アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

1.  強制管理の場合に、仮差押債権者が配当要求権者にならないのは、仮差押債権者が強制管理の申し立てをすれば配当を受けることができるからだと理解しています。
一方、一般の先取特権者は担保不動産収益執行の申し立てができるのに、配当要求もできます。
この違いは、先取特権者に複数の手続きを認めることにより、仮差押債権者よりも保護を厚くするためと考えればいいのでしょうか?

2.  もし上記の考えでよいとしても、配当要求にも様々な書類が必要でしょうに、それほど先取特権者の手続き的負担は軽くなるものなのでしょうか?

A 回答 (1件)

>この違いは、先取特権者に複数の手続きを認めることにより、仮差押債権者よりも保護を厚くするためと考えればいいのでしょうか?



 強制競売開始決定に基づく差押登記前に、仮差押登記がなされた仮差押え債権者は、配当要求権者ではありませんが、この仮差押え債権者には配当がされる(債務名義がないので、仮差押え債権者の配当金は供託される。)のと理屈は同じです。なぜ配当要求権者にならないかというと、この仮差押債権者の存在は執行裁判所にとって明白なので、配当要求をさせるまでもないからです。一方、強制競売開始決定に基づく差押登記後に、仮差押登記がなされた仮差押え債権者の場合、その存在は執行裁判所にとって明らかではないので、配当要求終期までに配当要求をさせる必要があります。
 ところで、仮差押えの執行の方法として、1仮差押えの登記による方法と、2強制管理による方法があります。前者は、仮差押え命令を発令した裁判所が保全執行裁判所となり、その裁判所書記官が仮差押えの登記を嘱託することにより、保全「執行」されたことになります。
 一方、後者は、仮差押え命令を発令した裁判所ではなく、不動産の所在地を管轄とする地方裁判所が保全執行裁判所となります。そして、仮差押債権者が保全執行裁判所に仮差押命令正本等を添付して強制管理の申立を行う必要があり、これに基づき保全執行裁判所が強制管理開始決定をし、その裁判所書記官がその旨の仮差押えの登記を嘱託することにより、保全「執行」されたことになります。
 強制管理の配当は、管理人が執行裁判所の定める期間ごとに、配当等に充てるべき金銭の額を計算して実施しますが、「執行裁判所の定める期間ごと」までに強制管理による仮差押えの執行を保全執行裁判所に申し立てするので、執行裁判所(保全執行裁判所と同じく、不動産所在地の地方裁判所が管轄する。)にとって、当該仮差押え債権者の存在は自明なので、仮差押え債権者に配当要求させる必要がないのです。

>一方、一般の先取特権者は担保不動産収益執行の申し立てができるのに、配当要求もできます。

 債務名義を有する債権者は、強制管理の申立をしても良いし、配当要求をしても良いのと同じです。

>もし上記の考えでよいとしても、配当要求にも様々な書類が必要でしょうに、それほど先取特権者の手続き的負担は軽くなるものなのでしょうか?

 ということで、「先取特権者に複数の手続きを認めることにより、仮差押債権者よりも保護を厚く」しているわけではありません。なお、先取特権者は担保物権者なので、債務名義は必要ありませんが、執行裁判所にその先取特権が存在することを証する文書を提出する必要がありますので、そう言う意味では、負担は軽くはないでしょう。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

いつもありがとうございます。方向違いの自分勝手な解釈にも親切に答えて下さり感謝に堪えません。
またまた、眼から鱗が落ちました。もう何度も落ちたのにまだまだ落ちそうな気配がします。どうやら、眼自体が鱗でできているのでしょう。
buttonholeさんのような眼が欲しいです。

お礼日時:2011/02/04 17:56

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!