No.2ベストアンサー
- 回答日時:
大東亜戦争に至る過程は、幕末から勉強する必要があると思っています。
そして欧米列強がなぜ相互に覇権を争い、アフリカ、中東、アジアにどのようにして進出してきたかの彼らの体質は、古代ギリシャ、古代ローマに遡らないと理解が深まりません。数冊の本ではとても理解できませんが、少なくともトウキュディデスの「歴史」(京都大学出版会)(岩波では「戦史」の題名で出版され絶版)、マキャべルリの「ローマ史論」(岩波3部作)からお読みになるのをお勧めします。幕末に日本が欧米露をどのように認識していたかは、徳富蘇峰や福沢諭吉の著書にも書かれていますが、これらをつづめて読みたいのであれば、若狭和朋著「日本人が知ってはならない歴史(3部作)」、中村粲著「大東亜戦争への道」、特にお勧めは米国人ヘレンミアーズ著「アメリカの鏡・日本」などがあります。ヘレンミアーズは日本占領政策に力を貸すようマッカーサーから呼ばれて来日しましたが、研究するほどになぜ日本が極東軍事裁判で裁かれねばならないか疑問を生じ、昭和23年にはこの著書を発表したものの日本では発禁となり、最近この著作が米国で見出されて展転社から邦訳発刊されました。良心と事実に基づいた著作といえましょう。バイアスなしに書かれた本かどうかを見分けるには相当量の読書が必要で「これがそうですよ」と云われて読み、そのまま信じ込む愚は避けねばなりません。ただ歴史の著述は次の4つのカテゴリーのどれかを見定める力が必要と思っています。
1つ目は、当時どのような事実があり、国際環境はどうであり、時の為政者や学者、報道陣はこれをどのようにうけとめ、どのように対処したかを「思想的偏見」なしに論述した歴史書で、これこそ追い求めるべき歴史書といえましょう。
2つ目は、歴代のシナに見られる歴史ですが、彼らは易姓史観、すなわち前の政権はいかに不正で、今の政権はこれを正すために天が認められたものだから、前の政権は虚実ないまぜにしてくそみそにこきおろし、今の政権を褒めに褒めたたえる、つまり歴史とは政権に寄与する手段として書かれるもので、上記「1つ目」のような立場では書かれないのです。焚書坑儒もこの手段です。(これの亜流は朝鮮で、未だに政権が交代すると前大統領に死刑判決がよく出ますよね。)
3つ目は、社会主義国家になることが日本にとって最大の幸福と信じ込んでいる人たちが書く歴史書です。社会主義に反する諸歴史・文化(一番分りやすいのは、天皇に関すること)は総て否定の対象となるので、あることについては捻じ曲げた解釈をし、極端な場合は「そんなことは無かったんだよ」との説を平気で述べます。
4つ目は、東京裁判史観です。日本を統治する為に言論弾圧とプロパガンダで世論操作を行い「悪いのは上層部で、何も知らされなかった殆どの日本国民は、その犠牲になった気の毒な人」との分断政策です。朝鮮戦争で罷免され、米国に帰国したマッカーサーは、時のトルーマン大統領に「日本の戦争は自衛戦争だった」と述べたと伝えられますが、参考になる話ではあるでしょう。
昔「面白くてためになる講談社の絵本」と云うキャッチコピーがありましたが、歴史書にはそんなものはまずないでしょう。私も読書量を増やすべく努力中のものですが、「質問者」の方の御精進をお祈りします。
No.8
- 回答日時:
注意:バイアスがかかっているかどうかは、いくつかの本を読んで、あなた自身が比較することでしか解消できないでしょう。
(私が、バイアスがかかっていないと判断していても、それは、『私の持つ基準』というバイアスがかかっていることを意味します。)前置きはその程度として、
私がお勧めする本は
1、石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」岩間敏 朝日新書
2、それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子 朝日出版社 No.6の方の提示と同様
3、日本の戦争 田原総一郎 小学館
バイアスがかかっていても、その本人が有名で、どういう立場でどの程度かかっているか分かっていれば、その本自体は、読者が資料として、使うことも問題ないのではと考えて、田原総一郎氏の著書も提示しました。
No.6
- 回答日時:
〉 バイアスなく客観的に書かれているものが良いです。
(1) 防衛大学校教授などが一般人向けに著した本を読め
自衛隊員といえども思想信条の自由を有する。しかし、現実に日米安保体制もあることだし、共産主義者がたくさん自衛隊にいたら困るだろう。逆に、ウルトラナショナリスト(超国家主義者)も困りものだ。日本を偏愛し過ぎて、日本を損なう。
要は、バランスのとれた愛国者が適している。そのような歴史観の幹部隊員を養成するのが、防衛大学校の歴史学の教授の役目だろう。
具体的には、例えば戸部良一(現在は退官)である。一般向けの本も多数出している。『日本陸軍と中国:「支那通」にみる夢と蹉跌』 日本陸軍と中国(講談社選書メチエ)など、手軽に入手できる。第二次大戦へ向かっていく時代背景が、生き生きと描き出されている。
防衛大学校の教育には、いわば穏健保守の伝統があるようだ(例えば猪木正道校長を思い出してもらいたい)。それも道理で、もし軍人が左右に大きく偏ってたら、国家にとって有害だもんね。
しかし、右翼などはこれが気に入らないらしい。右翼や極右は、「真正保守」を自称したがる。彼らは猪木正道を攻撃した。
ちなみに、猪木も戸部も、現校長の五百籏頭も京大法学部出だったと思う。五百籏頭も「真正保守」に攻撃されたことがあった(街宣をかけられた)。
(2) 東大の穏健保守の先生の本を読め
京大と来れば東大だ。具体的には、例えば加藤陽子である。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2009年、第9回小林秀雄賞受賞)、『戦争の日本近現代史――東大式レッスン!・征韓論から太平洋戦争まで』(講談社現代新書、2002年)などが近刊書で入手しやすい。
加藤は、伊藤隆の弟子である。伊藤は保守的で、左翼から見ると忌ま忌ましい人物らしいが、資料を綿密に読み込む実証的な学風で業績を挙げた。ただし、右に傾き過ぎて「新しい歴史教科書をつくる会」へ行ってしまった。
加藤もその弟子だから保守的だが、まだ客観性を保っているようだ。最近ではNHKの歴史ドキュメンタリー番組などでも解説を務めていた。
No.5
- 回答日時:
有馬学『帝国の昭和』(日本の歴史23)はいかがでしょうか。
比較的最近のもので、講談社学術文庫でもでていますので入手しやすいかと。
内容は、「無謀な戦争にどうして至ったのか」という視点ではなく、当時の人間が変遷するそれぞれの国内外情勢の中で、どのような価値観に基づいて行動していったのか、を史料に基づいて丹念に叙述したものとなっています。
手堅い記述で、物事を単純化してとらえていない分難解かもしれませんが、現代の価値観に基づいた観念で議論する評論書などよりはるかに得るものが大きいと思います。
No.4
- 回答日時:
文春新書『昭和史の論点』。
論客四人により、小さい曲がり角から大きな曲がり角まで、ベルサイユ条約会議の頃から日本が孤立、戦争へと逸れていく急所を時系列におさえています。
No.3
- 回答日時:
ないです。
昭和東北大飢饉に触れた書籍は教科書を含めて絶無。こういう歴史的事実を知っていれば東北農村青年が軍部で身を立てようと考えた背景も理解できると思います。しかし、ほとんどの書籍は、いきなり軍部の青年将校がどうしたこうしたというところから話を始める訳です。
明治時代の軍部は、陸軍が旧・長州藩出身者、海軍が旧・薩摩藩出身者が主流であった。では、それが昭和になってどう変わったか。そういう問題意識を持たないと何も読み解くことなどできません。
京都大学で戦前から活躍された農業経営学者で橋本伝左衛門(1887-1977)という人が居ます。この人が日本で始めて満州農業移民論を唱えた人なのです。橋本伝左衛門は1920年代から本人が満州に行ったこともないのに地図だけを見て、満州には肥沃かつ未開の大地があるなどと熱心に唱えだして、政府に満州農業移民論を売り込みに行ったのです。後に226事件で斃れる高橋是清に問われて、けろっと満州に行ったことはないと答えています。ところがなぜか戦後の歴史学会からは橋本伝左衛門の存在は無視されて、満州農業移民は関東軍が推進した国策だったとしか記されていないのです。私も橋本伝左衛門の名は書籍を通して知ったのではなく、↓のサイトを見つけて知ったのです。
満蒙開拓団と長野県
http://amanakuni.net/inochinomaturi2000/forum/ik …
バイアスとか客観的うんぬん以前に戦前の近代史はほとんど未解明に近い。今、私たちが日本近代史と思い込まされているのは、戦後の歴史学会の創作に過ぎないというのが実態です。
読み解きたいというアプローチ自体が間違いだと躊躇うことなく断言する。
この回答へのお礼
お礼日時:2011/07/23 14:57
厳しいご意見ありがとうございます。これから始まるであろう激動の時代を乗り切るため、判断能力向上も兼ね、歴史に学びたいと思っています。
No.1
- 回答日時:
基本的に戦争に関する記述を含む本には、何かしらの思想が入っていますので・・・
一番中立的で事実のみを淡々と記述し、かつ前後の流れが明確に表されているのは「教科書」になると思います。右派からも左派からもよく叩かれている日本の歴史教科書ですが、現実的に考えて一番中立的なのは教科書だと思います。
内容は少し難しいかもしれませんが、そういった観点から戦争について知りたいのであれば、山川の高校日本史Bの教科書をお勧めします。
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