振り込め詐欺の首謀者が逮捕された場合、被害者にお金はどのくらいの%で返金されるの?
今日、振り込め詐欺の首謀者が逮捕されたニュースを見て、こういう疑問がわきました。
Q1.もしその詐欺の総被害額が1億円だったと仮定して、首謀者の資産がちょうど1億円あったとするならば、一般的に、被害者のもとへお金は全額きっちりと返金されるというとこですか?
Q2.逮捕後に首謀者の資産が5000万円しかなかったとき、被害者側は一般的に1億分の請求をするのでしょうか? (またはそれ以上の請求額もありうるのか?)
Q3.またこの手の被害請求裁判は、平均的にどの程度の%で被害者に返済されることが多いのでしょうか? (被害額1億のうち、平均的にいくら返ってくるもの?)
【下の刑法くらいは下準備で読みました。没収されたあとのお金は
どうなるかを知りたいのです】
刑法第十九条 次に掲げる物は、没収することができる。
一 犯罪行為を組成した物
二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
……よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、大前提として、振り込め詐欺の被害金が被告人の手元に残っていたとしても、裁判所は、そのお金を刑法19条に基づいて没収することはありません。
なぜなら、裁判所が没収することによって被告人が資力をなくしてしまえば、結果的に、被害者は被告人から被害弁償が受けられないおそれが高くなるからです。
もっとも、振り込め詐欺については、組織的な犯罪であることが多く、その場合、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の適用があり、この規定に基づいて、裁判所が被害金を没収した場合、「犯罪被害者財産等による被害回復給付金の支給に関する法律」に定めるところにより、被害者に対する還付手続が行われます。
その前提でお答えするとすれば、
Q1 首謀者が、たまたま被害金額1億円をもっていたというのであれば、前述した手続に従うことによって、被害者に還付することが予想されます。
Q2 5000万円しか残っていないのであれば、前述した手続によっても、被害者には5000万円しか戻ってきませんよね。しかし、被害者は、5000万円の損害賠償請求権はもち続けます。
その場合に、「一般的」に被害者が残りの5000万円を請求するかどうかは、被害者それぞれが判断することなので何とも言えませんが、あきらめる被害者も少なくないでしょうね。
なお、正確には、被害者は、だまし取られた日から実際に返済を受ける日まで年5パーセントの割合の遅延損害金をつけて請求することができます。
Q3 多くの事件では、すでにほとんど消費してしまっており、被害者の手元には戻ってこないケースも少なくありません。
他方、「犯罪被害者財産等による被害回復給付金の支給に関する法律」に基づき、大型闇金融事件で億単位のお金が没収された事件で、被害者が名乗り出てこないので、還付の基礎となる届出額が没収金額に届いていないという報道もありました。ちなみに届け出た被害金額全額に支払ってもなお余剰の没収金額が生じる場合には、国庫に帰属することになります。
分かりやすいご回答ありがとうございます。
>(加害者の)お金を刑法19条に基づいて没収することはありません。
・・・・・・そうなんですか。
それゆえ『被害者泣き寝入り→加害者、犯罪やり徳』ということも起こりうるのですねぇ。
お詳しいようですので
おそれながら、tomo-tomo01さんに追加質問があるんですが……
【Q1】
加害者がその後出所し、被害者の損害賠償裁判で最終判決が言い渡されたあと、
多少のお金を稼ぐようになった加害者が返済をしぶることは、ありえますよね。
なにいうオレオレ詐欺の加害者はやくざの場合が多いので、返済をしぶるのでは?
返済をしぶることを抑止する、法や機関があるのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
追加質問がありましたので・・・。
判決が出ているにもかかわらず、自発的に支払わない(法律用語でいえば「任意の支払をしない」)場合には、債務者に財産がある場合については、強制執行手続によって回収することになります。
このことは、「お金を貸したけど返してくれない」といって起こした裁判に基づく判決であっても、「振込詐欺でだまし取られたお金を返してほしい」といって起こした裁判に基づく判決であっても、「殺人事件の加害者に対して損害賠償請求したい」といって起こした裁判に基づく判決であっても、特に違いはありません。
一部の犯罪の損害賠償請求については、破産手続において免責の対象にならなかったり、刑事裁判と別に民事裁判を起こさなくても、刑事裁判に引き続いて簡易な手続で損害賠償命令を裁判所に出してもらえたりと、通常の金銭請求権とは異なる手続が用意されている場面もあるのですが、そういった特別な手続が用意されていない場面では、通常の金銭請求権と同じ処理がされることになります。
ちなみに、刑法19条に定める没収という手続は、被害回復を目的として没収しているわけではないんです。たとえば、犯行に用いた凶器であったり、偽造した通貨であったりなどは、犯人の手元に戻すわけにはいかないので、裁判所は没収するだけなんです。
なるほど。
勉強になりました。
特に、下記の箇所は国の財産になるのかと勘違いして考えてました。
>>刑法19条に定める没収という手続は、被害回復を目的として没収しているわけではないんです。たとえば、犯行に用いた凶器であったり、偽造した通貨であったりなどは、犯人の手元に戻すわけにはいかないので、裁判所は没収するだけなんです。
二度もお答えいただきありがたい限りです。
No.3
- 回答日時:
実例から回答いたします。
知人が被害にあったのですが、還ってきたのは5%くらいと言っていました。
被害額は約500万円でしたから、25万円ほど……まるで足りませんね。
その代わり、弁護士から謝罪の手紙が次々と送られてきたそうです。
これは決して深く反省しているからではありません。
組織だった犯罪ですから、犯行グループの大勢のから送られてくるのですが、
どれも似たような文章のいかにも減刑目当て、読んで不快になっていました。
被害にあった当時もそれは落ち込んでいたものですが、
逮捕されても晴れることはありませんでした。
幸い他に被害にあった人はいないので(未遂はありました)、
平均的なケースというのは分からないのですが、
ご参考になれば幸いです。
還ってきたのは5%とは、ひどいことですね。
かくいう私も、小学生のころ小額の恐喝に遭いました。
恐喝魔に自分から財布を出したと警察に証言したために、担当警官は「それじゃあ犯人捕まっても、お金帰ってこないよ」と言われました。
犯罪のやり徳がおこりうるのは、どうかとも思います。
参考になりました。ありがとうございます。
【garakutahouseさんには、恐れ入りますがここで告知】
もしこの私の質問にさらに深く掘り下げて、詳しく回答できる方がいらっしゃれば、
さらなるご回答お願いいたします。
No.1
- 回答日時:
基本 返金は無いと思いましょう。
逮捕されても犯人の資産は手を出せません。
返金を求める場合は、別途犯人に対し民事訴訟で勝訴する必要が要ります。
没収は言葉の如く犯人より財産を国が没収するです。
なので「国庫」に入るが正解です。
ご回答ありがとうございます。
>返金を求める場合は、別途犯人に対し民事訴訟で勝訴する必要がある
なるほど・・・。被害者が民事訴訟を起こさねば、返金されないとは
被害者側にさらにめんどうな手続き・負担がかかりかわいそうな気がしますね。
裁判で請求することなく、
無料で国・政府がこういった返金手続きをする国家の例は世界にないのでしょうかね?
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