A 回答 (8件)
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No.8
- 回答日時:
>>運動量と運動エネルギーの違い
これは、学生時代に私も不思議に思ったものです。
2つの物体が衝突するとき、運動量は必ず保存されます。が、運動エネルギーは保存される場合とされない場合があります。
例えば、人体に銃弾を打ち込むとき、どのようにな場合でも運動量は保存されます。
1)防弾チョッキも着てなくて、大口径の弾を打ち込まれ体内で弾頭が停止した場合、体は電信柱で殴られたような衝撃を受けて、弾の勢いで後ろに押されるようになるでしょうね。この場合、運動量は保存されます。
2)弾丸がベアリングのように硬くて球形の弾で変形しない。そして、その弾を完璧に跳ね返すような鎧を身につけていた場合、弾丸は逆方向にはじき返されます。この場合も、運動量は保存されます。
ただし、1)の場合は、大きく体が損傷して、死ぬ場合もあるでしょう。2)の場合は、無傷となります。ただし、跳ね返った跳弾で射手が傷つくかもしれませんね。
弾性係数など、具体的な数値を入れて、弾丸が命中する前と、その後の運動エネルギーがどうなるか?を計算すると、1)のほうが運動エネルギーが小さくなっているのがわかります。その小さくなった運動エネルギーは、弾頭や肉体を変形・破壊し、さらに熱として失われたわけですね。
ちなみに、襲ってくる敵を倒すという意味では、弾頭の運動エネルギーも大切ですが、運動量も重要なようです。いくら運動エネルギーが大きくても、運動エネルギーが相手の体に十分吸収されないまま、貫通してしまえば、弾頭は、運動エネルギーを残したまま彼方に飛び去ってしまいます。また、貫通しないとしても、運動量が不足して、相手の突進を止められない可能性があります。
弾頭を重くすれば、貫通しないで運動エネルギーを相手の体を破壊するのに十分転化できるでしょうし、運動量保存則により、相手の突進をも止めることが可能となります。
(何発打ち込んでも敵の突進を止められなかったということがあって、過去、アメリカの軍用ピストルは38口径から、45口径に変更されたそうです)
No.7
- 回答日時:
>となると、
>運動量はベクトル量
>運動エネルギーはスカラ量
>で、運動エネルギーは運動量に比べて、「方向」という情報が欠落しているように思います。
その通りですね。エネルギーには方向情報はありません。
ただ、エネルギーの場合は(ずるい気がしますが、)そのときの状況によって、エネルギーの増減を考えたり(マイナスのエネルギーともいえるのですが)、作用した力の方向を考えて有効成分だけを取り出したりします。たとえば仕事はF*xですが、このときのFはx方向(移動した方向)成分だけを取り出して計算します。方向情報が無いので、計算時にそれを補わないといけないわけです。
>例えば、ビリヤードの球のぶつかり等の挙動の説明は運動エネルギーでは無理ということになるでしょうか。
運動量でも、運動エネルギーでも、すべての挙動を捕らえることは無理です。すべてを知りたければ、運動方程式(2階の非線形微分法的式)を解かなければなりません。
この点は、誤解している人が多いのですが。。。たとえ話をしますと、
いくつかの買い物をしたとします。この時いくら使ったかを計算する方法は、
普通なら、買った品物の値段を順に足し算していきます。これが運動方程式を使う方法です。
運動量や運動エネルギーを使う方法は、出かける前と帰った時とで財布の中身を調べて引き算する。に相当します。「全体として○○が保存する」ことが分かっているので、こういう手抜きな計算方法が使えるのです。
手抜きした場合は、すべての事は分かりません。買い物なら途中の財布の中身は分かりません。ビリヤードの問題では、運動量を使った方法では、球が触れ合っている間(球が少し変形している)の球の運動は分かりません。エネルギーを使った方法では、球の運動方向がわかりませんが、(他の方法で方向を補えば)衝突で球にかかる最大の力や、最大の変形を知ることができます。(最大が分かるだけで、途中経過は分かりません)
(ビリヤードで球にかかる力は http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6857797.html にあります)
これらは臨機応変に使い分ければよいことで、「どの方法が優れているか?」とか考えても意味がありません。
No.6
- 回答日時:
自分が最初の頃に一番納得できたのは、#1さんご紹介のURLにあるような説明であり、#1さんの別物と捉える立場です。
しかしどうして、二つの力学的基本量があるのかが、もやもやしていました。二つの力学的基本量の意味は、運動量保存則と力学的エネルギー保存則という、二つの力学的基本関係を記述する物理量が、運動量とエネルギーという意味です。
そういう訳で結局、二つの力学的基本関係がなぜ存在するのかを突破しないと、もやもやは消えないと思います。なので以下は、もやもやを突破しようという試みで、敢えて書いてみます。
その後、ニュートン力学の専門書を読むようになりました。そこには次のような記述がありました。
(C)万有引力のように、物体間の距離だけで定まる力を扱うのが、純粋な古典力学(ニュートン力学)である.
と。次が導けます。
(mv-1)条件(C)を認めると、力学系は平行移動によって不変になり、運動量保存則が導ける.
(mv-2)逆に運動量保存則を認めると、(C)が成り立ち、力学系は平行移動で不変.
(mv-3)故に運動量保存則は、平行移動で力学系が不変になる事を表している。
ここで力学系とは、ニュートンの運動方程式に従って、互いに力を及ぼしながら動き回る質点系の事を言います。つまり運動量保存則は、ニュートン力学に現れる力のタイプを決めている訳ですが、(mv-3)から、(mv-1)と(mv-2)は、さらに拡張解釈されます。(mv-3)は、空間の一様性の反映であると。
空間の一様性とは、ここでも100万光年離れたアンドロメダ大星雲の中でも、同じく運動量保存則が成り立ち、その結果得られる力は、(C)だと言う訳です(ニュートン力学では)。これは、
>運動量(の保存法則)は、全世界の質量の動きを合計すると、慣性の法則が成立している。=全体として等速直線運動>をつづけている。という意味です。ニュートンの慣性の法則を拡大したものといえます。
という#4さんの記述と等価なものです。
同様に力学的エネルギー保存則は、時間の一様性の反映です。いまでも100万年未来でも過去でも、エネルギーは一定だと言っています。
要するに、運動量保存則も力学的エネルギー保存則も、ニュートン力学における時間-空間の特徴を述べた、「ニュートン力学による宇宙論の一部だった」とみなせます。「宇宙論」という言葉は、一般相対性理論以降に現れましたが、ニュートン力学(古典力学)においても、正面切っては言われませんでしたが、宇宙論の考えはあったんです。
じっさいニュートンの真意は、世界の全てを彼の力学によって解明するという万物理論でした。そのために加速度は絶対基準であるという、ニュートンのバケツを考察します。これはマッハが指摘しました。
ところでエネルギーは、#4さんや#1さんが仰るように、力学現象以外にも転化します。それをもともとの、時空間だけの性質として説明しようとするのが、どうやら現在の場の理論らしいのです。
詳細には知りませんが、いずれにしろ、運動量保存則と力学的エネルギー保存則という、宇宙の性質に関連した二つの一般法則があり、それを記述するのが運動量とエネルギーなら、それらは是非導入すべきとは、思いませんか?
No.5
- 回答日時:
ニュートンの運動方程式は
m・dv/dt=F
ですが、質量mが定数ならば、左辺は
d(mv)/dt
と見なすこともできます。
つまり、運動量
p=mv
を考えると
運動方程式は
dp/dt=F
と書けるわけです。
これを変形すると
dP=F・dt
この式は、右辺が"力・時間"ですから"力積"を示しており、
運動量の変化(dP)は、力積(F・dt)に等しい、という関係を意味しています。
もし、力積が0(物体に働く合力による力積です。複数の力が作用している場合は、各力の力積のベクトル和が0ということになります)であれば、運動量は保存される(dP=0)という、運動量保存則です。
次に
m・dv/dt=F
の両辺にvを掛けてみます。
m・v・dv/dt=F・v (ア)
v・dv/dtは
(1/2)・d(v^2)/dt と見なせますから、質量mが定数なら
m・v・dv/dt=d((1/2)m・v^2)/dt
(1/2)m・v^2は運動エネルギーですからこれをKとすると
(ア)の左辺は
dK/dt
です。
また、v=dx/dt
ですから、(ア)の右辺は
F・dx/dt
と見なすことができます。
結局
dK/dt=(F・dx)/dt
∴
dK=F・dx
となりました。
左辺は、運動エネルギーの変化量、右辺は合力による仕事ですから、この式は、物体に働く合力が仕事をすると、その仕事の分(あるいは、力が複数働いていたら、各力の仕事のスカラー和)だけ、運動エネルギー(1/2)m・v^2が増加する、と解釈することができます。
合力が仕事をしなければ、dK=0 となりますから、運動エネルギーも一定に保たれることになります。
具体的な例を見てみましょう。
(1)物体が、一定の大きさの向心力を受けて、向心力と垂直な方向に速度を保つように、円運動している場合です。
向心力の方向は、常に速度(変位)の方向に対して垂直ですから、向心力は仕事をしていません。当然のように、運動エネルギーは変化しません。物体は等速円運動しているはずですから、これは当然ですね。
しかし、物体が運動している間、向心力は力積を与え続けていますから、物体の運動量は保存されません。
運動エネルギーが保存されていても、運動量が保存されるとは限らないわけです。
(2)2つの物体が衝突する場合です。
2物体を1まとめにしてみると、衝突の間に互いに及ぼし合っている力は内力と見なせますから、力積は0です。運動量は保存されます。
しかし、2物体が完全剛体でないなら、2物体が接触している間に、いくらか変形・変位しているはずですから、各物体に働いていた力は仕事をしています。しかも、仕事はスカラーですから、仕事は単純和になります。このため、運動エネルギーは保存されないことになります。運動量が保存されていても、運動エネルギーが保存されるとは限らないわけです。
例外的に物体が完全剛体であれば、接触中の変位が0ですから仕事は0なので、運動エネルギーも保存されることになります。
このように、2つの概念は、互いに異なる視点から運動方程式を見たものと言えるようです。
(ア)力を、物体が受ける変位量との関係で見る。
物体に働く力が仕事をしているかどうか。仕事の量に応じて、運動エネルギーは変化します。
しかし、この見方では時間経過に伴う変化は埒外ですから、運動量がどうなっているかは情報不足で不明です。
(イ)物体に働いている力が時間経過に伴って物体の速度にどのような影響を与えているかを見る。
力積が0であるなら運動量は保存され、0でなければ、力積に応じて運動量が変化します。
しかし、この視点からは、仕事量は評価外ですから、運動エネルギーが変化しているかどうかは不明です。
No.4
- 回答日時:
これは、たしかに、難しい話ですよね。
運動量が、m*v で、運動エネルギーが 1/2m*v^2 とよく似た形をしているし。。。
でも、実は、この2つは、まるで目的の違う数です。
運動量(の保存法則)は、全世界の質量の動きを合計すると、慣性の法則が成立している。=全体として等速直線運動をつづけている。という意味です。ニュートンの慣性の法則を拡大したものといえます。
この法則は、物体の運動にしか適用できません。逆に言えば、物体の運動だけ考えれば、つねに成立する法則です。
運動エネルギーは、「物体の運動は、いろいろな形に変換できる。」という法則です。
(というか、変換可能な形をみつけて、それにエネルギーという名前を与えている。というべきかもしれません。)
エネルギーは、力や運動に関係あるものだけでも、
1/2m*v^2 , F*x , m*g*h , 1/2k*x , p*V
と、いろいろな形をしています。一見それぞれ別のもののように見えますが、すべてニュートンの法則を使って、式変形して求めることができます。たとえば、簡単なのは、
m*g*h → F*h → F*x
でしょう。
さらに、エネルギーは、運動だけでなく、熱、電磁気など多くの形にも変換できます。これらも、すべて、実験や電磁気の法則などで変換可能なものを見つけてはエネルギーと名づけていったのです。
つまり、エネルギーは、法則というよりは、数式変換を簡略化したものと考えられます。使用するときは、運動量と違って、物理学的にほんとに変換可能なのか、予想した以外の形に変わることは無いのか、注意しながら使う必要があります。
回答、ありがとうございます。
運動量:物体の運動にしか適用できない。
運動エネルギー:いろいろな形に変換できる。
なるほど。
少しだけですが、わかったような気がします。
となると、
運動量はベクトル量
運動エネルギーはスカラ量
で、運動エネルギーは運動量に比べて、「方向」という情報が欠落しているように思います。
例えば、ビリヤードの球のぶつかり等の挙動の説明は運動エネルギーでは無理ということになるでしょうか。
No.1
- 回答日時:
>
http://suika.fam.cx/chuubu/2001/2-7/kadaiken/und …といったようなものでしょうか。確かに、物理では違うもの、さらには違う分野についての一致を気にする面があります。それはそれで有効です。
しかし、あえていったん、運動量と運動エネルギーは別物で無関係に見える、という立場をお勧めします。
運動エネルギーは、儚いものです。しかし、歴史以前から人類はこれに注目していったといいのでないかと思います。重くて速けりゃすごいじゃないかと。
地球は電磁気力を基本的には与えてもらってないのに雷がある。その他天変がある。地震も基本的にはエネルギーで語られます。それほどにエネルギーというのは基本的なものですね。
蒸気機関車というものがありました。熱機関です。しかし熱と言うのは効率が悪いのです。ガソリン、ディーゼルといった化学的爆発を利用する内燃機関が実用化されると消えて行きました。小型であるべき乗用車はもちろんのことです。
爆発力で押し出す化学的エネルギーと運動エネルギーを比べて、何の意味があるでしょうか。内燃機関については、気圧を考慮してどれだけ膨張するかでしかありません。そこにエネルギーの考察はありません。
運動エネルギーとは、エネルギーの一形態でしかありません。結論を言えば、それは周り巡って熱(エネルギー)にたどり着きます。
しかし、運動量は何があっても失われません。どのような物理現象があろうと万古不変です。宇宙全域にわたって、減ることも減ることもありません(衝突相手が絶大に質量が大きく、それの運動量変化を0とすることはある)。このとき、運動エネルギーの変化が分かっていれば(ゼロでもよい)、それが計算に役立つことはありますが。失われないとしたら、その関係式を求めるの一興でしょう。しかし、運動エネルギーから運動量に申し立ては認めない。
まあ、そんな違いです。
回答、ありがとうございます。
リンクのpdf、読んでいる最中です。
結果的に積分の関係だったけれど、最初はそんなことは考えていなかった?ような感じでしょうか?
ちょっとびっくりです。
運動エネルギーは、エネルギーの形態が変化するが、運動量は変化しない。
少しだけわかったようなきがします。
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