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任務懈怠責任の成立要件で、
会社と自己のために直接取引をした取締役・執行役は無過失責任であるが、
任務懈怠が推定され、不存在について取締役等が証明責任と教えてもらったのは良いのですが、
以下の文章を読むと頭が混乱しています。
「取締役が自己の為に直接取引をした場合は、任務懈怠がその責めに帰す事が出来ない事由によるものであることをもって、
免れる事は出来ないものとして、無過失責任とされている。
したがって、自己の無過失を証明しても、損害賠償責任を免れる事は出来ない。
しかし、任務懈怠は推定されるにすぎないため、任務懈怠が無かった事を証明したときは、会社に対する損害賠償責任を免れる。」
と書かれているのですが、私的には、
無過失責任とされたのだから、過失があろうとなかろうと責任を負わされるのに、任務懈怠が無かった事を証明した時は、
損害賠償責任を免れるのなら、無過失責任ではないのでは?と思うのですが、
この428条1項と423条3項1号の繋がりが真逆の感じがして意味が分かりません。
なぜ無過失責任なのに、損害賠償責任を免れる事が出来るのでしょうか?

A 回答 (3件)

私も、法律の専門家ではなく、公認会計士としての理解の上ですが、



利益相反取引を直接行う取締役の他に、利益相反取引行為には取締役会決議を要するので、当該決議に承認した他の取締役も存在するということはいいでしょうか?

ここで、過失と任務懈怠についてですが、ここでいう過失とは、利益相反取引について、会社に損害を与えた場合、これを承認したということは、直接取引した人同様に、過失があると考えられます。しかし、客観的事実や経緯を基に、決議の際に、当該過失を見極める事が困難であると認められた場合には、取締役に課されている監督義務について任務懈怠をしたとはなりません。このような場合には、損害賠償請求を課されないという事になります。

つまり、当該取引を認めちゃったという過失はあるものの、それは、決議の時点では客観的にわからなかったよねーとなれば、責任は負わなくていいですよー。(任務懈怠でないことの立証)という感じではないでしょうか?

一方、取引を直接行った取締役には、過失があり、利益を得てしまった以上、その時は分からなかったでは通りませんよー。(428条)という感じではないでしょうか?

諸説があり、過失=義務違反という風に解した場合やそうでないという場合もあるようですが、前者なら、過失責任や無過失責任という言葉になりますが、後者の場合には、両者過失はあるものの、任務懈怠で判定するという考え方があるようです。
予備校では前者が多いようですが、会社法は後者のような解釈のように思えます。おそらく、質問者様にアドバイスされたかたは後者の様な解釈をお持ちになっているのではないかと思います。しかし、どちらも結論は同じになります。

実際に428条では、

『任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰する事が出来ない事由によるものであることをもって免れる事が出来ない』とあります。

これより、任務懈怠を証明しても、直接取引した人は責任を負いますし、逆解釈すれば、その他の取締役は、任務懈怠を証明すれば責任は免除されるとなる言い回しなのではないかと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
とても勉強になりました。

お礼日時:2011/07/18 13:29

責任の負い方についてを確認しておきましょう。


企業法においての責任の負い方は
過失あり(第一段階)→責任が推定される(第二段階)
という流れです。

この場合、無過失責任というのは第一段階をとっぱらって責任を負いやすくするという規定です。

しかし、その文言で言っているのは第二段階について。
第二段階はあくまで推定規定だということを言っています。
やはり法律で決まってるからといって、まったくの濡れ衣で責任を負うことは妥当ではありません。

なので「責任があるとみなす(確定)」ではなく「責任が推定される(くつがえる可能性あり)」レベルに留まり、いくら無過失とは言っても問答無用で100%責任を負わす規定ではないよという事を言っています。

「過失のあるなしは議論できないけど、全くの濡れ衣なら証明する価値あり」
ってニュアンスですね。
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基本的な条文(356条1項)の根拠は、利益相反取引の制限は取り締まりの地位を利用して、会社が不利、そして自己等が有利に働く行為を規制する事が目的です。

従って、356条により、利益相反取引は、取締役会設置会社の場合、365条の規定により、取締役会決議を要します。つまり、当該取引は自己の利益になる取締役以外の承認も必要となります。そこで、利益相反取引は直接行ったもの以外の取締役も間接的に関与します。

次に、訴えられてた時の根拠条文が423条になります。利益相反取引という取引について損害賠償責任を追及する際には、まず、423条が適用されます。これは、すべての関与した取締役(直接・間接)に適用されるもので、過失責任が課されています。

しかし、会社の財産を害する可能性がある取引を実際に行った(直接関与した)取締役が、過失責任として、立証すれば免れるというのは、都合が良すぎないか?ということ等を根拠に、直接自己の為に行った取締役には、428条が適用されます。

以上より、
 直接取引した人 ⇒ 428条 ⇒ 無過失責任
 間接的にした人 ⇒ 423条 ⇒ 過失責任
となるように、法律の立てつけがなされているものと思います。

質問者様が不思議に思われているのは、おそらく423条についてで、任務懈怠は推定されるものだから、立証すれば免れるということが原則ですが、利益相反性の高い直接取引した取締役は、例外規定として、428条が規定されていると考えれば良いのではないかと考えます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
しかし、私の頭が悪くて少し理解出来ないです。
同じような質問なのですが、
直接取引をした人は無過失責任までは分かるのですが、
無過失責任というのは過失が無くても責任を負わなければならないのですよね?
なのに、任務懈怠が無かった事を証明したときは、
会社に対する損害賠償責任は免れるというのは、これは無過失責任と言えるのでしょうか?
過失が無くても責任なのに過失が無かった事を証明した時は、免れるのですよね?
この関係がしっくりきていないのです。
おそらく説明をしてくださっているとは思うのですが、理解できていない状態です。
スミマセン。

お礼日時:2011/06/19 21:52

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