラリー「大系日本の歴史」、講談社学術文庫「日本の歴史」等の文庫シリーズものがコンパクトで比較的読みやすく、内容も一般書としては高度ということになりますが、しかしシリーズが10巻程度ありますから、全部読み通すのは一苦労です(読み通せるのであればこれがベストの選択だと思います)。
1冊ものであれば、少し高度(大学教養レベル)にはなりますが、佐々木潤之介ほか著「概論日本歴史」、宮地正人「日本史」(新版世界各国史シリーズの1冊)など。文庫シリーズと同じで、やや「教科書的」な傾向が強くなりますので、少し退屈に感じるかも知れませんが、少なくとも分量的には、文庫シリーズより楽に読み通せると思います。
もちろん、新書や文庫には特定の時代を取り上げたものも含めれば結構な数の歴史本がありますので、拾い集めて順に読むというののも有効な手だと思います。
以上、あまり参考にならないかも知れませんが、何かヒントにでもなれば幸いです。
◆
個人的なことを言わせていただければ、私が高校生のときには、平泉澄著「物語日本史」(講談社学術文庫・上中下巻)を楽しく読みました。語り口も平明で、古典などへの言及や引用もあり、かなりの良書だと思います(今日でも書店で新刊として比較的容易に入手可能です)。
ただし、気をつけるべき事としては、(1)文化史的な記述も多いので、政治史や戦争史を精密にたどりたいひとには不向きかもしれないこと、(2)戦後の著作とはいえ、だいぶ古いので、今日の研究水準からは訂正される内容が少なからずあると思われること、(3)題名通り「物語」として書かれているので、学術的な読み物を求める人には物足りないかもしれないこと、(4)著者の平泉氏は所謂「皇国史観」の学者で、天皇を中心とした歴史叙述で一貫している人であること。また、明治以降の記述では「右寄り」の記述が目立ち、特攻を讃美する記述も見られること、があります。まあ、ありていに言えば右翼の人なんですね。
私自身はそれを念頭に置いてなお、読み物として面白い傑作だと思っているのですが、特に最後の点にアレルギーのある人には到底お勧めできません。質問者さんが、もしこうした点について気にならないか、著者の思想や主義主張とは距離を置いて読めるということであれば、あくまで参考のひとつとしておすすめしておきます。
非常に丁寧な回答ありがとうございます
助かりました
読み物大好きなのでまずは平泉澄さんの「物語日本史」を読んでみようと思います
色々な主張の人の本を読みたいと思うので楽しみです
その後で、中公文庫「日本の歴史」、小学館ライブラリー「大系日本の歴史」、講談社学術文庫「日本の歴史」からどれか一つ選んで読み進めていこうと思います
大変参考になりました。他にも面白い歴史の本があったらぜひ教えてください
No.4
- 回答日時:
趣旨とは少し違うとは思いますが
『日本史新聞』というのがあります。
古代から明治までを新聞の形式で発表した本です。
結構面白いのでお薦めですが、
最新のは2003年版だったと思うので、
絶版しているかもしれません。
一度本屋さんから問い合わせてみてください。
他に、ピンポイントで
『戦国史新聞』や『幕末新聞』があります。
同じ日本史でも、日にち別でまとめた
『日本歴史新聞366』があります。
No.3
- 回答日時:
《高校の日本史の教科書は僕には物凄く退屈でした》
同感です。
もの凄く面白いことを、わざわざ退屈に表現してしまうのも、何らかの才能なんでしょうけれども、僕には無縁の世界でした。
そういうわけで、日本史の教科書はまったく開きもしませんでしたが、日本史の知識や成績は、相当上位だったと思います。
東京京都などの難関校を受験する同級生たちに対し、いつも教える側にいましたから、高校生としては上位だったでしょう。
教科書を開きもせずに、知識があったのは、井上清の 『日本の歴史 上中下 全3巻』(岩波新書)を読み、その内容からわいた興味や疑問を 自分で色々調べたからです。
その本、井上清の「日本の歴史」は非常にくせのある記述でしたが、書き手の情熱が伝わってくるので、僕には、読みやすい本でした。
素直にではなく、反発しながら読んだような記憶がありますから、彼の左翼的な意見には同調していなかったのですが、一本筋の通った本でした。
ほかにも、通史をいくつか読みましたが、上記に勝るものはありませんでした。
高校生だったのは、もう40年も前のことですから、時代の違いがあるかも知れません。
参考になるお話をありがとうございます
たとえ内容が偏っていても書き手の情熱が伝わってくるとワクワクして読めますよね
少し前の本らしいですが面白そうなのでぜひ読んでみたいと思います
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