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結晶性樹脂の比熱の温度依存性についてご教授ください。
ある文献で結晶性樹脂の比熱は融点近傍で極大を持つという記述を見ました。比熱は各相では温度に対して直線的に比例し、融点付近で融解熱による熱の吸収があるため熱分析ではピークを持つという認識でおりました。
上記は同じ現象において融解熱を比熱に含めるか、含めないかの違いでしょうか?ただ、定義のはっきりした“比熱”が人によって捉え方が異なるはずはないと思います。

(1)比熱は融点近傍で極大を持つのか?
(2)極大を持つなら融解エンタルピーとの切り分けはどうなるのか?
以上、ご教授ください。よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

「結晶性樹脂の比熱は融点近傍で極大を持つ」という記述が


「昇温過程では低温で存在していた板状結晶の融解がまず生じる。
この融解温度は平衡融点より低いので、より厚い結晶へと再結晶化が
起こり、引き続いて再結晶化した結晶の融解が生じる」ための
DSCの融点近傍の2重ピーク等では無く、参考URLの図1のTmの相当する
ブロードな単一極大ピークで有るとし、DSC昇温が十分遅くその時々で
平衡として取り扱えるとして回答します。
https://division.csj.jp/div-report/13/1320304.pdf

比熱は、内部エネルギUの増分dUとすると
dU = dQ – d(pV) = dQ – Vdp – pdV
エンタルピーHは、H = U + pV より、その増分dH は
dH = dU + pdV + Vdp
これにdUを代入すると、dH = dQ

したがって、低圧比熱Cpの定義は
Cp = (dQ/dT)p = (dH/dT)p        となります。

DSCチャートの縦軸(図1ではHeat Flow W/g)を横軸Tの差分で割れば、
その温度インターバルΔTに付いての定圧比熱Cpが求まります。
DSCのベースラインが上昇しているので、この様に求められた比熱は
「温度に対して直線的に比例的に増加する」ことになります。
ここで大切なことは「融解」は相転位で、異なる相の比熱を同じものと
見ることはできないということです。したがって、「比熱は各相では」と
断っている理解は正しいのです。
文献の記述は「結晶性樹脂の見掛けの比熱は融点で極大を持つ」
と言い換えるのが正しいでしょう。あくまでも機械的に算出される
見掛けの比熱です。融解熱は比熱(熱容量)とは分離されるべきです。

融解エンタルピーHの切り分けは、DSCのTg以上でTm以下の温度の
ベースラインと、それからのピークの立ち上がり部とピークが融体の
DSCベースラインと交差する点を直線で結び、その直線とピークで
囲まれる部分の面積を融解熱とするのが一般的な様です。
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1) ある文献とありますが、その文献のインフォメーションは?


2)比熱ではなく、Heat Capacity (熱容量)の事でしょう。
3)自分の知識が確かなものなら自信を持つように。
4)Heat Capacity だと 融点で極大になり(融解熱)で、でもこれは比熱部(極小さい)と融解熱部(大部分)で、通常、このHeat Capacity は融解熱になります。知っているように、樹脂の結晶性はその樹脂の前の歴史(ハンドリング)を意味し、同じサンプルの熱分析の一度目と二度目ノ分析ではその融解熱量ハ随分異なり、通常は2度目は熱量が、小さいです。
5)比熱も厳密に言えば、結晶性によって、1-3%かわるでしょうが、融解後は樹脂が熱分解されなければ同じです。樹脂は小分子の有機物と違い、結晶性も、分子量もその物性に影響し、比熱も
分子量の極端なサンプルで、かわってきますが、これも高分子物性の一分野です。
6)樹脂なら、以下、ガラス転移点(Tg), 以上、融解点(Tm) 以上、熱分解 で、Tg, Tm 近傍では比熱でなく、その転移状態や、熱容量を考慮する筈です。
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