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平成23年度の概算要求で国立大学法人の運営費交付金が8%削減された場合、
大阪大と九州大がなくなるぐらいの消失になってしまうとの話が出ていましたが、
どうなりましたか?


運営費は少しずつ削られていて、学術論文数の減少、基礎研究、人文系
の学問の衰退傾向など大学の機能に少しずつ障害が出始めています。
また、他の先進国では先行的な投資として高等教育への投資に積極的ですが、
日本はそうではなく、GDPの中でそこにかける割合が一番低いです。
財務省もそういった事情は分かっていると思うのですが、どういう判断の
もと、減らしてきたのでしょうか?
減らそうとする側の、価値判断というか根拠を知りたいものでして。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

大学の教員です。



来年度予算について、文科省は、国立大学法人の運営費交付金について、増額を要求していますが、それは、いわゆる“政策コンテスト”の俎上に上がることになっており、まだ結論は出ていません。
質問者様の認識通り、日本の高等教育への支出は、先進国中最下位です。
事業仕分けにおける某大臣の、あの失礼な、現状を分かっていない「2位じゃダメですか」発言に象徴されるよう、政権与党にはきちんとした実体認識もありませんし、将来の展望もありません。

教育研究という仕事には、手間、暇、人、お金がかかります。
したがって、そもそも経営効率という考え方には馴染まない部分がかなりあります。
もちろん、これまでの大学経営には非効率的な面はありましたから、多少経営的な視点を持ち込むことについては、否定しません。

しかし、国立大学、公立大学が法人化されて以降、年々予算が減少される中、教員数も減らさざるを得ない状況に陥っている中で、教員には、研究業績の向上を求められるという矛盾した状態になっています。
しかも、研究費申請手続き・書類作成の増加、地域貢献や研究内容の公開など新しい仕事が求められること、会議などの増加と、実際の労働時間は増えているにもかかわらず、研究に割ける時間は減少しています。

21世紀に入ってから、日本人のノーベル賞受賞も増えているではないかという私的があるかも知れません。
しかし、それらの対象となった業績は、いずれも20世紀、しかも、1970年代頃になされた研究がほとんどです。
研究業績や研究成果は、あることが分かったからと言って、それが直ちに実用化されるとか、われわれの生活水準の向上につながるとは限りません。
時間を経て、その意味や利用法が分かってくるものもあります。

文科省は、おそらく、大学を旧帝国大学+有力国立大学+ごく一部の有力私大を「研究大学」とし、他は、「教育大学」や「専門職養成大学」と性格分けを行い、研究大学に研究資金を集中しようと考えていると思われますが、大学レベルでの教育は、研究活動と深く関わっていますので、机上で考えるほどうまく行くとは思えません。

いろいろと書きましたが、政治家も、国民も、日本の将来について、どのような国にしていくのか、何をして生き残っていくのかについて、明確な理念が持てないまま、経済原理、経営効率、それもかなり近視眼的なもののとらえ方にとらわれてしまっていると思います。
教育や研究は、必ずしも経済原理、経営原理には馴染まないことを再認識した上で、方針を考えなければならないと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
大変参考になりました。

言われてみると当然という気がしますが。長期的な視点で
見ることができてないんでしょうね。
これまでの国の政策における失敗を見ると、だいたいはそれが
できてないことが原因になってますし。
よくあることですね。

お礼日時:2010/11/20 09:50

 すごく難しい問題かと思いました。


 日本が知能で世界に立ち向かうとすると、確かに予算減少は切実な問題です。

 しかし、
 国家全体が『会社経営』と見たらどうでしょうか?
 不採算なら止めてしまえということではありません。

 今までの国家予算全体が、『金で金を作る』ことによりとりあえず目先事に金をつぎこみ過ぎたのではないでしょうか?例えて言えば、公共工事、子供手当なんかもそうかも知れません。
 金をつぎこむのは良いけれど、世界的な視点での投資が少ないために、結果的に景気の浮沈で右往左往しているのが現状ですね。多分、国家へのリターンが少ない投資手段だったんだと思います。現在、そこの変革期にあるのだと感じます

 国立大学も経営観点を持ち込む時期に来たのかもしれません。
 地域社会に対し、『何が出来るのか』『金をどう産むのか』を今後検討しなくてはならないでしょう。
 法的な事はわかりませんが、国立大学が『起業?』する事を促進しなければいけないかもしれません 
ね。近い将来、法改正も必要かもしれませんが、『民間企業』の様に、同一地域の大学同士が『提携』をより強化して、研究開発の合理化を進めつつ競争力を高めていく必要性が高いのかもしれません。
 魅力ある国立大学法人であれば、金は集まるようになっていくのではないかと思います
  
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ただ、ご回答が少しすれてしまっている気がします。
国家へのリターンは短いスパンで見ることさえしなければ、
大きいはずです。
また、国立大学にも経営的視点が盛り込まれた結果、いろいろな歪みが
出てきてしまったのです。
短期的に結果の出る研究が重視されそうでない研究が弱くなったり、
病院では診療に力を入れだして論文が少なくなったりです。

お礼日時:2010/11/20 09:46

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