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素朴な疑問ですが、ヒートポンプの成績係数は5や6あるのですが、圧縮動力の5倍以上の熱を生み出すのですから、その時点で永久機関ではないのですか?これでエネルギー問題は解決しました。

A 回答 (4件)

えーと先ず永久機関の定義ですが、外部からエネルギーを得ることなく動き続ける物、または与えたエネルギー以上のエネルギーを生み出す物のことですから、エネルギーの生産自体は行っていないので永久機関にはなりませんね。

このように一見永久機関に見えるものならすでに存在しますよ、例えば水のみ鳥というおもちゃ()です。しかし、エネルギーの利用において、ヒートポンプは実際に発電施設などで使われています。これは、発電に利用する蒸気タービンなどで使用した、蒸気の熱を再利用するために使われてるのですが、発電機を回した後の蒸気は複水器という装置で冷やしてまたボイラーに戻すのですが、この時の冷却にヒートポンプを使っています。複水器で得られる温度は再利用するには低すぎるので、ヒートポンプを利用して再利用可能な高い温度にしてボイラーに入る前の水を加熱したり、施設の空調用などに利用しています。

ヒートポンプで空気や水の熱エネルギーを回収してエネルギーで発電してヒートポンプを動作させることは原理的には可能ですが、現在の熱機関や発電機の高率を考えると不可能でしょう。ロスが大きすぎて動き続けるところまで行かないでしょうね。もし可能であれば実用になるかどうかは別として、試作くらいは行われているでしょう。たぶん計算の段階で無理という結論が出てしまうのでしょうね。例えばヒートポンプで得られる比較的低い温度でも動作可能で熱効率の高いスターリングエンジンなどを使っても、最も条件良い状態での熱効率が50%程度ですし、実際温度が低ければもっと低い数値になるでしょう。かといってヒートポンプで高い温度を得ようとすると熱源の温度が低い状態ではヒートポンプの高率が落ちてしまいます。発電機の効率もせいぜい60%程度ですし、まぁこの辺までで動作させ続けるのは無理となりますね。
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この回答へのお礼

詳しい解答ありがとうございます。その系内での熱の循環にしかならないので永久機関にはならないとのこと、そのようですね。発電所の複水の排熱をヒートポンプで汲み上げて発電効率80パーセントぐらいにしたいものです。それも無理ですか?

お礼日時:2011/04/26 10:37

ヒートポンプは、あなたの家の光熱費を低減してくれるかもしれない便利な物。



熱を生み出すんじゃなくて、外気から奪い取ってくるだけです。

たとえば、厳冬期の北海道みたいにすげぇ寒いと、ヒートポンプの暖房効率はがた落ちです。正直なところ電気代勿体無くて使えません。外気の気温が低すぎて、ブン盗る熱が無いから。雪国でもよく似たもんで、使えません。

ってな事で、いろんな気候がある日本全体で考えると、ヒートポンプでエネルギー問題は解決しません。この星レベルで考えると、もうダメダメです。
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この回答へのお礼

解答ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/28 15:42

ヒートポンプというのは、動力を用いて低温のところから高温のところに、熱を移動させるものです。


一方、熱を高温から低温に移動させながら、その一部を動力(電力など)として取り出すのが狭い意味での熱機関です。
で、この二つを合わせて広い意味での熱機関と申します。

両者の関係は、ポンプと水車の関係に似ています。水を低いところから高いところに持ち上げるのがポンプ、高いところから低いところに落ちる水の力で、動力(発電など)を行うのが水車です。

で、ポンプを使って水を高いところに揚げて、水車で発電すれば無限に電力を取り出せるか、というと、そうはいきません。水車で発電できる電力は、ポンプに必要な電力を必ず下回ります。つまり、損になります。
まぁ、ポンプと水車の場合、何となく納得してもらえるんじゃないかと思います。

ただし、電気が余っているときに水を揚げておき、電気が足りないときに発電する、という使い方はできます。これが揚水発電です。これは、全体としては電力を無駄にしている形になりますが、いろいろな事情で余った電気を捨てないですむので、実際に使用されているわけです。

さて、ここでまたヒートポンプに戻りましょう。
ヒートポンプの成績係数が5~6というのは、1の動力を使って5~6の熱を移動させることができるという意味です。この場合、温度は5℃から30℃くらいに熱を移動させる場合ですね。
では、これくらいの温度差で、どの程度の発電ができるのかと言いますと、最新の技術でも発電効率は数%です。どうがんばっても10%にもいきません。
ですので、1の動力で6の熱をくみ上げたとしても、それで発電できるのはせいぜい0.6ということになります。つまり、損をします。

と、いうと、技術開発が進めばもっと効率が良くなって、いずれ元を取れるんじゃないかと思われるかもしれませんが、熱機関とヒートポンプの効率には「カルノー効率」と「逆カルノー効率(成績係数)」とよばれる理論上の限界値があって、上記の例だと、カルノー効率は約9%、逆カルノー成績係数は11.1です。この二つを掛け合わせてみると、100%になります。つまり、投入した動力(電力)と同じ動力(電力)を回収するのが理論上の限界で、実際には種々の損失分、損になります。

と、いうわけで、残念ながらヒートポンプと発電機を組み合わせても、全体としては損になります。ただ、揚水発電と同じく、エネルギーの貯蔵手段としては使えないこともないかもしれませんね。
実際、発電は行いませんが、夜間電力で冷水や氷、あるいは温水を作っておき、昼間に使用するということは広く行われています。

以上、ご参考まで。
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この回答へのお礼

理論上も永久機関は無理みたいですね!ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/28 15:41

気体を圧縮すると温度が上がることはご存知ですよね。

逆に減圧すると温度が下がることもご存知かと思いますが、この時に熱の出入りがない完全に断熱された状態では気体の持っている熱エネルギー自体は同じであるということが重要なのです。さて、ここである気体をシリンダーに詰めて、圧縮して温度の高い状態にして断熱がなされていないい状態にするとどうなるでしょうか?気体の持っている熱は外気に逃げて行き、しばらくすると外気温と同じなるはずですね。この温度の下がったシリンダーを別の場所でもとの体積まで戻すと、先ほど外に逃がした熱エネルギーの分だけ温度が下がりますが、今度はそのままで温度が室温と同じになるまで放置します。それを再度圧縮すれば、当然また温度は上がりますね。この時シリンダーを圧縮したり減圧したりするエネルギーは熱を作るのには使われていません。それでは熱はどこから来たのかというと周囲にある空気の持っていたエネルギーということになります。これを圧縮と膨張をそれぞれ専用の熱交換器の部分で行うようにして、圧縮機を使って連続的に行えるようにしたものがヒートポンプです。

ヒートポンプは熱を生み出すのではなく熱を移動させるだけです。例えばエアコンの暖房では冷媒を室外機で膨張気化させて、室外の熱を冷媒に移動させて、それを室内側で圧縮して室内で放熱しているのです。熱エネルギーは温度の高い方から低い方にしか移動しないので、温度の低い室外の空気の熱を取り込むには室外の空気の温度より低い温度を作ってやる必要があります。そのためにヒートポンプエアコンでは冷媒と呼ばれる圧縮することで容易に液化し圧力を減じてやれば簡単に気化する(相変化を伴うもの方が効率が良い)物質を使っています。実際に低い温度を作るために、圧縮機で圧縮しその時に出た熱を室内で放熱して、温度をある程度下げた液状の冷媒にして、室外で一気に圧力を減じて気化させます。液体から気体に変るときに冷媒は蒸発のために温度が急激に下がり、室外の温度よりも低くなりますので室外の熱を吸収することが出来ます。熱エネルギーを吸収した冷媒を再度圧縮するときに吸収した熱エネルギーの分だけ温度が上がるので、室内の空気を暖める(冷媒を冷やす)ことが出来ます。このようにコンプレッサーや熱交換器のファンを回すエネルギーは熱を作るためには用いられているのではなく、熱を移動するのに使われているだけなのです。電力を熱に変換したのではジュール熱の分以上の発熱は原理的に無理ですが、移動させるのであればジュール熱以上の熱量を得ることが可能であるということです。


ヒートポンプの名前が示すように熱エネルギーをくみ上げるポンプとして働いているのです。
一般にヒートポンプは冷媒の相変化(気体と液体)を伴う冷媒が使われますが、相変化を伴わない圧縮による体積と温度の変化のみを利用するものもあります。例えばスターリングクーラーなどです。
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます。エネルギーを生み出すのでは無く、エネルギーを移動させているのですか、その汲み上げたエネルギーでまた発電を出来ないのでしょうか?そうすれば永久機関になるのではないのですかwww

お礼日時:2011/04/24 10:50

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