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銀塩写真では、光が当たるとハロゲン化銀の銀イオンが還元され、金属銀として析出すると聞きますが、何が電子を渡している(酸化されている)のでしょうか?

増感色素を使っている場合、銀イオンに電子を渡した増感色素は、何らかの化学種から電子を受け取って再生すると考えています(色素増感太陽電池からの類推です、見当違いでしたらすみません)が、結局誰が酸化されるのでしょうか?

A 回答 (3件)

えーと.


試験管の中でおこる純粋な AgBr の光分解では,Br2が生成している,つまり,AgBr中の Br- が還元剤となるというのは正しいでしょう.

しかし,銀塩写真ではそう簡単ではないのです.
AgBr結晶に光が当たり電子が励起されると,その電子が結晶中のトラップ準位に捉えられ,そのトラップされた電子に,Frenkel型の格子欠陥で生じる可動性のAg+が呼び寄せられて銀原子に還元されます.この銀原子が次の励起電子の新たな捕獲準位になって,金属銀へと成長していきます.
電子が励起すると正孔が残るわけですが,他に何もなければこの正孔は Br- から電子を供給されることで,Br原子を経由して Br2 になると.
しかし,銀塩写真の場合,AgBr の周りにはゼラチンがいるのです.そして,ゼラチンは非常に強い還元剤でもあるのです.ゼラチン自身,あるいはそこに含まれる不純物も含まれますが,これらが電子供給を行います.結果として,Br2 は発生しません.
ただし,Br2 がいったん発生してそれがゼラチン等に吸収されるという経路と,光生成した正孔に直接電子注入がおこる場合の両方があります.いずれにしても,Br2 は検出されず,Br- が放出されてきます.このあたりが,Maddox がゼラチンを写真に導入して成功した理由の一つ (ほかにもたくさんあるが) ではあるでしょう.

さらにいえば,現在の銀塩写真には分光増感という技術が使われています.これは,本来AgBr が感度を持たない緑や赤の光に対する感度を持たせもので,カラー写真はこれがあって初めて成立します.もちろん,白黒の感材でも,パンクロマチックと呼ばれる,人間の見た感覚に近い写真が得られる感材ではやはり分光増感されています.
この場合,光を受けるのはAgBrではなく,その表面に吸着した色素です.色素が光励起され,ここからAgBrに電子注入が行われます.電子を失った色素には,やはりゼラチンあるいはフィルム中にあらかじめ加えて得ある還元剤から電子をもらいます.したがって,この場合は励起色素,あるいはそこに電子注入をする還元剤が酸化されるというべきです.AgBr には正孔は発生しないため,Br2 が生成することもなく,そのまま Br- が放出されます.
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この回答へのお礼

非常に詳しいご回答ありがとうございます。
理解が追い付かないので近いうちに勉強しようと思います。

お礼日時:2011/02/24 20:00

>臭化銀に光が当たると銀が析出しますが何が銀を還元していると思いますか?


何も還元していないのです。

これはおかしいです。
銀が還元されているのは確かですから還元したもの(酸化されたもの)があるはずです。
それは「臭素」だと考える方がいいのではないでしょうか。

分解にも種類があるのです。
内部で酸化・還元の起こっているものと起こっていないものとです。
2KClO3 ⇒ 2KCl+3O2  (酸化・還元が起こっている)
CaCO3 ⇒ CaO+CO2   (酸化・還元は起こっていない)
どちらも熱分解です。

4KClO3 ⇒ 3KClO4 +KCl
では4つのClの中の3つが酸化され残りの1つが還元されていると考えるはずです。

臭化銀の反応は光で起こった酸化・還元分解反応です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/02/24 19:55

臭化銀に光が当たると銀が析出しますが何が銀を還元していると思いますか?


何も還元していないのです。
2AgBr -hν→ 2Ag + Br2↑
自己分解です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/02/24 19:50

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