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放射線α、β、γ、x、中性子線を水やパラフィンは透過させないと聞きました。
厚いコンクリートでも遮蔽は可能なのでしょうか。また、それはなぜですか?コンクリートの成分に由来するのか、それとも厚みが問題なのでしょうか。教えてください。

A 回答 (4件)

実際に原子力発電所などでは厚いコンクリートで放射線の遮蔽をしています。


遮蔽効果は遮蔽材の質量によるらしく、特に必要な場合には重量コンクリートを使うそうです。コンクリートに含まれる水分も遮蔽に役立っているそうです。

α線、β線は透過性が弱いのであまり問題になりません。
問題はX線、γ線、中性子線のようなエネルギーの高い放射線です。

コンクリートによる遮蔽については参考URLの2.4、2.6をご覧下さい。
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まず、


> 水やパラフィンは透過させない
というのは中性子線の事です。α、β、γ、x、中性子線はそれぞれ物理的な実体がちがうので一緒くたに論じられないんです。

まず中性子は電荷を持たない粒子(勿論波動性を持ちますが)であるため、物質中の原子核と核力による相互作用をします。エネルギーの失い方だけを考えるときは結構古典論が通じる世界で、対称物質の原子核質量数Aとすると、一度の衝突で失う平均エネルギーの割合は1/(A+1)となります。

水やパラフィンは水素を沢山含んでますよね。水素はA=1なので一度の衝突で半分のエネルギーを失います。逆に、ウランなどの重元素に当てたときは(例えばA=238)、1/239しか減らないわけです。丁度、ビーだま同士を衝突させたとき、ビーだまとボーリングの球に当てた時を想像してみてください。ビーだまが中性子或いは水素原子核、ボーリングがウランに相当します。

遮蔽をするときは、中性子の吸収、それに伴うγ線、そのγ線吸収に伴うx線の発生など、実に多彩なことを考えねばなりません。それらは物質とエネルギーの関数であるので非常に複雑なのです。

勿論厚みがあれば減衰させることは可能ですが、闇雲に厚くするだけというのは実際的ではありません。モンテカルロシミュレーションで計算機で遮蔽の検討などを行っています。

更に詳しくお知りになりたい時は私の分かる範囲で回答させていただきます。
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この回答へのお礼

すごいですね。さすが「自信アリ」。
大変よくわかりました(つもりかも・・・)
どうもありがとうございました。
お礼が遅れましてすみません。

お礼日時:2003/09/08 14:50

No.2です。


参考URLが漏れました。下記のとおりです。

参考URL:http://www.eonet.ne.jp/~hsj-k/hsj3_1.htm
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この回答へのお礼

大変助かりました。
お礼が遅れて済みません。
非常に興味深いです。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2003/09/08 14:52

医療用レントゲンを扱っています。

鉛では2mmである程度防護できるのですが、コンクリートでは10cmでは同程度とは言えません。また、へーベルは空気の塊みたいなものなので、コンクリートとは考えない方がいいです。

重量がかなり関係してきます。電子密度や中性子、陽子の密度が高ければそれなりに不透過なのです。だから、鉛はかなり効果があります。

鉄やアルミでは、同じ厚さなら、鉄の方が遮蔽できます。逆に、アルミを2mm使用して余分な軟X線をフィルタリングして、有効な透過したX線だけを医療では使用したりします。

水が重量のせいで放射線をある程度遮蔽するのであって、深い水槽で遮蔽するのも理屈は深ければ深い程遮蔽能力があるのです。

物理的に言えば、中性子と陽子の密度が遮蔽能力に関係すると考えてもそう間違いではありません。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてどうもすみません。
どうもありがとうございました。
放射線治療室の壁なんかはどうなっているんですかね。
また、機会がありましたらよろしくお願いいたします。

お礼日時:2003/09/08 14:59

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