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こんにちは。
1.今、カミュの『異邦人』という本を読んでいます。この本が出版されたのは1942年のことですが、そのあたりの時代状況、特に全体主義の流れを知りたくて質問しました。なんでもいいので教えてください。

このあたりの時代の全体主義的傾向を扱っている著名な本などがありましたら教えてください。僕は政治を専門的に勉強していないのでもっとも基本的な本がいいと思います。

2.ついでですが、全体主義的傾向は戦争の時期に限らないと思います。たとえば、日本人の私たちを日々暴力的に統率しているものとして、「やさしさ」が挙げられると思います。優しさが無いと判断されると、全人格的に否定されてしまう。意識下に巣食う集団的暴力はほかにもいろいろあると思います。もしよろしければ、これについても教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

1.ハンナ・アレント『全体主義の起原』(みすず書房、1972~4年)


 ごく大まかに言えば、思想家としての立場からヒトラーやスターリンの体制を批判的に論じることが主な点。従って、政治体制論の側から言えば、物足りない。これに対してスペインのリンスが『全体主義主義体制と権威主義体制』で厳密に分析。(しかしこれも今や古典となってしまい、現在の政治学ではさらに専門家が進んでいます)

2.藤田省三『全体主義の時代経験』(みすず書房、1995年)
 今日の生活のあり方も視野に入れて20世紀を精神史的に分析。ただ、国家などによる権力(暴力)や個人の人格の管理についてもって根本的に考えれいるものとしては、フーコーの一連の著作があります。例えば、『監獄の誕生』、『性の歴史』など。

藤田さんの著書以外はいずれも大著(量的に)なので、それぞれの解説書を読んでみてはいかがでしょうか。あるいは、政治学の教科書を拾い読みしても良いかと思います。
一つ挙げておけば、杉田敦さんの『権力』(岩波書店、2000年)が良くまとまっていて、読み応えがありました。

もっと具体的な歴史についてお答えできればよかったのかもしれませんが、私の専門の関係で政治理論に偏ってしまいました。この点については他の回答者の方におまかせします。
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この回答へのお礼

僕の漠然とした質問に対し、丁寧な回答ありがとうございました。
早速メモして、今日図書館で探してみます!

お礼日時:2003/11/09 13:00

ハンナ・アーレント「全体主義の起源」みすず書房 1972

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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
著者はとても有名ですね!

お礼日時:2003/11/08 20:16

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